ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

HAREM SCAREM 『Change The World』

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  • 一に美メロ、二に美メロ、三、四がなくて五に美メロ
  • 良い曲を良いヴォーカルが歌う良いメロハーの王道
  • ちょっと安定感がありすぎるかも

 

このブログでは「メロディアスなメタルが好き」と今まで書いてきましたが、恥ずかしながら(別に恥ずかしくもないけど)HAREM SCAREMに関しては、ほっとんどノータッチだった僕。

 

2ndアルバムが日本での人気に火がついた名盤だとか、コロコロと音楽性を変化させたとか、しまいにはバンド名まで変えちゃったとか、そういうお話はなんか聞いたことあるって感じ。じっくりと音に浸った経験はほぼ無い。

 

僕はやっぱり馬力のある正統派、パワーメタルが大好きなので、なんとなく触れずにいたんです。他の気になるアルバムを優先してしまっていたので。

 

本作も当初は購入の予定はありませんでしたが、TESTAMENTの新作と同じ試聴機に入って陳列されており、何とはなしについでに購入。こういう、つい買う予定になかったものまで手にしちゃう癖なんとかしたい。

 

そんなHAREM SCAREM童貞を無事卒業した感想としましては、すごくよく練られた良質なメロディアスハードだなと。柔らかくて温かく、少し切ないメロディーが絶え間なく流れる様は、メロディアスハードとして申し分の無い完成度。

 

とにかく彼らはメロディーセンスの優れたバンドなんだろうな。そんなことが今までの作品を聴いてきてない僕でも容易にわかるほど、この瑞々しいキャッチー極まるメロディーの出来が一番のセールスポイント。王道を行くメロハーナンバーから、本作の中では一際ハードにロックしてるテンションの高い曲、胸に染み入るバラードまで、とめどなく流れるメロディーに聞き惚れてしまいます。M10なんて「Fire & Gasoline」なんてタイトルなのに、熱さ以上に爽やかさを感じてしまいます(笑)

 

ハリー・レスによる決して落ち着きすぎず、かつ澄み渡る哀愁を演出するのにピッタリな深みのある歌声も非常に心地よい。M11「Swallowed By The Machine」のサビは、このヴォーカルであればこそ、ここまでのスケール感を描けるのでしょう。

 

ほとんどの曲がミドル〜アップテンポのノーマルなメロハーのフォーマットを踏襲しているため、アルバムとしてはやや平坦な印象を受けるかもしれません。どの曲もつまらないメロディーが無く安定感は抜群な分、「際立った聴きどころがない」という意見も生まれそうではあります。

 

ただ、基本的に音楽はチョッパヤチューンで興奮したい僕ですら、ダレることなく世界観に浸れるように作られているのはさすが。特に前述のM11に、ラストの展開におけるメロディーがあまりに美しいM7「In The Unknown」から、本作一ハードロッキンな(もちろんメロディーのキャッチーさは担保済み)M8「Riot In My Head」へと続く展開はかなりのお気に入り。本作のイチオシポイントですね。

 

もちろんその他の曲にも、彼らのセンスがバッチリ活かされた王道のメロハーてんこ盛り。エクストリームな音を好む人にはまったくもって理解を得られないサウンドですが、音楽の本質はメロディーにあり!な人には、ぜひ耳を傾けてほしいアルバム。叙情性推しの方にはきっと響くと思いますよ。

 

 

個人的に本作は
"振り幅は小さいものの、すべての曲に切なくドラマチックな旋律が息づく。美麗な哀愁メロハーの王道にして決定盤"
という感じです。

 

M2「Aftershock」 MV

 

M4「The Death Of Me」 MV