ファッションブランドのZephyrenが毎年TSUTAYA O-EAST付近のライヴハウスを複数使用して行うサーキットイベント・A.V.E.S.Tに初めて参加してきました。
このイベントについては以前から興味はあったものの、チケットが割とすぐにソールドしてしまったりしてたこともあって何とな~くスルーしていたのですが、今回は興味を引かれるバンドも多かったので初めてチケットを取ってきました。
周知のように今日本はクソッタレウイルスのせいでライヴやイベントの中止・延期が相次いでおり(メディアが不安を煽るニュースばっか流してるからのような気も)このイベントもどうなるか不安でしたが、数組のキャンセルこそあったものの無事開催。開催の意思を曲げなかった関係者の心意気にまずは拍手!
キャンセル組の中にお目当ての一つであったlynch.がいたのは痛かったのですが、それ以外は特に個人的なダメージはなく(しいて言えばオメでたい頭でなによりとガガガSPはちょっと興味あったくらい)、チケットの払い戻しはせずにライヴへ向かうことに。いつもの土日祝日と比べればやや人が少ない渋谷の街を抜け、ホテル街ド真ん中の会場へ。
朝寝坊したうえに、最初に入ったローソンがチケット用紙切れでローチケ発券ができず、O-WEST下の激混みローソンに並ばざるを得なくなり、しかも担当したレジスタッフが不慣れで時間がかかる...とトラブルが積み重なり、EASTのMAKE MY DAYのライヴに若干遅れてしまうことに。チケットは前日発券しないとダメですね...。
MAKE MY DAY
以前からちょいちょい名前は見かけていたラウド・メタルコアバンド。元々は別会場で30分のセットリストだったはずが、キャンセルにより急遽60分EASTでやることになったそうです。
しかも前日まで神戸でライヴだったらしく、そのままロクに睡眠もとらぬままという強行スケジュールだったそうで...。いやはや、お疲れ様です。
ライヴ自体のクオリティーは高く、とても疲れ切った状態でのパフォーマンスには見えませんでした。特にヴォーカルのイキりまくったスクリームにはなかなか気分の高揚を誘われる。
クリーンになるサビのメロディーやメンバーのルックスなどからは、結構今風のラウド系といいますか、有り体に言えばチャラい感じが強いので、メタルファンのウケはあまり良くなさそうではあるものの、メタルコアからの影響をハッキリと感じられるブレイクダウン、強烈な低音のグロウルは単純にカッコいい。
この手のスタイルのバンドはさすがに今のシーンでは飽和状態ですし、あまりメロディーにフックがあるわけでもないので、個人的にはCD買って聴きたいという音ではないのですが、ライヴで観る分には充分に楽しめる。60分のセットでもしっかり飽きさせないパフォーマンスをしてくれました。
最初はやや隙間が目立ち、様子見の感じも多かったフロアですが、「ジャマだから」という理由で柵を外すように指示したあとはモッシュピットも大きくなる。最終的には多くのオーディエンスを掌握することができたのは、ライヴ力の高さを示す事実だと思います。
あと上手側のクリーンヴォーカル担当のギタリストが、ORANGE RANGEのRYOさんに見えて仕方がなかったです(笑)
Ailiph Doepa
先日町田で観たばかりのAiliph Doepaですが、まさか一週間ほどでもう一度観られるとは。このバンドもキャンセルの影響で会場と演奏時間に変更が加わっていました。
開演15分前くらいにO-WESTに入ったのですが、その時は前の2~3列くらいしか埋まっておらず、「うわ~人少ねえ。大丈夫かコレ?」と不安になりましたが、直前になるとそこそこの入りになっていたので少しホッとする。
ライヴについてはもう言うことなし!前回と全く同じですこぶる楽しい!凶悪なヘヴィリフでヘッドバンギングを誘発させつつ、突如として切り込まれるノーテンキで可愛らしい(憎たらしいとも言う)メロディーは中毒性抜群。突飛なパフォーマンスからも目が離せない。
セットリストは前回観たときの縮小版みたいな感じでさほどありがたみというか、新鮮味はなかったのですが、とにかく目まぐるしく変わる曲展開と奇抜さで有無を言わさず楽しませるエンターテインメントライヴの極致。こりゃ盛り上がらないわけないです。「Mashed Potatoes」で"パッパッパラッパッパッパ♪"の大合唱、「Scary Night」でみんなでダンス。恐らく初めて観たと思しき人まで笑顔を浮かべる、いかがわしくも楽しい空間に。
ラストの「Machu Picchu」で、アイガーゴイルさんが首からぶら下げたウイルスアウェイ(関係者のパスか何かかな?)を使ってウイルス共をぶっ殺すサコピが発生した時の盛り上がりはすごかったですね。あの場にいなかった人には何を言ってるかわからないかもですが。
正直みんな葬式みたいなテンションなのかなーと思ってましたが蓋開けてみたらこんな感じに楽しそうにしてくれて何よりでしたよ。しばらく本番中は神のアイテム「ウィルスアウェイ」をつけとくんで安心してはしゃいでください。※効果は保証しません https://t.co/QFnYORIb8Y pic.twitter.com/uQlNUVoiS0
— アイガーゴイル (@Eyegargoyle) March 2, 2020
ドーパが終わった後はしばらく時間が開くので、ちょっと外に出てロッテリアでバーガー食し、PassCodeに備えてO-EASTに入る。完全にSEX MACHINEGUNSとタイムテーブルが被っていますが、まあマシンガンズは今後もメタルのライヴイベントで観られそうだし。PassCodeは休日出勤のせいでフルセットのライヴ観られなかったし(根に持ってる)
リハの音だしで僕が特に気に入っている「Ray」をオフヴォーカルでプレイする。「え?リハでやるってことは本編では「Ray」無し?そりゃないぜ(-公-)」と思ったのですが、フツーに一発目から「Ray」やってくれました。良かったんだけどできればリハは本編でやんない曲やった方が良くない?
