- 新生ARCH ENEMYの名刺となった記念作
- リード、リフともにギターの見せ場が大量
- オーケストレーションを用いたハイライトとなる名曲
当ブログ、2016年4月1日にスタートして約5年4ヶ月、ついに「CD感想」カテゴリの記事400回目となります~~!!
(。・ω・ノノ゙パチパチ ドンドンパフパフ
いや〜〜〜ついに400回ですか。というか、このブログももう5年選手か。開始した当初は1日に2,3人訪問があればいいくらいだったのですが、現在Google アナリティクスで確認できる限りですと、少なくとも50人以上は毎日記録されているようですし、PV数が200を超える日も多くなってきました。
人気ブログに比べりゃまだまだ全然大したことのない数値ですが、それでもまさか自分のブログがこんだけ読まれるようになるとは想像してませんでしたね。リピーターやコメントをくれる方もいらっしゃって、感謝感激です。今後ともどうぞよろしくお願いいたします(90°礼)
さて、今までCD感想文が100回単位になった際は、ちょっとこのブログでメインで扱うアーティストとはテイストの違う作品でしたり、個人的な思い出と結びついているアルバムを取り扱ってきました。
今回扱う作品は、日本でも非常に人気の高い、スウェーデンのメロディックデスメタルバンド・ARCH ENEMYの2014年作のフルアルバムです。これまでヴォーカルを務めていたアンジェラ・ゴソウが電撃引退、代わりにThe Agonistで活躍していたアリッサ・ホワイト=グラズが加入するという衝撃的な人事は記憶に新しい人も多いと思います。
本作の何が思い出に結びついているかっていうと、このブログでもちょっと書いたかと思いますが、このアルバムをリリースした後にLOUD PARK 14が開催され、彼らがヘッドライナーを務めた(というよりかは、MANOWARのキャンセルにより務めざるを得なかった)んですよね。そのLOUD PARKこそ僕が初めて参加した大規模フェスだったんです。
しかも当時はまだヘヴィメタルのライヴというもの自体ほとんど経験がなくて、何もかもが手探りの感覚というか、勝手が掴めていなかったんですよ。最初のBATTLE BEASTのライヴが始まったとき、いつものようなモッシュピットが発生せず、メロイックサインをその場で突き上げるというノリに馴染むのには時間がかかりました(笑)
そのフェスの大トリを飾ったARCH ENEMY。DragonForceが終わった後の隣のアリーナに残り、かなりステージに近い位置で(とはいえ角度がついていて観やすいという訳ではなかった)彼らのライヴを観たことが思い出されます。予習として行きの電車の中でウォークマンで最新作を聴いてましたね。
その後半年も経たない2015年3月に再び来日、TSUTAYA O-EASTでワンマンも観ました。この日はステージ正面間近の場所で、モッシュピットに揉まれながらガッツリ堪能。アリッサが歌う「Silverwing」というレアな楽曲を聴けたという意味でも印象に残っています。この時買ったTシャツは今も着てます。
それ以降海外メタルバンドの来日はちょいちょいチェックするようになったので、本作リリース直後のARCH ENEMYこそ、僕のメタルライヴの原点のような存在と言ってもいいかもしれませんね。
さて前置きが長くなりましたが、そんな新生ARCH ENEMYの本作ですが、内容は至って強烈な出来。アンジェラ加入後のARCH ENEMYに求められる要素全てが、非常に高い次元でまとまり、さらに従来とは一味違った要素も個性を殺さない程度に含まれている、かなりの力作と言っていい出来栄え。
音質がアンジェラ期よりもさらに現代的にアップデートされた感じで、初期のデスメタルらしい禍々しさはほとんど無し。しかしそんな中にもマイケル・アモット特有の叙情性抜群のリードギターは冴えまくる。かつての名作『Rise Of The Tyrant』並みにエモーショナルなリードギターの出番が多く、エクストリームメタルらしい攻撃性と同時にメロディアスさもバッチリ。
どうしても目立つリードギターにばかり注目してしまいがちですが、本作から新加入した(リリースして程なく脱退したっぽい)ニック・コードルとのコンビネーションによるリフの濃密さも充実しており、怒涛のごとく押し寄せるヘヴィリフはメチャクチャにカッコいい。バスドラ連打の猛烈な疾走に絡むリフ運びがヘッドバンギングを誘ってくれます。
新たなバンドの顔となったアリッサですが、The Agonist時代に鍛えられたデスヴォイスには何ら不満点はなく、むしろアンジェラよりも人間味みたいなものが増していて、より好意的に捉える人も多そう。僕は無機質で人間離れしたアンジェラのヴォーカルも大好きですけど。
いきなりのブラストビートからアリッサの咆哮が加わり、メロウなギターソロも飛び出すものの、依然としてブルータルな勢いを損なわない激烈ナンバーM2「Never Forgive, Never Forget」(前述のTSTAYA O-EASTのオープニングで、アリッサがステージ中央に飛び出して叫びを上げた瞬間のインパクトはデカかった!)で、編成が変わってもカッコ良さは一切衰えない、極上のエクストリームメタルを早速提示。
アモット流のギターパート大盤振る舞いのエモーショナルなM3「War Eternal」、強烈な疾走感を見せるAメロから、テンポダウンしてメロウな旋律をギター、ヴォーカルとも聴かせるM4「As The Pages Burn」、これまたサビにおけるリードギターの嵐が合唱を呼び起こすM5「No More Regrets」、さらに哀愁寄りのメロディーセンスに磨きがかかったギターソロが泣かせるM6「You Will Know My Name」と、前半から容赦無し、攻め攻めのARCH ENEMYワールドが繰り出される様は圧巻の一言。
そして後半のM9「Time Is Black」とM11「Avalanche」は本作のハイライトたりえる名曲。ARCH ENEMYらしいブルータルサウンドに、重厚で壮麗なオーケストレーションが絡み、さらに一部ではアリッサのクリーンなコーラスを入れることで、今までのARCH ENEMYですらなし得なかったドラマチックさに到達しています。それでいて依然としてアグレッシヴな勢いは担保されているのがなお強力!
ARCH ENEMYというバンドが、大規模なメンバーチェンジを経てもなお、メロディックデスメタルというジャンルを代表するバンドであることを力強く示してみせた名盤でしょう。超アグレッシヴなのに超メロディアス、というバンドらしさが良いバランスで発揮された作品ですね。
個人的に本作は
"ブルータリティ満載のサウンドに、過去最高クラスのメロディアスなギターが融合した、新生ARCH ENEMYに相応しい強力盤"
という感じです。
過去の100回単位感想記事はこちら
100回記念
show-hitorigoto.hatenablog.com
200回記念
show-hitorigoto.hatenablog.com