- タイトルに違わぬアグレッシヴなスラッシュ
- だいたいどの曲も同じようなテンション
- Just let me thrash!
スラッシュマゲドン!!!
なんておバカで愛すべきタイトルでしょうか!このタイトルにこのバンド名、そしてこのジャケットでアルバムの内容が落ち着いたものであれば、れっきとした詐欺罪になりますね。
彼らDEMOLIZERは2014年に前身バンドを結成し、2018年に現在のバンド名に改名したかなり若いバンド。以前にEPやデモ音源などをリリースしていたみたいですが、フルアルバムは今作が初。当然僕には何の予備知識もありませんでしたが、このアルバムのタイトルにはどうしても無関心ではいられませんでした。
音楽性はもちろんスラッシュメタルですが、グロウルのような歪んだ低音を多用するヴォーカルから、スラッシュの中でもややエクストリーム寄りな音楽性に聴こえます。RAMMING SPEEDやHammercultとかに近い感じでしょうか(Hammercult、めちゃくちゃカッコよくて良いバンドだったのになんで解散しちゃったんだ...)
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ただこの二組に比べると、RAMMING SPEEDほど過激ではなく、Hammercultほどメロディアスな要素はない。正統的なスラッシュメタルらしさも多分に持ち合わせた感じです。個人的にはもうちょっとエクストリーム路線に突き抜けても良かったんじゃないかという気がしますが、まあアグレッシヴでイキの良い音を出していることは間違いない。
スラッシュメタルという音楽は多少の幅はあれど、基本的にキッズを狂喜乱舞させるためのものだと思いますが(メタルコアならともかく、今の世でスラッシュメタルを聴いてる人は大抵オッサンでしょうが...)、このバンドもその例に漏れない楽曲をプレイ。
ソロよりもリフの切れ味に重きをおいた演奏に、吐き捨てる邪悪なヴォーカル、上流階級や支配者に対するヘイトを込めた歌詞、爆走しまくる疾走感と、スラッシュメタルマナーをしっかりと守った血の気の多い楽曲が目白押し。
このバンドならではの強みみたいなものはまだ感じられませんが、「下手にミドルテンポの曲を出したり、様式美モドキみたいなメロディーを入れてお茶を濁すスラッシュはもうたくさんだ!」というスラッシャーの方には、かなり魅力的に響くアルバムではないかと思います。
どれももだいたい似たような感じなので、そこまでどの曲がオススメといったこともないんですが、アップテンポに繰り出されるイントロのリフからサークルピットが形成されるのが容易に想像できるM2「Cancer In The Brain」、初っ端から爆走しまくり、変態的な歌詞もサイコーなM5「Gore!」、シンガロングとノリの良さが熱いANNIHILATORのカバーであるM10「King Of The Kill」あたりが熱いですね。ただM10のリフは原曲のカッコよさにはさすがに及ばないかな...?
それと若さあふれる凶暴さと、反体制の精神に満ちた歌詞もスラッシュメタルらしくて好きな感じですが、前述のM5の最後にある
Just let me thrash!
さあ 俺をスラッシュさせろよ!
これが一番好き(笑)
個人的に本作は
"若さとヤケクソ気味の熱量溢れる、シンプルでまっすぐな爆走スラッシュメタル"
という感じです。
DEMOLIZER - Copenhagen Burning (official video)