- メンバーチェンジを経てから初の音源
- 良い意味で何も変わらないノーザンらしさ満載
- 10分強の短さもあって聴きやすさはMAX
去年16年間バンド活動を共にしてきたベースの井村さんが脱退するも、新たに元々はギターヴォーカルだったという敦賀壮大さんを新ベーシストに迎えたNorthern19。
これでdustbox、locofrank、GOOD4NOTHING、Hawaiian6、そしてNorthern19と、僕の青春時代を彩ったメロコアバンドは皆メンバーチェンジをしたわけですね...。Last Allianceはまだしてないけど、あちらはバンドそのものが開店休業状態だからな~...
そんな彼らが新体制になって初めて放つ音源は、全4曲で10分ちょいというコンパクトなシングル。できればフルアルバムをガツンとぶつけて欲しかったところですが、過去に作ったネタを使わず、3人でライヴを重ねていくうえでできたアイデアを曲に持ち込みたかったらしいので、あまりたくさんの曲数にならないのはしかたないか。
新メンバー加入効果でどのようなサウンドになるのか期待と不安が半々でしたが、本作がどのような出来かというと.........
いや~~~何も変わってない!やっぱいいねこういう音!好き好き!!
もう潔いほど変わらないノーザン節が短い中にギュッと詰まっている。そうそう、Northern19ってこういうバンドだよね、と。新メンバーが加入しても根っこの部分はまったくもって不変。
度重なるシンガロングと高速ギターソロが否応にもNorthern19を感じさせるショートチューンのM1「YES」に始まり、かつての名曲「THE NIGHT WITHOUT STAR」「MORATORIUM」を彷彿させるキャッチーなギターリフでグッと心を掴まれるM2「DRAIN」、アコギが目立ち、どこか弾き語りの雰囲気もまとったM3「LETTER」、奇をてらった要素がまったく無い"THE メロコア"なM4「NOTHING BUT MY HEART」と、軸のブレなさがよくわかる楽曲群。
特にM4はド直球なメロコアでありながら、ポップさと哀愁が絶妙にブレンドされたメロディー、クライマックスの歪みつつも綺麗に響くギターリフで疾走するパートなど、まさしくNorthern19というバンドらしさがそのまま表れている必殺の一曲に仕上がっています。
もともとツインヴォーカル体制のバンドでしたが(声質が割と似通っていたので、あまりツインヴォーカルの良さは活きてなかったですが...)、本作の曲のメインヴォーカルは笠原さんのみで、敦賀さんが加わったことにより生じる違和感は良くも悪くも皆無。コーラスにおいても彼ならではの個性はまだ見えにくく、彼のメインヴォーカル曲も早く欲しいところ。
ただやはりというか何というか、彼らの楽曲を聴くといつも思うのですが、疾走曲の出来は文句なしなので、もう少しミディアムナンバー(本作でいうとM3ですね)にも彼ら特有の哀愁感あるキャッチーさを強めてほしいかな。
良い意味でメンバーチェンジの影響を感じさせない、Northern19らしさが短い中に詰まった作品でした。10分ちょいという短さに加え、HR/HMに比べて音の情報量が少ない(曲の魅力がすぐに伝わるので決して悪いことではない)メロコアなので、遅筆の僕ですら発売して一週間も経たぬうちに感想文が書けるくらい聴きやすい(笑)ナイスシングルでした。この調子で敦賀さんメイン曲含むアルバムも頼みます。
個人的に本作は
"新体制になってもNorthern19。それ以上でもそれ以下でもないことを示した作品"
という感じです。