ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

RAGE 『Wings Of Rage』

RAGA 『Wings Of Rage』

幾度も大規模なメンバーチェンジを繰り返しながら、30年以上にわたり活動をし続ける大ベテランメタルバンドによる23枚目のフルアルバム。現在の編成になってからは3作目のようです。

 

活動歴の長さゆえ聴けていない作品というのがかなりの枚数あるので、あまり偉そうなことは言えないのですが、従来のRAGEのアルバムを気に入っている人であれば、本作もまた満足のいく良作に仕上がっているのではないかと思います。

 

本作の帯には"エッジの効いたリフを軸とするレイジ流のパワー・メタルがよりアグレッシヴに進化を遂げた快作!ハーモニーを活かしたヴォーカル・メロディに構築美溢れる派手なギター・ソロなど聴きどころ満載!"と記載されていますが、まさにその言葉通りの魅力が堪能できる一枚です。

 

このバンドはどうも1999年から2015年まで在籍していたヴィクター・スモールスキの凄さが語られがちでありますが、今のマルコス・ロドリゲスのプレイも非常に魅力的。しっかりとヘヴィでアグレッシヴに研ぎ澄まされたリフは聴きごたえ充分で、速いテンポと合わせて頭を振りたくなる。

 

そしてリフだけでなくギターソロもよく練られており、下手に速弾きに走らないメロディーを重視したドラマチックなギターソロが至る所で聴ける。M7「A Nameless Grave」や、M9「Shine A Light」においては、特にメロディアスに唸るソロが炸裂しており実に強烈!

 

またアルバム前半に疾走曲がまとめられている構成により、頭から聴いたときの爽快感が強いのも特徴。オープニングのM1「True」から、M5「Wings Of Rage」まで一気に駆け抜けるように聴けてしまうので、疾走パワーメタル好きにもアピールできますね。特にM4「Tomorrow」とM5はRAGEらしい怪しくもキャッチーなメロディーが満載な名曲に仕上がっています。

 

そのままの流れでイントロと長尺のM7を経由した後にくるM8「Don't Let Me Down」はタイトなリフで疾走するAメロに、ややテンポダウンしつつ女性コーラスも交え美しくドラマチックに盛り上がるサビを持った、本作中最も至高な劇的さを持った名曲。その余韻を保ったままバラードのM9へとつながっていく構成も見事で聴き手を飽きさせない。

 

さらにそこからライヴ定番の名曲「Higher Than The Sky」のセルフリメイクであるM10「Htts 2.0」へとつながるわけですからね。休む暇がありませんよ。この曲のサビは口ずさまずにはいられません。

 

中盤にこれだけハイライトとなりえる楽曲が固まっているだけに、クライマックスはややテンションが落ちなくもないのですが、総合的な楽曲の質の高さは、そういったマイナス面を補って余りある。ベテランと呼べるキャリアを持ちながらこれだけ安定したクオリティーを持ち続け、それでいてRAGEらしい個性を爆発させているのだから、彼らの才能の高さは並みではない。

 

しかしよくよく聴けば本作でやっていることってわりかし普通のパワーメタルのスタイルだと思うのですが、それでここまで一発で「RAGEだ!」とわかってしまう曲になるあたり、ピーヴィーの個性ってやっぱり図抜けてるのね。

 

M1「True」 MV

 

M2 「Let Them Rest In Peace」 MV