ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

ScreaMachine 『ScreaMachine』

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  • ジャケの雰囲気に違わない正統派一直線のサウンド
  • 重厚なヴォーカルとメタリックな演奏はなかなか良き
  • やや退屈な瞬間もチラホラ

 

スクリーマシーン!!

すごいバンド名です。しかもジャケットは炎に包まれて、帯には"このマシーンには、ヘヴィ・メタルの魂が宿っている。"と来たもんだ。そりゃ興味持つってもんですよ。

 

彼らScreaMachineは2017年に結成されたイタリアの5人組。メンバー自身はまっさらな新人というわけではなく、STORMLORD、KALEDON、LUNAR SEA、AGONY AND ECSTASYといったバンドで活動していたそうです。

 

.........うん、KALEDON以外全くわからん(笑) ライナーノーツに"ブックレットの写真を見て、見覚えのあるメンバー達に気づく人もいるかもしれない"という記載がありましたが、それに気づくことができる人は、恐らく重度のメタルマニアくらいだと思うの。

 

「KALEDONにいたメンバーが在籍するイタリアンメタル」という言葉から想起されるであろう、所謂クサメタルのような印象は全くありません。ジャケットや帯の文句から受けるイメージを損なうことのないスタイル、つまり正統派ヘヴィメタルの王道中の王道をひたすらに貫いているもの。ヘヴィメタル、それ以上でもそれ以下でもない。そんな音。

 

Judas Priest直径のメタリックなリフでアップテンポに展開し、低音域のロブ・ハルフォードのような重厚なヴォーカルにより歌われる様は、混じり気の無い純度100%の鋼鉄サウンドです。

 

正直ジャンルの細分化が進みきってしまっている2021年においては、あまりにも普通すぎるメタルなのですが、こういうピュアメタルだからこそ良い!と感じる人は結構多いと思います。硬派一徹のメタルヘッズには喜ばれるのではないでしょうか。むさ苦しいまでに熱き正統派を貫く姿勢は頼もしい限りです。

 

ただJudas PriestやACCEPT、Primal Fearといった、同じく正統派を貫き通す先輩バンドに比べると、メロディーのフックの設け方や、演奏からみなぎるパワーやオーラのようなものは正直まだまだ。要精進といったところ。まあ比較対象が大御所すぎるので、それが当たり前っちゃ当たり前なんですが、シンプルなピュアメタルをやる限り、どうしても小細工は効かないですからね。

 

M2「The Metal Monster」の疾走感あふれるギターソロはなかなかカッコよく、バンド名を冠したM10「Scream Machine」もアップテンポの正統派として充分な完成度を持つ佳曲。正統派好きの熱きメタルヘッズには喜ばれるはず。

 

M5「Mistress Of Disaster」やM6「52 Hz」のようなポップなメロディーが強い曲は、やや硬派なサウンドから浮いて聴こえ、M7「Wisdom Of The Ages」のようなスロー曲はあまり面白みがなく退屈。M9「Dancing With Shadow」はイントロの大仰なツインリードで「イイぞ!」と思わせてくれるものの、その後はやや淡々としたミドルチューンになってしまう。勇壮なムードは良いんだけど、イントロの勢いのままパァーンと駆け抜けてほしかった。

 

マイナスに感じられる点も多く、決して名作とは呼べないかな。ただ演奏やヴォーカルは一定の水準は担保されているし、M2やM10のような佳曲の存在、そして不純物一切なしの潔いサウンドの印象は悪くない。正統派大好きのメタル野郎にはどこかしら響く瞬間はあるかと思います。

 

 

個人的に本作は

"Judas Priest直径の熱き正統派ヘヴィメタル。熱量は充分なので、楽曲全体のクオリティーアップを求ム"

という感じです。

 


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