ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

BROTHERS OF METAL 『Emblas Saga』

BROTHERS OF METAL 『Emblas Saga』

ブラザーズ・オブ・メタル!!!

何てメタルなバンド名なのでありましょうか!!

 

俺たちは皆兄弟だ!ヘヴィメタルを愛する兄弟なのだ!そんな彼らの熱い思いが感じ取れるかのようなあまりにもストレートでおバカで、そして愛すべきバンド名だ!

 

バンドを組む時「そのバンド名はちょっと...」と友人知人からは言われたのでしょう(知らんけど) しかし周りからいくらダサいと思われようと、自分たちの信念を最もわかりやすい形でバンド名にした彼らの心意気、僕は全力で肯定したい。

 

どこかの部族かと思うようなコスチュームとメイクを施し、男女混合の8人組というSlipknotにも迫る大所帯でスウェーデンにて結成された彼らBROTHERS OF METAL。そのバンド名といで立ちからは、勇ましさ満点のペイガン、ヴァイキング系統の音を想起させます。

 

ただ聴いてみてわかるとおり、あまりヴァイキングメタルっぽさやフォーキッシュな要素は感じられず(まったくないわけではない)、割とノーマルなエピックメタルの印象が強い。音楽的には見た目ほど民族的なものにはこだわっていないんでしょうかね。

 

語りによるSEから続くM2「Powersnake」、M3「Hel」は剛直なミドルテンポで、メタルらしいエピカルな雰囲気は充分ですが、あまりメロディーがキャッチーというわけではなく、アルバムのオープニングとしてはやや地味目。もう少しツカミを良くしてほしいかな。

 

しかしM4「Chain Breaker」はアップテンポでキャッチーに展開、曲タイトルを何度も叫ぶサビがいちいち熱いキラーチューン!ここで一気に意識を持っていかれましたね。初聴きでインパクトを与えるキラーがあるのは嬉しい所。

 

その後の楽曲はどれもメロディーのキャッチーさが増強され勇壮な要素とマッチし、ドラマチックなメタルでしかなしえない世界観を描き出す。この雰囲気はヴァイキングメタルに通じるところがありますね。シンガロングも男らしくで勇ましさUP!

 

こういった作風だと女性が毛嫌いするレベルでむさ苦しくなるのがメタルの常だと思いますが(?)、彼らの場合メインヴォーカルがしなやかさを感じさせる女性によるものなので、過度に暑苦しくなることが防がれています。やっている音楽は文句なしのゴテっとしたメタルなのに、聴きやすいとすら思わせてしまうとは、やはりヴォーカルって大事な要素ですね。

 

タイトルトラックであるM9「Emblas Saga」以降の後半の楽曲のクオリティーが高いのもポイント。むさいシンガロングがふんだんに使われたM10「Brothers One」、渋みのある男泣きメロディーが胸を打つバラードM11「One」、これぞ疾走エピックメタルの神髄と言わんばかりのキラーチューンM12「Ride Of The Valkyries」、アルバムを締めくくるに相応しい美しさと儚さを携えたM13「To The Skies And Beyond」。

 

このラストに至るまでの名曲の連打で最後の最後にアルバムの印象を押し上げることに成功している。この構成はかなりポイントが高い!

 

オープニングのツカミが弱めなことと楽曲のバラエティがやや乏しいことは惜しいのですが、このメタルならではのエピック要素、そしてメタル以外に絶対にありえないバンド名(歌詞も)はメタルヘッズにはご馳走でしょう!メタルを愛する兄弟ならば本作を聴き逃しちゃいけません!

 

俺たち皆メタルの兄弟だ!皆メタルなのだ!!

 

M8「Njord」 MV

 

M10「One」 MV