ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

1/10 GALNERYUS / 15th Anniversary ~Radiance~ "WALKING IN THE FLAMES OF PURGATORY" TOUR at 新木場STUDIO COAST

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ブログタイトルが超長くなってしまった...。まあしょうがない、こういう名前のツアーなんだから。

 

先日のSUM 41の興奮も冷めやらぬ中、早速次のライヴに臨んできましたよ。

 

昨年発表した最新作『INTO THE PURGATORY』が素晴らしい内容だったJ-METALの至宝・GALNERYUS。彼らのアルバムレコ発ツアーのファイナル公演です。

 

平日のライヴはいかにして開演時間に間に合わせるかがカギとなりますが、このライヴは絶対に見逃せないと気合いを入れて、数ヶ月前から有給をとっていたので僕に隙はない。新宿で野暮用を済ませ、タワーレコードで本日発売のアルバム1枚買った後新木場へレッツゴー。

 

開演30分前くらいに着いたのですが、もうこの時点であらかた入場は終わってしまっており、会場前の広場にはほとんど人がいない。ロッカーもほとんど使われておらず(少なくとも2階は)、ロビーもグッズ売り場もガラガラ。そしてフロアに入ってみると、前方はそこそこ密集してはいたものの、入り口側のサイドや後方付近は空きが目立つ。

 

もちろん開演直前にはもっと人は入っていたのでしょうが、やはり満員には遠い感じで、連休前とはいえやはり平日のコーストは大きすぎたのかなあと。『ULTIMATE SACRIFICE』のツアーファイナルを行った豊洲PITはコーストよりもキャパが大きい会場ですが、後ろの方は座席指定でしたからね。

 

人の隙間を縫って割と前方の上手側に陣取る。すぐ前にガタイの良い外国人2人がいるためやや頭がジャマに感じるとこはあるものの、割とハッキリ観やすい位置でした。

 

開演時間を少し過ぎた時点で暗転。小野さん以外のメンバーが真っ暗な中ステージに現れ、アルバムのインストである「PURGATORIAL FLAME」で幕を開ける。

 

『INTO THE PURGATORY』は過去最高とも言えるほどに演奏の密度が高い作品であったためか、非常にヘヴィでどっしりした歪みのギターが心地よい。彼らの音はあまりヘヴィさ重視ではないものですが、このモダンにならない範囲でメタルらしい攻撃性を表現するヘヴィリフは頭を振るのにもってこいですね。

 

そして小野さんの見事なハイトーンから一気に「MY HOPE IS GONE」へ。サビの音域がクソほど高いこの曲ですが、これを見事に歌いあげる歌唱は絶品。これだけ演奏がスゴイことになっているのにも関わらず、それに埋もれることなく存在感を発揮する彼のヴォーカルはやはり素晴らしかった。

 

僕は事前にセットリストを見ていなかったので知らなかったのですが、今回のツアーは最新作の曲順で演奏する1部、過去曲を演奏する2部という構成になっていて、ちょいちょいユル~いMCを挟みつつもアルバムの再現ともいえるセットリストでした。個人的には過去曲も新曲も入り乱れた内容の方が好きではありますが、まあこれはこれで良いか。途中休憩をはさむので首を休めることもできますしね(笑)

 

しかし改めて思うのはこのバンドのライヴ力の高さ。前述の小野さんのヴォーカルももちろんですが、音源での超絶技巧をよくもまあここまでライヴで聴かせることができるなと。「FIGHTING OF ETERNITY」ではYUHKIさんの人間離れした超速ソロを弾き倒し、彼ら流のメロハーナンバー「NEVER AGAIN」では音源以上にSYUさんのギターが泣きまくりの唸りまくり。どれだけインストパートが長くとも一切退屈さを感じさせないのです。

 

ただFUMIYAさんのドラムはかつてTHOUSAND EYESで感じさせたような圧倒されるほどの鬼気迫る印象は少なく、やはりこうも周りの人間がバケモノ揃いだと相対的に下がって見えちゃうのかな(いや、THOUSAND EYESも充分バケモノ揃いのバンドですが)

 

そしてTAKAさんに至っては外国人の頭がジャマで観にくいことこの上ない(笑) またSYUさんのギターがかなり攻撃的なので若干聴きとりづらかったのもちょっと残念。とはいえここぞというところで見事なスラップやタッピングを披露していましたし、その邪悪なご尊顔もしっかり視認できましたよ。

 

7弦ギターによるヘヴィリフとオペラ風のヴォーカルが荘厳な雰囲気を醸し出す「THE FOLLOWERS」、まくし立てるようなハイトーンのサビを持つ「COME BACK TO ME AGAIN」(この辺になるとさすがの小野さんも少し苦しそう)と続き、さらに素晴らしかったのが「REMAIN BEHIND」~「THE END OF THE LINE」のクライマックスでした。

 

