ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

THOUSAND EYES 『ENDLESS NIGHTMARE』

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  • 獰猛さも感情もさらにレベルアップした強烈なサウンド
  • ミドル曲、インスト曲を交えつつアグレッションは進化の一途
  • 圧巻のクライマックスでバーンザスカイ!

 

前回の感想でデスラッシュの大御所THE CROWNを取り上げたので、その流れに乗って日本のデスラッシュメサイアについても触れてみます。1stと3rdについて書いてて、2ndだけ抜けてるっていう状況がなんとなく気持ち悪かったので。

 

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デビュー作である『BLOODY EMPIRE』の時点ですでに音楽的に完成されていた彼ら。そんな前作で感じさせた鋭利かつ猪突猛進なアグレッションがさらに冴えわたり、それに負けじと涙腺を絞りつくし、滂沱させる泣きまくりのギターも変わらず自己主張。収録時間をそれほど多くとっていない作りも功を奏して、極めて高密度なメロディックデスラッシュサウンドを形成しています。

 

M5「DEAD SOLLOW OF ME」、M10「DARK SLAYER'S REQUIEM」といった比較的スピード感を落とした楽曲も顔を出しますが(リフの緊張感やアグレッションはキープしているので、出来が劣って聴こえるようなことがないのがポイント)、基本的には破壊的な慟哭リフと共に爆走するファストな作風を徹底しています。この焦点の絞れた潔さもサウンドの爽快感・高揚感を増強していますね。あまりの激しさ、獰猛さ加減に眩暈がする。

 

峻烈さを極めていくかのような研ぎ澄まされた音は、やはりドラマーがFU=MINことFUMIYAさんに代わっているのが要因でしょうか。もちろん前任者のプレイも何一つ物足りなさの無いものでしたが、ブレーキがブッ壊れてしまったかのようなフルスロットルの連打、凄まじい音数でスピーカーから飛び出してくる高速のブラストビートは、まさに彼の真骨頂といった具合。スロー寄りになった場面でも緊張感が薄れず、リズム面での聴きごたえが大幅に増しているのが強い!

 

シンフォニックブラックメタルのごとく、壮麗さと凶悪さを同居させた突進でM1「ENDLESS NIGHTMARE」が始まった瞬間、リスナーの鼓膜はノンストップで繰り出されるリフというリフ、リードというリード、咆哮という咆哮で容赦なく圧迫されていく。尋常ではない快感指数の高さは、アルバムの最後まで納まることを知りません。

 

1曲ごとに取り出して聴くというよりは、とにかくこの超攻撃的音塊をド頭から浴びて、ひたすら暴れる!ひたすら泣く!咽び泣く!!という味わい方が正しいです。哀しみと怒りの感情の渦に飲まれながら、快感に身をゆだねるべき。

 

ただあえて"この1曲!"を選ぶとするなら、アルバムのラストを飾るM12「ONE THOUSAND EYES」になりますかね。前述のM1や、泣きまくりうねりまくりのギターが本領を発揮するM2「BLEEDING INSANITY」なども捨てがたいですが、やはりバンド名を冠するこの曲を外すわけにはいかない。

 

極上の慟哭リフとサビの泣きメロの時点で素晴らしいのですが、ラスト1分半ほどから聴けるKOUTAさんとTORUさんによる、圧倒的な構築美を見せつけるツインギターソロ!互いに泣き合い、絡み合い、空を炎に染めんがごとく、エモーショナルなんて言葉では足りないほどの熱量でクライマックスを彩っていく。言葉にならない圧巻のエンディング。

 

一切の隙を見せない47分30秒もの慟哭疾走。激情のエクストリームメタルの完成系がここにある。

 

 

個人的に本作は

"破壊的アグレッションと抑えきれないほどの悲哀。感情的な熱量の高さを求めている人は必ず聴くべきマストアイテム"

という感じです。

 


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