ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

7/16 GALNERYUS / "FIND THE WAY TO OVERCOME" Tour 2021 at 札幌 cube garden

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最新作『UNION GIVES STRENGTH』が素晴らしい内容だった、日本が誇るメロディックパワーメタルの代表格・GALNERYUSのレコ発ツアーに行ってきました。

 

show-hitorigoto.hatenablog.com

 

会場は札幌のcube garden。このブログでも触れたことがありますが、僕は高校卒業まで札幌で過ごしており、国産ロック系のライヴが行われる主要なライヴハウスであるZepp Sapporo、PENNY LANE 24、BESSIE HALL、KLUB COUNTER ACTION(現在は閉店し、バースペースも備えた会場でリニューアルオープン)には一通り足を運びました。

 

もちろん今回の会場であるcube gardenも行ったことありますよ。locofrankLOW IQ 01の対バンと、高校卒業後、大学進学のために関東へ引っ越す直前くらいにHawaiian6のレコ発を観たんです。もうあれから8年以上経ったか。懐かしいなあ。

 

今回は所用で札幌に出ることになっており、ちょうどその時期にGALNERYUSのライヴが。東京公演が2日間ともソールドしてしまったため、これは彼らのライヴが観られるまたとないチャンス。行かないわけにはいきませんでした。

 

当日の朝は早くから成田空港に出むき、オンラインチェックインまでしたはいいものの、一向に搭乗券がスマホの画面に表示されず、結局ギリギリになって紙の搭乗券を発券してもらうなどバタバタしながら(もう絶対オンラインの搭乗券なんか使わねえ)、なんとか新千歳空港に到着。せっかく北海道に来たのだからと、めっちゃ奮発して海鮮丼にパクつく。どエラいほど美味かった...

 

 

その後30〜40分ほど電車に揺られ、いかにも北海道って感じの雄大な景色、のどかな街並みを眺めつつ札幌駅へ。関東の具合悪くなりそうな蒸し暑さに比べれば若干マシな感じはあるものの、やっぱり北海道でも夏は暑いな〜。

 

短い滞在期間なので泊まるとこは快活クラブとかでいいかなとも思いましたが(笑)、まあせっかくの機会なのでちゃんとしたホテルへ向かう。7階の客室で中はキレイで快適。

 

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7階ってことは結構窓からの眺めは良かったりして?と思いながらカーテンを開けると、思いっきりでした。まあビル街だからこの辺はしかたないか。

 

ホテルで長旅の疲れを癒やしつつ、頃合いを見計らって会場のcube gardenに足を運ぶ。8年も前に行ったっきりの会場なので当然場所は覚えてませんでしたが、フロアの雰囲気はなんとなく記憶の片隅にあったとおり。PA卓に近い最後列の椅子に腰掛けて開演を待つ。

 

開演時間の19時をまわり、静かなSEとともにメンバーゆっくりと登場。SYUさんが最新作の1曲目「THE HOWLING DARKNESS」のメロディーをギターで紡ぎつつ、GALNERYUS史上でも一際邪悪なフレーズで爆走スタート。全体的に音がデカく、7弦ギターの重厚なサウンドが迫力満点。中盤の超高速ユニゾンソロの勢いが凄まじすぎるな...

 

そんな中でも存在感を失わないのが小野さんの凛としたヴォーカル。続く「FLAMES OF RAGE」は、初動のハイトーンシャウトから、やたらキメの多い忙しないサビを、ほぼ完璧に歌い上げる凄まじいパフォーマンス。

 

ただちょいちょいしかめっ面になったり、右手で腰のあたりを抑えたりしている姿が見受けられたので、ひょっとしたら腰痛か何か患ったりしているのかしら...?などと思ったり。

 

GALNERYUSの楽曲でもかなりアグレッシヴさに比重をおいた曲ですが、一斉にヘッドバンギングに興じるヘヴィパートに、疾走感も抜群と、エグいほどにライヴ映えするというか、ライヴにおいてその魅力が最大限発揮される楽曲に思えます。2曲目にして早速最初のピークを持ってくるGALNERYUS、強い。

 

バンドの演奏もテクニカルかつ豪快で、濃厚なガルネリ節と言える高密度な演奏の応酬を披露。YUHKIさんの一部のキーボードの音がギターに埋もれてしまいがちだったのだけが、ちょっと残念だったかな。「HOLD ON」は彼のキーボードこそがキモの楽曲だから、もう少し目立たせてほしかった。

 

派手な金髪をブワァッと振り乱しながらも、正確無比な高速ギタープレイを披露するSYUさんは、凄いということがあらかじめわかっていたとしても凄いとしか言えない。超テクニカルなのに、そこへ圧倒的な泣きをブレンドする手腕は見事という他ない。あれを手元を一切見ずに目をつぶって(通称イキ顔)演奏するのだからバケモノですね。

 

ここ最近は第一部で新作の完全再現を行い、第二部で過去曲を交えたセットリストを組んでいることの多かったGALNERYUSですが、今回は二部構成にはせず通常のライヴの展開。アルバム通りの流れは3曲めまでで、その後は過去作の楽曲からもチョイス。完全再現も悪くないけど、やはりセットリストの予想ができない流れの方が好きかな。

 

今まで何度か彼らのライヴは観てきましたが、「SHIVER」「A FAR-OFF DISTANCE」というレアな楽曲が聴けたのが今回の収穫でした。特に後者はポップス畑で鍛え上げられた小野さんの日本語歌唱が、切なく熱いメロディーで歌い上げられる名バラード。ラスサビのハイトーンの張り上げ具合に震えましたね。

