ブログのトップページ右上(スマートフォンの場合は下)のプロフィールにも記載してある通り、僕はTwitter(インスタも)をやっています。
「メタラーさんとつながりたい」「パンクスさんとつながりたい」みたいな使い方はほぼしていないので、フォロワーさんの数は微々たるものですが(笑)、ちょいちょい音楽に関係することもしないこともつぶやいています。
そんなTwitterでハッシュタグ「#私を構成する9枚」というのがあったんです。
今の自分の基となっている、自分の音楽人生を構成したアルバムを9枚紹介するというヤツです。
まがりなりにも音楽関連のブログ(たまにまったく関係ないことも書くけど)をやっている身としては「よし!やってみるぞ!」という思いもありつつ、「こういう流行りモノにひょいひょい乗っかるのダサいかなあ...」という思いもあって、さらに選出するのもめんどくさくて、結局やらずじまいだったんです。
そんなこんなで時は過ぎ、このハッシュタグブームもすっかり去った今、ブログの方でこの選出をやってみようと急に思い立ちました。ホントに急にですが。
このハッシュタグが流行ってたのって2016年とからしいので、今からTwitterに上げても「こいつ今更何やってんの?」って思われそうだし(多分被害妄想)、Twitterじゃすぐに流れていってしまいますからね。記録として残るブログの方が良いだろうと。2020年現在の僕の感覚で何とか9枚選んでみようと思います。
なおあくまで"私を構成する9枚"ということなので、「今現在の僕が好きなアルバム」という単純な括りではなく、「自分の音楽的な感性や価値観、精神性や聴き方などに影響を与えた重要作」という括りで選んでみました。
1. ORANGE RANGE 『musiQ』 (2004)
以前CD感想100回目の記事にて本作について取り上げた通り、僕が「バンドミュージック」というものを意識して聴くようになった最初の存在が彼ら。
当時はギターがどんな音でベースはどうで...といったことは露ほども知らずに、ただ単純に歌しか聴いていませんでしたが、兄と一緒に漠然と音楽番組を見るしかしてなかった自分に「バンドを好きになる」というキッカケを与えてくれました。
初めて自分のお小遣いで買ったCDもこれだったんじゃないかなあ?札幌のゲオで激安で投げ売られてたバキバキのケースのものを買いました。「自分で興味ある音楽を探し、CDを買って聴く」というスタンスが生まれるターニングポイントになったのは間違いありません。
2. マキシマム ザ ホルモン 『ぶっ生き返す』 (2007)
テレビに出てくるようなメジャーなJ-POPしか知らない僕を、「日本のロックシーン」へと案内してくれたアルバム。
初めて彼らの音に触れたときは、それはそれは衝撃を受けましたよ。ヘヴィリフにデスヴォイスの破壊力は、当初はおぞましい害音にしか聞こえませんでした。「うわ~~なんだこのおっかない人たちは!?」って感じで。
しかしその中毒性の高いポップなメロディー、便所サンダルにドレッドヘアで肥満体の男がメチャクチャカッコいいクリーンヴォイスで歌う姿に徐々に、そして確実に僕の心は捉えられていきました。本作に出会えていなければ、今頃パンク・メタルにどっぷりと浸かることはなかったかもしれません。
3. SUM 41 『Chuck』 (2004)
前述のマキシマム ザ ホルモンとの出会いにより、日本のロックバンドにハマっていくことになる訳ですが、その時はまだ洋楽というものは未知の世界。中学生特有の「イキッてみたい気持ち」があった僕が、周りの友達が疎いであろう洋楽に触れたくなるのは自明の理というヤツです。
まだまだ不慣れなインターネットを使って、洋楽のパンクロックを探していたときに出会ったのが、本作収録の「No Reason」でした。もう一発でハマりましたね。「こんなカッコいい曲が海外にあったのか!?」と。
正直アルバム自体に対してはさほど強い思い入れがあるって訳ではないので、ここに選ぶべきなのかちょっと迷いました。が、まあ世界への第一歩となった曲が入っているということでここに選出。
4. Slipknot 『Slipknot』 (1999)
このバンドはちょっとしたカルチャーショックでしたね。メンバー全員のおぞましいルックスに、それに決して引けを取らないインパクトを誇る極悪重音。
「ホルモンのおかげで重い音楽には慣れてる。周りのJ-POPしか聴いてない連中よりマニアックなリスナーなんだぜ俺は!(キリッ)」となっていた自分に、脳天からゲンコツを喰らわせてくれたバンド。まだまだ世界は広いという事実を教えてくれたと同時に、もっとヘヴィでカッコいい音楽はあるのかという探求心を強くしてくれました。
本作を買ったときに封入されていたロードランナーの景品応募ハガキを出し、ステッカーやらTシャツやらの詰め合わせ(あまり大したモノは入ってなかった...)が当選した思い出も含めて、強く印象づいています。
