ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

BRAHMAN 『wait and wait』 (1997)

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  • 3人体制で制作した唯一の音源
  • 前作で創造した独自の民謡テイストスタイルは不変
  • でもやっぱり色々未熟

 

前作「grope our way」でギタリストとして参加していたDAISUKEさんが脱退。彼らの正規音源としては唯一の3人体制で製作されたミニアルバム。

 

同時期に活動していた先輩バンドであるCOKEHEAD HIPSTERSのレーベルよりリリースされた本作は、とにかくチープでアマバン感満載だった前作と比較すれば、多少こなれた感じ。演奏のタイトさも少しではあるが向上している。

 

M1「GREAT HELP」はのっけからアジアンテイストというか、土臭い哀愁を忍ばせる民謡チックなギターが聴け、スカコア要素や荒々しいパンクの音像も持ち合わせた曲。これこそ初期のBRAHMANらしさ。

 

ポルカバンドのBRAVE COMBOのカバーであるM2「FLYING SAUCER」は原曲のやたら陽気なメロディーを殺さずに、BRAHMANらしい翳りある疾走曲に仕上げてて良い感じ。異国情緒のある神秘的な響きが美味しい。

 

いかにも90年代パンクの雰囲気がプンプンなM3「SWAYなんかは、今の彼らでは絶対にやらないでしょうから新鮮。そこから終盤の盛り上げをドラマチックなメロディーで彩るM4「ROOTS OF TREE」まであっという間に駆け抜けるので非常に聴きやすい。

 

ただまあクオリティーが向上したとはいえ、やはりまだまだプロミュージシャンと呼べるような領域でないのは確か。あくまで「前作と比べては」レベルであって、ヴォーカルも演奏も音質もチープで、洗練されているとは程遠い。

 

当時のパンクブーム全盛の空気感と、バンド独自の世界観を味わいたい人が聴くもので、広く音楽ファンに勧められる物ではないでしょうね。僕としてはBRAHMANに興味を持った人は遡って聴いてほしいんですけど。

 

なお5曲目はM3のリミックス音源があり、そこから数分間の無音を挟んだあと、わずかに鈴の音色っぽい何かが響くというトラック。まあ蛇足以外の何物でもないです(笑)

 

 

個人的に本作は

"前作での個性は順当に受け継いでるけど未だ低クオリティーファン向けのアイテムっぽいのは否めない。"

という感じです。