ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

GLAMOUR OF THE KILL 『Savages』 (2013)

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2015年に解散したものの、割とすぐに再結成を果たしたイギリスのメタルコアバンドの2013年発表のフルアルバム。先日中古盤屋をあさっていたら、安く落ちていたので購入してみました。

 

よくBULLET FOR MY VALENTINEが比較対象に挙げられており、ギタリストのマイク・キングスウッドはBFMVのマットの別バンドであるAXEWOUNDにも参加していたようです。

 

実際に音を聴いてみて確かに納得。こりゃBFMVのフォロワーと一言で言い切ってしまっても良いほどの音楽性。歌メロのキャッチーさを主軸に、あまりヘヴィさを際立たせていないソリッドなサウンド、エモ/ポストハードコアにも通じる音作りなど、かなりBFMVからの影響を感じさせるものです。

 

ただBFMVと比較すると彼らはヘヴィさもスクリームもリズム落ちモッシュパートもほとんどない。かなりストレートでクリーンな歌重視エモメタルサウンドを聴かせてくれます。

 

冒頭に「メタルコアバンド」と書きましたが、この音を聴いてメタルコアだと判断するのはちょっと難しいかもしれませんね。ジャンルの代表格であるKILLSWITCH ENGAGEやAS I LAY DYINGらと比べると圧倒的に音圧が控えめだし。言うなれば「かなりメタリックな音作りのエモ」ってな塩梅でしょうか。

 

バンドの武器は何といっても歌メロのとっつきやすさ。ヴォーカルのデイヴィー・リッチモンドによる滑らかなイケメンヴォイスより放たれる歌は、普段メタルに耳が慣れていない人でもかなり聴きやすい。イギリス出身という出自ゆえのブリティッシュな叙情性も息づいていて、なかなか琴線に響くものがあります。

 

M2「Second Chance」は小刻みなリフで疾走しつつ、キャッチーなコーラスで彩られるサビが魅力的だし、M5「A Freak Like Me」はだいぶチャラい感じが出てるものの、やはりサビのメロディーが非常にキャッチーでノセられてしまう。

 

また要所要所で聴けるツインリードの絡みが良いですね。このウェットな叙情センスを遺憾なく発揮させているところはイギリスのバンドの強み。特にM7「Rescue Me」、M11「Welcome To Hell」のギターソロは強烈。

 

そしてM9「A Beautiful Day To Die」は本作中ひと際哀愁の強いメロディーを奏でるツインリードで一気に疾走する!......のですが、ヴォーカルが入った段階で一気にテンポが落ち、やや中庸なアップテンポメタルに落ち着いてしまうのが何とも残念...。イントロの雰囲気を保ったまま疾走チューンに仕上げてくれれば相当な名曲になったと思うのですが。

 

先輩格のBFMVと比べると心を思いっきり鷲掴みにされるようなグッとくる瞬間、突き抜けたキラーチューンはなく、派手さには欠けるかもしれません(メロのとっつきやすさはこちらの方が上なので、こっちの方が好きという人がいても全然不思議じゃない) ですがツインリードによるギターと、頻度は多くないもののアコギやピアノでも聴ける叙情センスにはかなり光るものがあります。今まで日本のバンドしか聴いてこなかった人が洋楽メタル入門にするにはピッタリな存在かも。

 

ヴォーカルの声質、および軽めのバンドサウンドに対してオールドファッションなメタルファンからは「これがメタルなのか?」と思われるのでしょうけど、個人的には何だかんだこういうバンド好きだな。

 

M2「Second Chance」 MV

 

M5「A Freak Like Me」 MV