ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

2/22 Ailiph Doepa / Unveiling Creatures Anthem Tour at 町田CLASSIX

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3連休の初日に実に濃厚、かつ強烈なツーマンライヴを観てきました。

 

ド変態エンターテインメントメタルバンド・AIliph Doepaのニューシングルのレコ発ツアーで、対バンは聴くプロテイン・HER NAME IN BLOOD。Ailiph Doepaは渋谷メタル会の短いライヴを観たのみなので、いつかフルセットのライヴを観てみたかったし、HER NAME IN BLOODはついこないだ観たばかりとはいえ、何度でも堪能したい強力なライヴバンド。このツーマンが土曜にあるのであれば行かないわけにはいきません。

 

会場となる町田CLASSIXは初めてのハコ...というか、町田という場所自体自宅からあまりにも遠いということもあって(新宿ですら遠いのに、さらにそこから快速で30分かかるなんて...)僕にとっては未知の場所。ライヴ前に早めに降り立ち、ちょいと街ブラを慣行しました。

 

小田急の車窓から見える景色は素朴な田舎臭さがあって「住むにはすごく良さそうな所だな~」と思っていましたが、町田駅前は普通の繁華街。coenあたりで洋服を物色するも特にめぼしいものは無く、GUで靴下をまとめ買いするにとどめ、ディスクユニオンで旧譜をチェック。コーヒーブレイクを挟みつつ、頃合いを見計らって会場町田CLASSIXへ。

 

整理番号はかなり早かったのでさっさとワンドリンクを交換しフロアに入ると...な、なんだこのジャマ臭い柱は!!!

 

PAブースの真ん前、フロア中央に堂々と鎮座する柱。これはモッシュやサークルに興じたい人にとっては目の上のたんこぶなんてレベルじゃないでしょう。渋谷DUO MUSIC EXCHANGEも相当なものでしたが、キャパが狭小な分こちらの方がタチが悪いかもしれません。

 

まあ構造に愚痴を言っても仕方ない。ドーパもハーネームも以前は上手側からの鑑賞だったので、今回は気分を変えて下手側の方へ移動。

 

 

HER NAME IN BLOOD

 

お前ハーネーム観すぎじゃねえか?と思われるかもしれませんが、しょうがないですよ。カッコいいんだもん。そしてこの日のライヴも最高にカッコよかった。間近で観る巨体と爆音はやはり大迫力。

 

今回はメインアクトがAiliph Doepaという、ハーネームと同様にヘヴィなサウンドを武器とするバンドということもあってか、オーディエンスのリアクションは大きめ。大振りなヘッドバンギングモッシュピットが終始収まらず、ライダースなんて着てるとすぐに汗ばんでしまう熱気に包まれる。

 

LET IT DIE」や「DARKSIDE」などヘヴィさ重視のナンバーを序盤から投下しフロアを強引に揺らしていく。IKEPYさんの高音シャウトも鼓膜に突き刺さるようで破壊力バツグン。

 

IKEPYさんのお気に入りであるもも水や、ウイルスに効く白湯(デマ)でTJさんをイジったりと、MCは相変わらず和気あいあいとした感じ。その中で今度ハーネームが主催するHOME OF THE BLOOD TOURの宣伝も行っており、これは行くかどうか検討中...。柏の対バンがGYZEなのは熱いけど、これから仕事が忙しくなって休日出勤増えそうだからな~。

 

そんなことはさておき、後半からはキャッチーな要素が強く出た「POWER」「KATANA」で熱気を高めつつ、「HALO」では規模は小さいながらウォールオブデスまで実行。このジャマな柱が無ければもう少し大きく派手になってたのかな...。

 

ラストは何気に久々に聴いた気がする「GASOLINES」。やはりこの曲は頭カラッポにして叫ばざるを得ないキラーチューン!DAIKIさんのフロアの乗り上げも見れて、激熱な40分でした。

 

あと一つ気になったのは、MAKOTOさんのTシャツの柄。何故タピオカで話題のあの人だったんでしょう?(笑)

 

 

Ailiph Doepa

 

メインアクトのAiliph Doepa。個人的にはゲストのHER NAME IN BLOODの方が好きではあるのですが、フルのライヴを観たことがないということで、こちらの方が楽しみな気持ちが強かった(それゆえにTシャツはハーネームでも「お目当てのバンドは?」の問いにはドーパを挙げました)

 

そしてその期待に充分に応えてくれるアクトだったと言っていいでしょう。極上にヘヴィ、超絶に変態、痺れるほどにキャッチー、最高に楽しいカオスなステージでした。

 

