ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

GALNERYUS 『PHOENIX RISING』 (2011)

GALNERYUS 『PHOENIX RISING』

今このタイミングで書くのに特に理由はないのですが、GALNERYUSの旧譜感想を。せっかく音楽感想ブログやってるんだから、過去に聴いてきたものも取り上げないともったいないので。今後も気が向いたら過去作の感想をガシガシ書けていったらいいなあ。

 

2011年に発表された、新ヴォーカルに小野正利さんを迎えての第二作目。東日本大震災を受けて日本へのエールを込めた作品でもあるそうです。とにかく金ピカに光り輝くジャケットがド派手で、まず目を奪われます。

 

前作『RESURRECTION』は、良くも悪くも方向性が広がりがちだった状態から、自身のメロディック・テクニカル・スピーディーという本分を取り戻し、かつジャケットの通り天高く飛翔していくようなイメージをそのまま想起させる快作でした。

 

そしてそれに続く本作はメロディアスさは据え置きのまま、飛翔感以上にガンガン突き進んでいくパワフルさ、爽快感以上に熱さを重視したような、より実直で力漲る印象を受けます。ギターを中心にバンドサウンドが前作に比べてやや奥に引っ込んで聴こえますが、まあそこまで気になるレベルではないかな。

 

疾走曲と呼べるのはM2「TEAR OFF YOUR CHAIN」、M7「T.F.F.B.」くらいのもので、あとはミドル~アップテンポの曲ばかりなのですが、サウンド全体から発せられる熱さはかなりのもの。疾走に頼らずともパワー面において不足は一切感じられない。むしろ軽やかさが目立っていた前作と比べてさらに馬力マシマシとすら言えるほど。小野さんのヴォーカルも気持ち力み気味で、より熱のこもったシャウトが堪能できます。

 

前述の疾走曲はもちろんのこと、サビにて非常にフック満載なヴォーカルメロディーが聴けるアップテンポ・メロディックメタルの秀曲であるM5「SCARS」、アグレッシヴなギターにシンガロングを誘発するメロディーがロックとしての普遍的なカッコよさを見せつけるM9「BASH OUT!」、勇壮なシンセとクワイアがジャケット通りのギラギラした豪華さを演出するM10「THE TIME HAS COME」など、楽曲のクオリティーはどれも高水準。

 

さらに先行公開されたM3「FUTURE NEVER DIES」がやたらアニソンっぽいポップな歌モノだったり(これはこれで好き)、イントロとアウトロを除いた9曲のうち2曲がバラードであったりと、決して力押し一辺倒という印象もない。単一のアルバムとして非常にバランスの優れた作品です。

 

前作で完成形を見たGALNERYUS流の歌謡的なメロディーセンスはそのままに、メロスピ/メロパワという枠組みにとらわれず、ヘヴィメタルとして進化を遂げた名盤。

 

ちなみに本作にはボーナスディスクとしてSTRATOVARIUSOZZY OSBOURNEなどの先人たちの名曲をカバーした音源がついており、そちらも見事な出来ではあるのですが、やっぱり彼らはオリジナルの方が魅力的かも。

 

M3「FUTURE NEVER DIES」 MV