 

今回は去年加入したもののツアーができず、初お披露目まで時間がかかってしまったLEAさんが参加したツアーということで(もちろん僕も生で彼のプレイを観るのは初)、彼をフューチャーする一幕がありました。

 

小野さんが「僕は午後ティーが好きなんですけど、あのパッケージ見てみると"35周年"って書いてあるんですよね。35年前は僕は18,9くらいで、コンビニでバイトしてたから「へ〜、今度はこんな商品が出たんだね」とか思いながら棚に陳列してましたよ。そして彼は午後ティーよりも若い!」と彼のフレッシュさをアピール。

 

ただ彼の見た目からすると、35歳より若いのは明らかなので、さほど衝撃度は薄かったかな(笑)

 

そんなLEAさんのドラムですが、僕の位置からだとちょうど小野さんと重なってしまうため、あまりハッキリ視認できたとは言えません。前任者のFUMIYAさんと比べると、あまり魅せる方に重点はおかず、堅実なプレイを心がけている印象だったかと。楽曲のクオリティーを損なうようなことは一切なく、迫力のスネアの連打で楽曲のスピードを底上げする圧巻のドラム裁きでした。バスドラの音量をもう少し大きくしてほしかったけれども。

 

ステージでのパフォーマンスが一番小さかったのはベースのTAKAさんで(いつもだけど)、ポーカーフェイスでアンサンブルの低音土台をしっかりとキープ。時折スラップやタッピングなどを駆使したり、ステージ前に仁王立ちして自慢の高速フィンガリングを披露。最前にいた人はなんの障壁もなく、超至近距離であれ観られたんだよな...。羨ましい限り。

 

中盤以降は最新作『UNION GIVES STRENGTH』からの新曲、および再録の「DEEP AFFECTION」「EVERLASTING」を含めた楽曲の連打。意外性のあるセットリストではありませんでしたが、やはり最新作も入魂の楽曲ばかりなため、退屈に感じられる瞬間は1秒たりともない。

 

歌謡的ガルネリのスタンダードと言える「SEE THE LIGHT OF FREEDOM」も、疾駆するリズムに合わせてヘドバンして最高でしたが、やはりキーとなるのは「WHATEVER IT TAKES (Raise Our Hands!)」。この曲のキモである沈み込むようなヘヴィパートから、一気に開放感あるギターソロへ続く瞬間。ここを生の音で体感したかった。

 

この時点でもう十分以上の満足度ですが、さらにそこからライヴの熱量を上げてくれるのがGALNERYUS。本編が終わったあとはもちろんアンコール。ただいかんせん声が出せない環境のため、普段なら"オイ!オイ!"なところが、手拍子をするくらいしか手段がないため、「もっと聴かせてくれ!」という欲求に基づいたものではなく、どうも形式めいたアンコールになってしまうのが難しいところですね...

 

今回のツアーではどの会場でも洋楽カバーをプレイしているらしく、「スタンダードな曲なので、皆さんも楽しんでもらえるだろうと思います!」とMCをはさみ、『PHOENIX RISING』のボーナスディスクにも収録されている、SCORPIONSの「Rock You Like A Hurricane」がスタート。

 

ハードロックの名曲ではあるものの、個人的にはあまり強い思い入れのある楽曲ではなく、これだったら「Against The Wind」の方が嬉しかったかも(笑) それでもサビのシンガロングパートに、ここに来てさらにキレを増す"カモンカモンカモォォォォォン!!"のハイトーンはさすがのカッコよさ。

 

続いての「FATES OF THE SADNESS」では、キーボード→ベース→ドラム→ギターの順で各々2回ずつインプロによるソロパートが挿入される。それぞれの超絶技巧を存分に活かしたソロは圧巻でしたが、そんな中YUHKIさんはDEEP PURPLEの「Smoke On The Water」のイントロリフをちょっとだけ取り入れる遊びを入れていました。

 

 

初期GALNERYUSを代表するキラーチューンである「Struggle for the freedom flag」で熱く沸かせ、さらにダメ押しとばかりのダブルアンコールでは「TEAR OFF YOUR CHAIN」「RAISE MY SWORD」の連発という熱すぎる流れ!

 

「RAISE MY SWORD」はもちろんエピック・ガルネリの最高峰ともいうべき名曲で、高速リフが刻まれる疾走パートではSYUさん、TAKAさんに合わせ渾身のヘドバンを禁じえませんし、「TEAR OFF YOUR CHAIN」は彼らの楽曲でも特に熱さと力強さを感じさせる楽曲。しかもライヴでは聴いたことがない曲なので感動もひとしお。あの音数詰め込みまくりの情熱のギターソロを生でブチかまされるとは感無量。

 

2時間にもおよぶ熱きライヴでしたが、やはり彼らのライヴはいつ何度観ても素晴らしい。声を上げて合唱ができないというのはやはり大きな枷ではありましたが、間隔を空けている分、周りを顧みずに存分にヘッドバンギングできるというメリットもあり、モッシュミュージックではないライヴなら、このコロナ禍スタイルも必ずしも悪いところばっかりというわけではないのかな。とはいえライヴハウス側の収益はもっと増えてほしいので、早いところ満員のフロアになってほしいのが本音ですけどね。

 

なおダブルアンコール後に小野さんから長めのMCがあったのですが、他の会場でも同じ話をしているということだったので、今後参加される方のためにも(そんな大層なモンでもないが)詳細は伏せておきます。一つ言えることとしたら、あの小野正利に軽々しく「歌ってくださいよ〜」なんて言えるとは、だいぶ肝が据わった人なんだなと(笑)