ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

DRAGONY 『Viribus Unitis』

f:id:Show_hitorigoto:20210313225332j:plain

  • 母国の先輩・SERENITY直系の良質パワーメタル
  • 大仰に盛り上がるシンフォニックサウンドが劇的
  • バンドの強みを活かしたキーとなるキラーチューンが強い

 

今週は仕事が忙しく残業続きで、さらに『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』にハマってしまい音楽を聴く時間が減ってしまったため、ブログ更新が思うように進みませんでした...

 

気を取り直して新譜の感想文を書くことにしましょう。今日取り上げるのは、オーストリアのシンフォニック/メロディックパワーメタルバンド・DRAGONYの4thフルアルバム。もうこのジャケットの時点で買いですね(笑)

 

TwitterディスクユニオンHMVのツイートで今回初めて知ったバンドで、2007年にオーストリアのウィーンで結成し、2011年にアルバムデビューを飾った比較的若めのバンドらしいです。

 

オーストリアのシンフォニックパワーメタルというと、真っ先に挙がるのはSERENITYだと思いますが、過去にSERENITYがヘッドライナーとなったライヴでサポートアクトを務め、今作収録曲M6「A.E.I.O.U」には、そのSERENITYのヴォーカルのゲオルグ・ノイハウザーが参加しているなど、ある程度のパイプがあるようです。

 

ブックレットに載っているメンバーの写真は、とてもじゃないけどヘヴィメタルミュージシャンとは思えぬお上品さで、さらに音楽の都として名高いウィーン出身ということもあってか、音楽自体もパワーメタルとして芯は通っていますが、非常に優雅で気品あるタイプのもの。麗しきメロディックメタルとしてのクオリティーはなかなか高い。

 

Rhapsody Of Fireほどシンフォニックサウンドに傾倒しておらず、あくまで骨格はメロディックパワーメタル。そこにシンフォサウンドのみならず、曲によってはキラキラチェンバロ、モダンなシンセも導入している。やっぱり基本的な音楽性は母国の先輩SERENITYに通じていますね。

 

イントロの美しく青きドナウから続くM2「Gods Of War」は、なかなか骨太なギターリフから力強く疾走し、キャッチーで勇壮なヴォーカルメロディーでスケールの大きなサビに繋がっていく、典型的かつ高品質なパワーメタル。出だしで意識を持っていくナイスなオープニング。

 

勇壮なメインメロディーを奏でるシンフォニックサウンドが目立ったM3「Love You To Death」に、哀愁に満ちたクサいキーボードとギターソロ、大仰に盛り上がるサビを据えたM4「Magic」という強力な楽曲を連投。

 

先述したゲオルグ参加のM6は、中盤の山場たり得る名曲で、Aメロでいったんおとなしくなるのがちょっと歯がゆいものの、クワイアで怒涛の如く駆け抜けるサビのパワーは、かなりのドラマチックさを誇ります。ラスト半音上がるサビもお約束ですがニクい!これはかなりの名曲なのでは?

 

その後のタイトルトラックM7「Viribus Unitis」も、仰々しく盛り立てるシンフォニックサウンドが耳を引き、RPGゲームを彷彿させるメロディーをクワイアで荘厳に歌い上げる様が美しい一曲。クライマックスの盛り上がり方がかなり劇的でこれまたイイ!

 

ここまでの前半から中盤に良曲・佳曲がズラっと並んでいるためか、後半のパンチが少し弱くなってしまっているのはマイナスかな(つまらん捨て曲は無い)。ラスト付近にM4、M6クラスの楽曲がもう一曲あればさらに良かったかも。

 

とはいえ、全然知らなかったバンドのアルバムとしては、十分すぎるほどに満足度の高かった良作でした。正直SERENITYの最新作よりとっつきやすくて良い感じかもしれない。

 

 

個人的に本作は

"シンフォニックサウンドクワイアをうまく用い、オーソドックスでありつつドラマチックな、鉄板の欧州パワーメタル"

という感じです。

 


DRAGONY - Gods of War (Official Video) | Napalm Records

 


DRAGONY - Legends Never Die (Official Video) | Napalm Records