聖夜ですね。クリスマスですね。皆さまいかがお過ごしでしょうか。
僕ですか?僕にとっては今年のクリスマスなんかただの平日ですよ。23日が祝日じゃなくなったので、続けざまで出勤ですとも。
しかも去年と違ってクリスマスプレゼントになり得るような大きなライヴなんかないし、仕事でもクライアントから今更ムチャなオーダーが入ってそのやりとりに振り回されたし、帰りの電車でやたら話し声がデカいジジイが隣に座るし......。
あああああああ俺の聖夜なんかクソだ!!
サンタクロースも来ねえし!彼女なんて気の利いた存在もいねえし!フザけるな!ローストチキンおごれ!!
そんな精神状態なので、今回はいかにして聖なる夜を汚してやろうかと考え、このアルバムの感想を書こうかなと思った次第です。
アメリカ出身の5人組スラッシュメタルバンド・RAMMING SPEEDの現時点での最新作。
スラッシュメタルといえば一見幅の狭そうなジャンルに思えて、実は泣きのメロディーを備えていたり、ハードコア寄りの激しさを強調していたり、プログレ並みにリフが練り込まれていたり、邪悪な雰囲気をあまり感じさせない楽し気なものだったりと、バンドによって個性があるのは周知の事実であると思います。
そしてこのRAMMING SPEEDというバンドは所謂クロスオーバー系統とでも言いましょうか。スラッシュメタルではありつつも、ハードコアパンクの荒さや激しさを前面に押し出しているスタイル。整合性以上に獰猛な勢いを重視しているように感じます。
本作に込められた音はまさにそんなクロスオーバースラッシュの攻撃性・邪悪さ・イカレた側面をこの上なく濃縮したような仕上がりで、爆走に次ぐ爆走!重く汚く歪んだギターとベースが唸り、ドラムがアホみたいな速度で突っ走る!もはやデスヴォイスといっても過言ではない荒れまくりのヴォーカルが叫び散らす!!
アルバム全編を通して爆走しない曲が存在せず、とにかく力尽きるまで暴れ倒してやるぜ!というバンドの気概が音から伝わってくるのです。リスナーの喉笛に喰らいつき蹂躙せしめんとするこの獰猛さよ!時折飛び出すリードギターソロやハードコアっぽさ満点のシンガロングでさらにテンションを底上げしてくるのもたまらん!
どんなジャンルにせよ音楽に小ぎれいさや、丁寧さ、整合性を求める人にはただの騒音にしか思えないかもしれませんが、この音のカッコよさがわからんヤツはとっとと失せろ!と言ってやりたいですね。この音こそまさしく熱く、速く、うるさく、やかましいサウンドを愛する者にとってのご馳走!
この疾走感と狂った叫びを上げるヴォーカル、やりたい放題に暴れ狂う演奏に陶酔するのが正しい聴き方でしょうね。一曲一曲取り出してどうこうではなく、とにかく頭からケツまで浴びるように爆音で聴くのだ!
さあ「クリスマスなんて...」と嘆いている同志よ!このめくるめく暴虐スラッシュメタルを共に聴き、聖なる夜を粉々に粉砕しようではないか!
グハハハハハハハハハ!!!!!!
......そんな中、マキシマム ザ ホルモンのドラムのナヲさんがこんなツイートをしていました。
近年クリスマスの盛り上がりが弱くなってきてる気がする。街も人もTVも、昔はもっと皆キラキラ浮かれてたよねぇ。クリスマスは恋人達のイメージあるから恋愛関係なくただ騒げるハロウィンが幅きかせてるって説聞いて、大きく頷いた。家族、友達、ひとりだって1年お疲れ的に楽しめる日でいいと思うー!
— ナヲきち (@mth_nao) December 24, 2019
ありがとうナヲさん。僕の汚れた心が少し浄化されたような気がする。
M2「Choke Holds And Bullet Holes」 Official Audio