ひとりごと ~Music & Life-Style~

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RAGE 『Resurrection Day』

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  • 22年ぶりに人数が増えた
  • モダンな攻撃性 meets RAGE流のキャッチーさ
  • オーケストラによる壮大なバッキング

 

ドイツのベテランヘヴィメタルバンド・RAGEの最新作。ずっと3ピースの印象が強いバンドでしたが、ここにきてメンバー編成がツインギターの4人編成へと生まれ変わりました。4ピースになるのはなんと22年ぶりというのだから驚きです。

 

今までギターを務め、LOUD PARKでは見事な歌唱力でDIOの「Holy Diver」を歌い上げていたマルコス・ロドリゲスは本作発表前に脱退、後任としてシュテファン・ウェーバージーン・ボーマンという、両方とも僕の知らんバンドで活躍していたらしき人物が加入しています。

 

ただこのバンドは中心人物であるピーター・"ピーヴィー"・ワーグナー以外のメンバーはかなり流動的で(特にギタリスト)、実質的にはピーヴィーのプロジェクトみたいな存在なので、メンバー編成がどう変わろうと基本線であるRAGEスタイルは変わらない。MEGADETHみたいなもんですね。

 

正統派メタルというにはパワーメタル的な突進力、モダンな質感が強く、かといってモダンヘヴィネスとは言えないメタリックなリフ、メロディックパワーメタルと呼ぶにはメロディーラインが硬派と、これまで打ち出してきたRAGE流パワーメタルを本作もしっかり踏襲しているので、ファンであればまず間違いない一作のはずです。

 

パワーメタルとして十分にアグレッシヴで、リフもしっかり練り込まれた重厚なものを聴かせてくれますが、そこかしこで主張されるオーケストレーションがうまく作用し、メロディアスでドラマチックな印象も色濃くなっています。アグレッションとメロディアスさのバランス感覚は相変わらず優れていますね。

 

SEであるM1「Mement Vitae (Overture)からしてファンタジーRPGみたいな壮大さを醸し出していますが、そこから続くタイトルトラックM2「Resurrection Day」はヘヴィさ渦巻くリフで疾走しアグレッシヴさは全開、そこからキャッチーなサビへと繋いでいくRAGEらしいパワーナンバー。

 

M3「Virginity」は初っ端から「オ゙ォ゙ヴッ!」とシャウトしながら疾走し、より重心を低くしたリズミカルかつパワフルリフが主導し、続いてのM4「A New Land」はピーヴィーのヴォーカルがより壮大にサビを彩り、メロウなリードギターも顔を出す。しかしその後のM5「Arrogance And Ignorance」は噛み付くようなデスヴォイスと、ヘドバン必至のヘヴィリフがフィーチャーされる曲と、彼らのヘヴィで攻撃的な面とメロウさに秀でた面を織りなした展開が続きます。

 

そんな本作のハイライトとなる場面は中盤のM6「Man In Chains」〜M7「The Age Of Reason」の二連続となる中盤ですね。平均点の高い本作の中でも、特にこの2曲の出来が良い!

 

M6は特にキャッチーさを際立たせたサビメロがとにかく魅力。爆発力あふれる突進力と相まって、一際爽快感の高い疾走ナンバーに仕上がっています。

 

M7は本作のパワフルでヘヴィ、そしてキャッチー、さらにオーケストレーションを用いて壮大に仕上げるという本作の要素全て詰め込んだキラーチューン。冒頭のオーケストラが壮麗な雰囲気を演出し、キレのあるリフで爆走しつつ、バッキングにもストリングスサウンドを絡め、サビは非常にドラマチック、速弾きとリードをうまく併用したギターソロも疾走感抜群でカッコいい。まさに山場にふさわしい名曲と言えましょう!

 

この曲の印象がどうしても強くなってしまいがちなのですが、ヘヴィサウンドとオーケストラサウンドの融合っぷりでは、M10「Travelling Through Time」も聴き逃せませんね。もう少し歌メロにキャッチーさが欲しいけど。

 

全編にわたり、ピーヴィーの個性的なヴォーカルに、ヘヴィさとキャッチーさを併せ持ったパワーメタルサウンドが絡む安心安定のRAGEサウンド。そこに存在感を増したオーケストラがアグレッションを邪魔しない程度に入り混じって、かなり聴きごたえある良作に仕上がった感がありますね。20枚以上アルバム出したベテランになっても、ここまで安定して良作を出し続けるバンドの力に唸らされる一枚です。

 

 

個人的に本作は

"4人になっても相変わらず、重厚なヘヴィさと怪しげなキャッチーさが絡むRAGEワールド。オーケストラとの共存っぷりもバッチシ"

という感じです。

 


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