「REMAIN BEHIND」は小野さんの歌声の説得力がひと際高まる瞬間で、中盤のSYUさんのギターはこの日最高ともいえる絶品の泣きを披露。そのまま大作の「THE END OF THE LINE」へとつながるのですが、音源でもすさまじかったユニゾンソロが生で炸裂する。

 

あの超速キーボード・ベース・ギターが疾走するドラムに合わせてドンドン加速していく迫力は筆舌に尽くしがたい。一糸乱れぬ丁寧さと獰猛な勢いを完璧に両立したソロ。この瞬間、僕は頭を振ることも忘れていました。ただひたすらに目の前で繰り広げられる演奏に目と耳と心を奪われるだけ。

 

この日一番のハイトーンシャウト、そしてエンディングのリードギターで終始オーディエンスを魅了したまま第1部は終了。前回も似たようなことを書きましたが、この時点でチケット代の元は充分以上にとれたと言っていい充実感。ここからまた過去曲を取りそろえたライヴが待っているとは、僕は何て贅沢な空間にいるのでしょう。

 

少し間を空けてからの第2部は初期の名曲「Struggle for the freedom flag」からスタート。休憩を入れたためか小野さんも調子を取り戻したようで、サビの高音もバッチリ。この曲も小野さんヴォーカルで音源化してくんねえかな~。

 

続いて「POINT OF NO RETURN」、「FATE OF SADNESS」というスピード感を抑えたややトリッキーな楽曲。小野さんは前のMCで「ぜひ皆さんと一緒に歌いたい!」と言ってしたが、あなたたちの歌を一般素人が歌うのはムリですわい。

 

FATE OF SADNESS」のエンディングはソロが拡張され、SYUさんとYUHKIさんによる速弾きの掛け合いが加わることに。個人的には速弾きよりもエモーショナルな泣きを演出する方が好きなのですが、ここまで超絶技巧を延々披露されちゃ、圧倒される以外にない。しかし本人たちは軽やかに、楽しそうにやっているのがまた驚異的。

 

またミドルチューンである「MY LAST FAREWELL」を挟んだ後のクライマックスはFLAGシリーズの3連打。「REBEL FLAG」で血を這うような力強さとどこか土臭い哀愁を、「UNITED FLAG」で勇壮さに満ちたシンガロングを生み出し、そして最後の「THE PROMISED FLAG」で天上にまで至る極上の興奮と高揚感に包まれる。

 

ここまでくるとさすがに50過ぎの小野さんは疲れが隠せず、「THE PROMISED FLAG」のサビのロングシャウトの伸びはだいぶ悪かったですね。しかしこの曲の壮大なメロディーの魅力は一切色褪せない。歌詞通りホントに空まで届きそうな解放感。本編ラストに相応しい瞬間でした。

 

そして少し待たせた後のアンコール。まずは小野さんのみが登場し、先日放送されたTBSの「PLAY LIST」収録時のエピソードを語り始める。

 

Nスタに出てたホラン千秋を眺めながら「ひょっとしたら廊下に居ればホラン千秋とすれ違うんじゃ!?」と一縷の望みをかけて待ってみると本当に遭遇。目が合って軽く会釈をされ「たった3秒くらいとはいえホラン千秋の人生の中に自分がいた」という喜びをかみしめ、楽屋で待機中のメンバーに羨ましがられたそうです。テレビに出てる綺麗な女性タレントとほんの少しだけでも会えるってどんな感覚なんだろうな~。

 

さらに今話題沸騰中のFUJIWARAの藤本さんにも会ったくだりを話したところで「メタルのコンサートですから」とユルい話題は切り上げに。そして披露されたのが超大作「ANGEL OF SALVATION」。

 

この曲はまるで大作映画のように壮大な世界を描き出す名曲で、非常にギターソロを中心としたインストパートが長い曲であるのに、その展開の妙で一切のダレを感じさせないんですよね(彼らの長い曲はたいていそうですが)

 

最後のサビが終わってからのコーラスで皆が手を左右に振り出すなか、SYUさんは目頭を押さえる場面も(本人曰く「思わずちょちょぎれた」)

 

さらにダメ押しのダブルアンコールは彼らの代表曲「DESTINY」。僕が彼らの超絶技巧を初めて体験した楽曲で思い入れもあるため、いつ聴いても興奮は最高潮になる。全楽器のユニゾンからギターとベースの高速タッピングまで完璧で、彼らの超人ぶりを見せつけるかのようでした。サビのヴォーカルは半分近く丸投げだったのは解せませんが。

 

全て含めると3時間にまでおよぶツアーファイナル。オールスタンディングでこの時間になるとどうしても疲れは出てしまいますが、演奏中はその長さを感じさせないほどの超濃密なアクトをたっぷりと堪能できましたね。GALNERYUSのライヴに満足度の低いものはありませんが、特に本日の密度は異常だったと思います。

 

ただ不満だったのは、以前のライヴはピックを湯水のごとく投げてくれたのに、今回は2~3枚くらいしか投げてくれなかったことですかね(笑) 充分キャッチできる距離だっただけにひそかに期待してたんですけど。