まあ気を取り直してライヴに集中。前回はSUM 41のオープニングアクトであり、音楽性が異なるのもあって、最前付近以外の反応はそれほどでも...という感じでした。が、今回は客層がこの手のラウドな音を好むキッズがメインなだけあり、フロアの熱狂度は段違い。人口密度も高く、オーディエンスの歓声も大きい。本日観たアクトの中では文句なしに一番のボルテージの高さ。リフト、クラウドサーフの数も先ほどのMAKE MY DAY、Ailiph Doepaとは比にならないほど多い。
さらに「Taking you out」のスローに落ちるパートではハードコアモッシュまで発生する始末!仮にも「女性アイドル」に分類されるアーティストのライヴでこんな現象が発生するとは。ハーコーが生まれたばかりの時代にライヴに興じていた人はビックリでしょう。
PassCodeの楽曲というのはこの手のトランスやレイヴ要素を含むポストハードコアとしては抜群に歌メロがキャッチーなので(そうでないのもあるけど)、モッシュピットに入って暴れなくとも純粋に歌モノの楽曲として楽しめる。特に前回聴けなかった「ONE STEP BEYOND」は嬉しい選曲です。
ただAiliph Doepaと同様、前回のライヴと曲かぶりが多く新鮮味は薄かったのはちょいと残念かな。まあわずか40分のステージ。贅沢は言うまい。
最後の「MISS UNLIMITED」で、僕の近くにいた女の子がラストの振り付けを完コピしていたのが印象的でした。ダンスがあるステージだとこういう楽しみもあるんですね。僕はダンスなんかやった日にゃ、死にかけの魚がバタついているようにしか見えないだろうからまず無理だけど(笑)
THE冠
PassCode終わりですぐにO-WESTに行くと、SEX MACHINEGUNSが「ONIGUNSOW」をプレイ中。うわ~~この曲は大好きなだけにフルで聴きたかった...
ちょいと気持ちが落ちるものの、この後はサイコーに楽しいメタルを届けてくれるTHE冠が出てくるのだ。うつむいてなんかいられないっ。
(個人的な意味で)この日最後のアクトなのでせっかくだからステージにかなり近い所まで行こうと前に進む。最前とその後ろの列はいかにもメタル好きってなナリのオジサマ・オバサマがずらり。さっきまであれだけいたキッズは何処へ...?
しかしこのメタルファンと思しき方々、このA.V.E.S.Tというイベント全体を楽しめたんですかね?僕は正統的なメタルからモダンなラウドロックまで楽しめるハイブリッドリスナー(?)を自負していますが、僕の目の前にいる人たちは(失礼ながら)とてもそうは見えない。マシンガンズとTHE冠のみ(しかも時間短い)目当てではあまりにもコスパが良くないんじゃないか。
まあ他人のことなどどうでもいい。目の前で繰り広げられるライヴに集中することに。
相変わらずの堂々たる存在感に目を奪われるK-A-Zさんを間近で堪能しつつ、お馴染みの衣装に身を包んだ冠さんが登場。そのまま「帰ってきたヘビーメタル」へ。この上ないオープニングだ。
長年の付き合いであるZephyrenの代表のGENさんに対し、大変な状況の最中イベントを開催した決意に敬意を表しつつ、「新型肺炎って、中国の方では"新冠肺炎"って書くらしいですよって言われた。どないせえっちゅうねん!本名やし!」と積極的に笑いを提供する姿勢も忘れない。
ひとたび疾走感に身をゆだねれば、もうアドレナリンの放出を抑えきれなくなる「糞野郎」、ジャンプにシンガロングにヘドバンと、メタルライヴのノリをわかりやすく詰め込んだ「ただ単に」など、エンタメ性と熱さを両立させたメタルチューンの乱打。「哀罠メタル」でのスポットライトが当たった顔芸もバッチリ。
彼らのライヴはどうしても冠さんとK-A-Zさんの二人に注目してしまいがちなのですが、EXODUSのTシャツでバッチリ決めたべっちさんのザクザクのリフだって迫力満点だし、強靭な楽曲のボトムを支えるリズム隊の演奏もタイトにまとまってる......けどやっぱり冠さんのシャウトとK-A-Zさんの速弾きがキモかな。
「お客さんもイイ感じに少ないから、みんな一斉にしゃがんでくれ!」と若干の自虐を絡めた煽りと共に、オーディエンスを一斉にジャンプさせたり、速いパートでは小規模ながらサークルピットも発生、リズミカルなリフと共にツーステを踏む人も現れるなど、確かな熱量を感じさせる充実のアクトでした。
THE冠のライヴが終了した段階で19時半ごろ。まだライヴを控えているバンドも結構いるのですが、個人的にはあとのアーティストにはあまりめぼしいものがいなかったのもあり、さらに明日はフツーに仕事があるということで、この時点で僕のA.V.E.S.Tは終了。
しっかり観られたのは4組と少々物足りませんが、やはりライヴの熱さはいいな!世間は政府の言うことに従って自粛ムード自粛ムード...な様子ですが、毎日仕事で電車乗って人込みの中歩くのを避けられない身としては、ぶっちゃけライヴやろうがやるまいがさして変わらん(笑)
もちろん体調が少しでも優れなければ家に籠る所存ではありますけど、そうでなければあまり過剰に騒ぎすぎるのもどうなんですかね。僕は「不安になりすぎず楽しめるものは存分に楽しむ」のスタンスを崩さず過ごしてこうと思いますよ。