5. Children Of Bodom 『Hate Crew Deathroll』 (2003)
Slipknotをキッカケに洋楽のヘヴィサウンドに興味を持った僕が、大きな衝撃を受けたのが彼ら。本作のオープニングである「Needled 24/7」のインパクトは本当に計り知れなかった。
何といってもアレキシ・ライホのギターですよ。これほどまでに速くダイナミックに繰り出されるソロは、今までの音楽人生では全くの未体験。凶暴なのにメロディーはキャッチーで、キラキラしたド派手な音が舞い上がり、あまりのカッコよさにすっかり骨抜きにされてしまいました。
メタルのカッコよさというものを初めて知った思い入れ深い作品。今でも愛聴盤ですね。僕の中で「カッコいいヘヴィメタル」といえば真っ先に浮かぶのがコレ。
6. GALNERYUS 『RESURRECTION』 (2010)
日本のヘヴィメタル、ひいてはメロディックパワー/スピードメタルという音楽の素晴らしさは、彼らから教えてもらったといっても過言ではありません。
「DESTINY」に度肝を抜かされたのは今でも覚えています。これまで聴いてきたどの音楽にもあり得なかった超絶ハイトーンと、超人的なユニゾンソロ、流麗に駆け抜けていくポップかつ哀愁を帯びたメロディー。そのどれもが新鮮で強烈でした。
僕の中のメロディックパワーメタル像は本作によって形成され、それは今でも揺るいでいません。「一番好きなヘヴィメタルバンドは何ですか?」と聞かれたら、僕はこのバンドの名前を答えます。
7. DragonForce 『Inhuman Rampage』 (2005)
先のGALNERYUSでメロパワという音楽の凄みを強烈に味わったわけですが、ある意味それ以上のインパクトを植え付けられたのが、爆速集団DragonForce。
ほぼ全編に渡って人知を超えたピロピロの速弾きまみれ。リードトラックの「Through The Fire And Flames」のMVでは、メッチャクチャに長いギターソロで手元を別枠で映し、片割れのギタリストがその間酒を飲んでいるという、音と映像両面におけるあまりにも革新的すぎる試みに面食らったもんです。
そして一部の愛好家で話題になっている大外刈りの動画に盛大に笑わせてもらったりと、他にはない楽しみ方をさせてもらいました。
8. ARCH ENEMY 『War Eternal』 (2014)
高校までずっと札幌で過ごしていた僕は、東京圏で行われる大物バンドの来日公演や、大規模フェスティバルのニュースに羨ましさとやるせなさを感じていました。国産のパンク/メロコアバンドがたまにツアーで札幌に来てくれる、それが僕のライヴが観れる唯一の機会だったのです。
そして大学進学を機に関東へ引っ越し、初めて海外のメタルバンドのライヴを体験できる機会となったのが、LOUD PARK 14。
MANOWARのキャンセルにはかなり大きなショックを喰らったものの、トリとなったARCH ENEMYをしっかりと堪能するべく、当時の最新作だった本作を予習として聴きこんでいました。行きの電車の中で胸を弾ませながら、ウォークマンで聴いていたのが思い出されます。
9. BRAHMAN 『超克』 (2013)
2011年3月11日の悲劇は今も記憶に新しいですが、僕は当時札幌にいたため直接的な被害は全くと言っていいほど無し。地方の一介の高校生になんか何もできないよな...と、どこか他人事のように感じており、指をくわえて見ているだけでした。
しかしBRAHMANは誰に言われるでもなく積極的に支援活動を開始する。全国各地へと回り音を鳴らす。目の前の悲劇から目を逸らさずに行動し続ける。そんな彼らの姿を見て、いかに自分が怠けた薄っぺらい人間であるかを痛感させられました。
震災を経て、様々な活動や感情を通して制作された到達点。込められた志に、震災後の行動と合わせて強く感銘を受けました。今でも聴くたびにケツを蹴り上げられ、姿勢を正されるような感覚を覚えます。
彼らの気迫をダイレクトに受け止められる本作は、負の感情に苛まれているときや、精神的に参っているようなときに確かな力をくれる。この先もずっと聴き続けていくであろう人生のサウンドトラックですね。
9枚選んでみて...
「今まで聴いてきたたくさんのアルバムから、たった9枚なんて選べないよ!」と思っていたものの、音楽人生に影響を与えるほどの作品は多くなく(そんな重要な作品がポンポンと出てくる訳ありませんしね)、割とすんなり選出できました。
聴覚を失ったり死んだりしなければ、今後また何年も音楽は聴き続けていくつもりなので、ひょっとしたらこれら9枚にとって代わる名盤に出会えるかもしれませんが......可能性としては低いだろうな。それだけ上述した作品は僕にとって大きな意味を持つアルバムです。