ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

ACCEPT 『Too Mean To Die』

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  • トリプルギターで生まれ変わった第一弾アルバム
  • 過去作から何ら変わらない正統派一直線
  • お得意のクラシックの引用がインパクトを放つ

 

2009年にかつてのバンドの看板であったウド・ダークシュナイダーを欠いた状態で再結成。新たなバンドの顔となったマーク・トーニロをヴォーカルに迎え、まさに第二の最盛期と呼ぶに相応しいしている、ドイツが誇る鋼鉄集団ACCEPT。

 

コロナによりCD発売が延期になるなどしたものの、無事に届けられた最新作。ACCEPTのオリジナルメンバーであり、結成時からずっとバンドの低音部を支えてきた、ベーシストのピーター・バルデスが脱退しており、後続としてCode of Perfection(全然知らなかったのですが、同じくドイツのメタルバンドだそう)マルティン・モイックがバンドに加入。

 

さらに新たなギタリストとして、フィリップ・ショウズ(エース・フレーリージーン・シモンズのライヴメンバーだったらしい)が加入し、トリプルギター編成として一新されました。

 

しかしいくらバンドメンバーが交代しようが増えようが、再結成以後、求道的なまでに正統派ヘヴィメタルの道を邁進し続けている彼らのこと。当然ながら音楽性が変化するなんてことがあろうはずがなく、安心安定の高クオリティー、男臭さ満載、混じり気のない純度100%のヘヴィメタルをプレイしていて、本当に頼もしい限りです。

 

M1「Zombie Apocalypse」から早速ACCEPTらしい硬質なギターリフに、マークのハイトーンシャウトが炸裂し、愚直に進みゆく力強いヘヴィメタルナンバー。

 

それに続くM2「Too Mean To Die」はアップテンポに駆け抜けるリフと唸る鋼鉄のリードギターがメチャクチャに気持ちよく、マークの振り絞るような絶唱といい、速弾きを交えたトリプルギターのソロの交錯といい、「カッコいい正統派ヘヴィメタル」のお手本のような楽曲。歌い出しが"I'm a heavy metal warrior"なのが熱すぎる!(笑) さすがだぜこのバンド。

 

LAメタルっぽい明るさを押し出したM3「Overnight Sensation」や、どっしりとしたベースが不穏な空気を生み出し、お得意の漢コーラスが主役を張るM5「The Undertaker」、男の渋みと哀愁を、ヴォーカルとバックのギターで見事に表現したM8「The Best Is Yet To Come」など、タイプの異なる曲も挟みつつ、基本線はリフに次ぐリフで攻め立てるアップテンポでキャッチーな正統派。一切のブレは無し。

 

中でも印象強い楽曲が中盤に鎮座するM7「Symphony Of Pain」。曲調自体はACCEPTらしさ抜群の正統派を貫いていますが、そこにかつての名曲「Metal Heart」のように、ベートーヴェンの「歓喜の歌」のメロディーをなぞるギターソロを大胆に挿入。否応なくリスナーの脳裏に突き刺さる、大きな聴きどころになっていますね。ちなみにアウトロのM11「Samson And Deliah」ではドヴォルザークの「新世界より」のメロディーをギターでなぞっています。

 

過去作にあった「Flash To Bang Time」や「Trail Of Tears」のような、破壊力抜群の疾走曲が無いのが少し残念ですが、ACCEPTという名前に期待される硬派一徹、男のヘヴィメタルを相変わらず踏襲しきった一枚。

 

数多のサブジャンルで溢れきった2021年においてもなお、「シーンのトレンドなんざガン無視だ!普通のヘヴィメタル一直線!」という感じですが、ACCEPTに普通のヘヴィメタル以外を望んでいる人なんていないはずなのでこれでOKでしょう。正統派メタル万歳。

 

 

個人的に本作は

"従来どおりのメタルヴォーカル&メタルギターで進みゆく男の正統派。Heavy Metal Warriorに迷いなし"

という感じです。

 


ACCEPT - Too Mean To Die (OFFICIAL LYRIC VIDEO)

 


ACCEPT - The Undertaker (OFFICIAL MUSIC VIDEO)