ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

11/28 CROSSFAITH / JAPAN TOUR 2020 -SYNTHESIS- at 新木場STUDIO COAST

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コロナ騒動後のライヴ、川崎のTHE冠に続いて二回目です。今回はデジタルメタルコアバンド・CROSSFAITHの新木場公演。

 

当然感染リスクを避けるために、完全座席指定で声出し厳禁という形での開催。僕は過去にノーモッシュで彼らのライヴを観たことがあり、それも充分に楽しめたクチですが、暴れまわりたいキッズにはかなり歯がゆいライヴになるのではないでしょうか。いかにも「ツーステ踏んでます」ってなりのディッキーズのパンツスタイルの人もいましたが、逆にフラストレーションが溜まってなけりゃいいけど。

 

本公演は二部構成となっており、僕は15時半開演の1部のチケットを購入。かなり直前になってからの購入でしたが、単独でZepp Tokyo2デイズとかやれるバンドなのに、この時点でもソールドしていないのは、やはりCROSSFAITHは暴れてナンボというキッズが敬遠したのかな。

 

万が一感染が発覚したときにために、事前にスマートフォンで住所や名前のアンケートに応え(仕方がないこととはいえこれが地味にめんどくさい...)ワンドリンクのオレンジジュースを飲み干したあと、自席へと直行。直前に買ったのでそれはもう後ろの後ろ。一応一階席という名目ではあるものの、フロアから階段で上がったバルコニー状の最後方の位置。

 

開演までの間、客層に合わせたニューメタル寄りのヘヴィサウンドが鳴り響く中、なぜか唐突にSHANKが流れ出した段階で暗転。声出しができないのでオーディエンスの沸き立つ感じが薄く、イマイチテンションが上がりきらないのが今のライヴの現状ですね。

 

ステージを覆うスクリーンに映像とナレーションが映し出された後、スクリーンにメンバーのシルエットが映し出され、Koieさんのスクリームが放たれる。最新作『SPECIES EP』の「Digital Parasite」からスタート。

 

今回はステージ上の編成がちょっと変わっており、今まで後方にいたTeruさんとTatsuyaさんが前方の端に位置取り、フロント三人がその間に挟まれるという構成。上手側にいた人たちはTatsuyaさんの超人的なドラミングを間近で観られてさぞ興奮したのでは。

 

Koieさんのヴォーカルはかなり好調な様子で、破壊力のあるデスヴォイスをオープニングからドンドン飛ばす。「Endorphin」「Truth of Insanity」のサビのクリーンの安定感も抜群。何気にKoieさんに引けを取らないTeruさんのシャウトによるコーラスもよく効いている。

 

バンドサウンドも非常に安定していて、久しく生で聴いていなかったモダンヘヴィネスサウンドが実に心地よい。バスドラの連打が下半身にドンドンと響き、リズミカルに刻まれるリフに頭を振る。前回のTHE冠の正統派メタルではあまり体験できなかったサウンドの圧だ。あとサポートギタリストはあの風貌とパフォーマンスから、一番ガチのメタラー感を放っていて好印象。

 

他メンバーのはっちゃけっぷりと比べるとやや堅実なプレイに徹しているギターのKazukiさんと、積極的にお立ち台を動き回るベースのHirokiさんは相変わらず対照的でしたが、かつては和装見たいな衣装にロングヘアーだったHirokiさんは、今日はだいぶこざっぱりしていましたね。あとKazukiさんはオレンジの短髪に黒のタンクトップだと、遠目から見ると韓流スターっぽく見えてしまう(笑)

 

お馴染みのゴジラのBGMと共に始まるMCでは「8ヶ月ぶりのライヴです!みんな久しぶり!」と有観客のライヴができたことに対する喜びを率直に表現。「飛沫さえないようにルールを守ってくれれば、あとはもう何してもいいからな!」とオーディエンスに呼び掛けると大きな拍手が巻き起こる。せめて声が出せればここで「イェェェーーッ!!」と返せるのですが、手を叩く音でしか反応できないのは少し歯がゆいですね。