ギターが一本ということもあってか、ベースの音も聴きとりやすく、アンサンブルの強固さはハーネーム以上のものがあったと思います。ヘヴィさとキャッチーさを両立したギター、猛烈なバスドラ連打とタイトなプレイで土台を支えるドラム、ズンズン重く歪み迫力を増強させるベースが一体となって、オーディエンスを強引に揺らしていく。

 

一発目の「Anti Aging Table Manners」から世界観マックスのカオスステージ。みんなで"ドゥーインパッチンドゥーインパッチン"やってるカオスっぷりは、あの日会場にいた人でないとわからないでしょうね。訳わからんうえに妙にキャッチーな曲にノセられるのは、名状しがたいハイな気分。

 

そして何といってもヴォーカルのアイガーゴイルさんですよ。彼の存在感は異常としか言えん!

 

ラップ調の早口から凶悪なグロウル、絞り出すような高音シャウトに雄々しいクリーンまで変幻自在のヴォーカルパフォーマンスに、目をひん剥いてオーディエンスに向かい合ったかと思えば、奇怪な動きでステージを動き回り、その後に超ゴキゲンな笑顔を浮かべたりと、ひたすらにやりたい放題。こんなヤツがフロントマンをやってるせいで(笑)、ピエロメイクでブリブリベースを引き倒すジブちゃんことレッドジブラさんが霞んでしまう。彼だってホントはかなり目立つはずなのに。

 

「すし詰めの町田CLASSIX!こりゃコロナウイルスどころじゃねえな!死人が出るかもしれん!」と、熱気ムンムンのフロアを目にしたアイガーゴイルさんが嬉しそうに叫ぶ。確かにこんな変態曲で頭振ってたらコロナどころではない。

 

ただいくら変態的といっても、メロディーは普通にキャッチーで爽快な要素が強く、モッシュ誘発の疾走パートやわかりやすいブレイクダウンもあって、想像以上にノリやすい音楽であることがわかりますね。ただ単に奇抜なだけで終わるのではなく、エクストリームミュージックとしての骨格がしっかりとあるのが彼らの魅力でしょう。

 

シングル表題曲の「Galactic Kamadouma」はサビはかなり直球な疾走で一緒に歌いやすいし、「Arsequake」はシンプルにリフがカッコいいヘヴィナンバー。「Scary Night」なんてかなりファンキーで体を揺らすのにもってこい。

 

ただそんな中「Lemon」なんて劇薬染みた変態曲を放り込むあたり、彼らは一筋縄ではいかないのですが...。まさかこの曲を生で聴けるとは...。できれば「Clean Gas」も一緒に聴きたかったな。

 

ライヴ当日は猫の日ということで「Doggy Man」「The Cat Man」という動物シリーズを二連続で送り、一気にポップな雰囲気にしたあと、容赦なく「Mashed Potatoes」で変態ヘヴィな空気へ変える。中指立てながら"マッシュポォテェイトォッ!!"と叫ぶ快感よ...!

 

ライヴ序盤は「かなり長いライヴになるぞ!」と宣言していたものの、体感的にはさほど長さは感じないまま終盤へ突入。オーディエンスはもちろんのこと、演者もそうだったようで「長いセットリストだから後半になればみんな死にかけだと思ってたけどみんな元気そうだな!俺も全然疲れてない!」と自慢げでした。

 

ただやはり時間の制限は破れないのか、彼らとしては変態度が低めな「Millennium Song」から一気にラストスパート。個人的には超絶ポップなメロディーで一気に精神年齢が幼くなる気分を味わえる「Rainy Tip」が聴けたのが嬉しい。

 

ただやはり最高潮の盛り上がりを見せるのがラストの「Machu Picchu」!この曲では僕もフロアの真ん中まで移動してモッシュピットに加わることに。ジャケット着こんでることなんざ知るか!暴れたいんだ!

 

「このサコピから逃げられると思うなよぉー!」の叫びと共に、中央のジャマな柱をグルッと回るようにサークルピットが発生。最後の最後にフロア全体をカオスに巻き込む名演を披露し終了しました。

 

9時までかなりガッツリやったのですが、やはり前述のように体感的にはあっという間のツーマンでした。楽しい時間は早く過ぎるとよく言いますが、やはり彼らの遊園地的なムードがそう感じさせる要因なのでしょう。かなり濃厚な一夜になりました。

 

なお今回は対バンが筋骨隆々なハーネームということで、ドーパもかなりヘヴィかつメタル仕様のセットリストを組んだらしく、ヘッドバンギングパートがやけに多かったのも印象的でした。おかげで次の朝起きた後は体にガタがきており、首が痛い痛い......