ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

Bloodbound 『Creatures Of The Dark Realm』

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  • 超オーソドックスで高レベルなヨーロピアンパワーメタル
  • キャッチーなキーボードとギターソロが魅力
  • ミドル〜疾走曲までハズレ無しの力作!

 

Evoken Fest 2019にて来日公演も行ったことのある(僕が観に行った日には出演しませんでしたが)スウェーデン出身の正統派パワーメタルバンドの最新作。

 

以前より名前は知っていて、正統的でキャッチーなパワーメタルを好む自分には合いそうだとは思っていたものの、実はアルバムをしっかり聴くのは本作が初めてだったりします。

 

ジャケットがKREATORとかでも通じそうな邪悪なものだったり、メンバーがブラックメタルみたいなメイクを施していたり、ヴォーカルのパトリック・J・セレピーに至っては、鬼のように二本のツノが生えているという、およそ正統派メタルバンドにはあり得なさそうなビジュアルだったりと、どうも見た目とサウンドのイメージとの乖離が大きいなと思いますが、やっていることは極めて安定、かつ高品質なヘヴィメタル

 

基本的にはアップテンポの曲でアルバムをリードし、要所要所で必殺のスピードナンバーをお披露目、そしてヨーロピアンメタルバンドらしい勇壮かつキャッチーなメロディーが支配的という、この手のパワーメタルとしては理想的とも言えるバランス。これは予想以上の出来栄えでした。

 

特に際立った技巧を披露しているわけではありませんが(むしろ技巧に頼っていないのがいい)、メタルの生命線であるギターは、終始馬力あふれるメタリックなリフを刻み、ギターソロもメロディアスさ重視で勢いもバッチリ。特にM6「Death Will Lead The Way」の哀愁に満ちた劇的メロを疾走させるソロがたまらん!

 

あと特に良いなと思ったのがキーボードですね。ソロパートがあってバリバリに前に出てくるとかではないんですが、透明感あふれる音色で叙情美あふれるメロディーを終始バッキングで流している。これが過剰に暑苦しくなることを防ぎ、かつサビ以外のパートでもメロディアスさが損なわれずに、平坦に聴こえることがない。良いセンスしてます。

 

M2「Creatures Of The Dark Realm」やM5「Eyes Come Alive」、M11「Face Of Evil」のような、"THE・ヨーロピアンパワーメタル!"な楽曲の出来が良く、前述のM6、M9「The Gargoyles Gate」のような疾走曲の高揚感は素晴らしいの一言。ラストを飾るM12「The Wicked And The Weak」も、イントロやサビの疾走感が気持ち良く、Aメロ〜Bメロに至る雄大なスケールもインパクト大の名曲。

 

彼ららしい個性みたいなものはぶっちゃけあんま無い、オーソドックスなパワーメタルのスタイルではありますが、"普通のヘヴィメタルをしかとした高いクオリティーで聴かせる"ことができるバンドってなかなか貴重ですよね。彼らの実力は本物です。

 

劇的でキャッチーな正統派パワーメタルの王道を、疾走曲からミドル曲に至るまで貫き通した強力盤であると言えましょう。全体的に高水準でよくまとまっているアルバム。

 

 

個人的に本作は

"ヨーロピアンスタイルの勇壮なキャッチーさに満ちた、正統派パワーメタルの王道にして秀作"

という感じです。

 


www.youtube.com

 


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