 

Wildfire」「Xeno」という定番ナンバーでフロアを揺らしたあと、今回のライヴタイトルである『SYNTHESIS』について「みんなが鳴らしてくれた音を今ここで録音し、新曲と合成させます!後ろのシンボルマークが光るタイミングで手を叩いてくれ」と語る。

 

「うわっ、リズムに合わせてってやつか。ちょっと苦手なんだよな~」とリズム感の無い僕はてんでんばらばらなハンドクラップをしてしまいそうで不安になりましたが、幸い一度タイミングを掴んでしまえばさほど難しくはなかったので一安心。

 

そしてプレイされる新曲は、シャウトこそあれどさほどヘヴィさを押し出さない、バラードのような曲。個人的に彼らのバラードに魅力を感じたことってそう多くはないのですが、この曲のメロディーはなかなか感傷的に響いてきて良い感じ(ライヴの雰囲気でそう感じるだけで、実際に音源で聴いたらまた違うんだろうけど)

 

しかしその後に比較的激しさが抑え目である「Your Song」をプレイしたのは、さすがにちょっと勢いを削いでしまうような...。ただ音源で聴いていたら、彼らの曲の中でもかなり地味目な部類だと感じていたこの曲も、ライヴだとTatsuyaさんの重厚なバスドラ連打が効いていて、意外なほどに迫力が感じられたのは良かった。

 

この日は二部構成ということもあり、ワンマンでありながらやや早めの幕引きとなり、次が最後の曲であるとコールされる。「最後はやっぱり定番の「Monolith」か「Leviathan」あたりかな。昔の曲も聴いてみたかったけどな~」と思っていたら、なんとまさかの「STARS FADED IN SLOW MOTION」!

 

どこか儚い電子音とギターリフが織りなす初期の名曲がコールされ、思わずこの日一番のヘッドバンギングで応えることに。正直この日は昼から頭痛が走っていたので、あまりアグレッシヴには動けないと思っていたのですが、この曲が来たからには黙って突っ立ってるわけにはいかない......のですが、僕の左隣の男性は「え?何この曲?」と言わんばかりに反応薄。知らねえのかこのモダンメタルの名曲を!?

 

サプライズ選曲に予想外にアガってしまいましたが、こうやって聴いてみると最近の曲との趣の違いに改めて気づかされますね。もちろん最近の曲も好きではあるのですが、Kazukiさんはもうこういう叙情メロデス風味のリフは弾かないのかな~...

 

しばらく待った後のアンコールは、いつもであればウォールオブデスが巻き起こる極悪チューンの「Countdown To Hell」に、彼らを代表する名曲「Monolith」でフィニッシュ。「Monolith」のヘヴィなリズム落ちパートでは、皆が一斉に上半身をぶん回したヘッドバンギングを決める。上からフロアの様子を眺められるので、みんなが一斉に体を大きく揺らす様を観るのはなかなか壮観でしたよ。

 

ライヴの無いこの8ヶ月の間、配信ライヴなどはあったものの、ブランクがあったはずですが、それを感じさせないほどいつもの通りのエネルギッシュなライヴでした。が、やはりこれだけのステージングを見せられて、その場から上手く動けず、声も出せないという状況はやはり厳しいものがあったのも事実。せっかく初期のレア曲も聴けたのに、不完全燃焼感を抱えてしまうというのはもったいないなあ。

 

なお前述の通りこの日は頭痛で(一日の早い段階から「今日は頭痛の日だな...」と察せるのは頭痛持ちあるあるだと思う)、この状態で光と音の刺激を受けたものだから、帰りの電車の中は2020年一番といってもいいほどの頭痛と吐き気に襲われました。

 


CROSSFAITH - Stars Faded In Slow Motion (Official Music Video)