ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

STRUNG OUT 『Transmission.Alpha.Delta』

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  • STRUNG OUTらしさは微塵もブレない安定っぷり
  • 頭3曲のカッコよさに完全ノックアウト
  • 概してシリアス、たま〜にポップ(両方良い)

 

ここ最近またパンク・メタルの熱が上がってきて、彼らの音源をよく聴いているので、本作の感想を書いてみます。

 

メタリックな要素を取り入れたパンクをプレイするバンドとして、SUM41と並んで高クオリティーの楽曲を量産する、カリフォルニア州出身のメロディックハードコアバンド・STRUNG OUT。本作は2015年に発表された8枚目のフルアルバム。

 

これまでメタリックな音色感を取り入れた高速メロディックという軸を揺るがすことなく、良く言えば安定、悪く言えば代わり映えのしないスタンスを貫いてきた彼ら。本作ももちろん彼ららしさ満載のパンクロックが取り揃っていて、期待を決して裏切ることがない。

 

本作を語る上で絶対に欠かせないのが、なんと行っても頭3曲の超強力スピードナンバーの嵐!M1「Rats In The Walls」〜M2「Rebellion Of The Snakes」〜M3「The Animal And The Machine」というこの流れ。これがとにかく最高なんですよ。

 

高速ビートに鋭いリードギターが乗り、非常にキャッチー&クールなメロディーで駆け抜け、ラスサビ前のギターソロでテンションが爆発するM1がド頭に来る。これだけでもうキマったも同然。

 

より重厚なリフで疾走し、気合いの入ったシンガロングが盛り上がりまくるM2に、最大のスケールで迎え撃つサビが最高にカッコいいM3と、彼らに期待される「カッコいいメロコア」をド真ん中ストレートで投げ込んできているかのような曲の連打。

 

この3曲の存在感が強すぎるがために、どうしてもそれ以降の楽曲のパンチが弱く感じてしまうという側面はあるかもしれません。疾走感もやや落ちる瞬間が多いし。実際他の曲で、この3曲と同程度の興奮を味わえる曲は無いかなというのが本音です。

 

しかしもちろんその他の曲が捨て曲になるかと言われれば、それはNOです。ポップパンクのような底抜けに陽気で明るい雰囲気は極力廃し、憂いを帯びたシリアスなムードを主軸に、ジェイソン・クルーズによる男臭い硬派なヴォーカルと、メタリックなツインギターのリフでガシガシ進み行く、良質なメロディックナンバー目白押し。

 

基本はアップテンポで進んでいくのですが、時折見せる疾走感に、十八番であるハードなギターソロが彼ららしい魅力をガッツリと主張。シリアスさと同時にハイスピードのギターソロとシンガロングで熱さを演出するM5「Black Maps」、サビの"マグノーリーアーーッ!!"の情熱的な叫びに、キレのあるギターフレーズがいちいちカッコいい疾走ナンバーM9「Magnolia」はハイライトになり得る楽曲。

 

やや明るめの楽曲として、M8「Nowheresville」とM11「No Apologies」があります。こういった曲調でも、決して明るくなりず、魅力的なものに仕上げられるバンドのセンスが活きています。特に後者は青臭くも切ないギターとヴォーカルが素晴らしく、ポップさと哀愁の同居具合がメチャクチャに気持ちいい。

 

STRUNG OUTらしくハードでメタリック、さらに哀愁のメロディーにパンクライクなシンガロングもバッチリと、彼らに求められるものが非常に高いクオリティーで揃った良作。メロコアというものを青春パンクのような脳天気な明るさのイメージで敬遠している人こそ聴くべき、硬派一徹のメタリックメロコアです。とりあえず頭3曲だけでも試聴してみてください。

 

 

個人的に本作は

"メタリックサウンドとシリアスなメロディーラインで突き進む、ストレートな硬質メロコア。強烈なキラーチューンの存在感がハンパない"

という感じです。

 


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