ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

IN FLAMES 『Colony』 (1999)

f:id:Show_hitorigoto:20200822174227j:plain

 

前回IN FLAMESの名盤『Clayman』を取り上げたので、その流れでメロディックデスメタル史に残るこの作品についても書いてみたくなりました。今更何を語るんだと言われそうですが、個人ブログなので好き勝手書きますとも。

 

show-hitorigoto.hatenablog.com

 

今まではヴォーカルを含めてややメンバーが流動的だったIN FLAMESが、ようやくメンバーが固定化され、バンドとして盤石の体制となってリリースされた4枚目のフルアルバム。本作をバンドの最高傑作として認定している人も数多く、Children Of Bodomの『Hatebreeder』、ARCH ENEMYの『Burning Bridges』と合わせて、1999年のメロデス・レボリューションを引き起こしました。

 

デスメタルらしいアンダーグラウンドな禍々しさは本作の時点でほとんど鳴りを潜めており、B級感はほぼほぼ払拭され洗練されたサウンドに。正統的なヘヴィメタルの音像にも通じるところがありますね。

 

そしてイェスパー・ストロムブラードが持つメロディーセンスが炸裂した、慟哭のリードギターとアグレッシヴな激情リフ!聴いていて極上の興奮と快感を生み出してくれる。

 

まず欠かせないのはメロデス界に燦然と輝く名曲M1「Embody The Invisible」ですよ!曲が始まって間髪入れずに切り込まれるドラマチックなリードギターの突進で早速ノックアウト。

 

M3「Scorn」、M5「Zombie Inc.」、M7「Coerced Coexistence」といった楽曲で、イェスパーの狂おしいほど哀しく、そして震えるほどカッコいいギターが大炸裂。M5におけるメランコリックなクリーンギターからのリードソロ、M7のキー・マルセロが手掛けたソロなんか、あまりの劇的さに身悶えしてしまいそうに...。

 

こういった派手な楽曲にどうしても隠れがちになってしまいますが、M2「Ordinary Story」、M8「Resin」といったミドル曲においても、快感度バツグンのギターはバッチリ鳴り響いており、物足りなさは全くない。ただM1をはじめとしたキラーチューンの印象が強すぎてしまい、相対的に物足りなくなってしまう向きはあるかもしれません。

 

M11「The New World」のリードギターの乱舞から、バスドラ連打で一気に爆走するギターソロが神がかり的にカッコいいし、ボーナストラックのM13「Man Made God」も、ヴォーカル無しのインストであることをいいことに(?)、過去イチとさえ思うほどのギターの美旋律の雨アラレを披露。どこまでいってもこのアルバム、ギターの泣きっぷりがえげつないです...。

 

ただ1stの名曲のリテイクであるM9「Behind Space '99」だけは、唯一満足できない出来かも。もちろん素晴らしい楽曲ではありますが、まだまだ垢抜けない頃のドロドログチャグチャしたデスメタルらしさが魅力の楽曲だと思っているので、このシャープで洗練された音はちょっと合わない気がします。ラストのアコギを丸々カットしているのもいただけませんね。

 

そんな不満点もあるものの、メロディックデスメタルというジャンルの頂点に君臨する歴史的名盤である事実は疑いようがなく、その何度も何度もぶち込まれるギターの咽び泣く様にどれほど悶絶させられたか...。本作こそIN FLAMESデスメタルの完成系でしょう。

 

 

個人的に本作は

"イェスパーのセンスが完全開花した激情のギターにより彩られる慟哭系メロデスの頂点"

という感じです。

 


Embody the Invisible

 


In Flames Colony [Official Video]