ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

V.A. 『BIRTH』

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  • 国産メタルコアの今を代表する3組が集結
  • 新曲・カバー曲ともにバンドのらしさが滲み出た良曲揃い
  • サブスクだけじゃ不完全だよ

 

CRYSTAL LAKEが所属するメタルコアレーベルのCUBE RECORDSが主催した、Sable Hills・Earthists.・Graupelの3バンドが集まり東名坂を回るBIRTH TOURに伴い発表されたスプリットEP。

 

先日も似たようなこと書きましたが、上記ツアーは僕としても非常に興味をそそられたものの、いかんせん仕事が一気に忙しくなる時期と丸かぶり、しかも月曜日という悪条件だったためスルーせざるを得なかったんですよね。

 

その無念を晴らすために、唯一ライヴを観たことがなかったGraupelを先日観にいき、無事その迫力にヤられてしまったのですが、やはりこの音源を手に入れないことには完全に満足するわけにはいかないのです。

 

本作は3バンドそれぞれ新曲が1曲ずつ、さらに互いに楽曲をカバーしあったトラックが3曲ついてくるという仕様。サブスクでは新曲しか聴けないだけに、これはCDを手にとってこそ。

 

関東圏では渋谷のタワーレコードでしか売っていないので、休みの日に意気揚々と出掛けていったのですが...やはり本作に注目していたのは僕以外にも多かったようで、到着した時にはもうすでにソールド...

 

 

後に再入荷されたっぽいですが、そんなに待ってられないので普段新譜の購入には使用しないタワーレコードオンラインで注文。

 

M1「Crisis」は正統的なメタルのリフワークに、アグレッシヴな疾走感、メタルコアらしいヘヴィネス、そしてサビになると顔を出すリードギターと、Sable Hillsの真骨頂とも言うべき楽曲。破壊力あるスネアドラムが心地よく、かつ時折ブラストめいたスピードを叩き出し、メロウな旋律とともに熱き野郎シンガロングで血潮をたぎらせる展開がカッコいいです。

 

M2「Overvision」は、本作中最もエクストリーム要素の薄い曲。ヘヴィリフとシャウトが絡むパートもありますが、クリーンヴォーカルで淡々と進み行くAメロに、ストリングス(打ち込み?)を多量に含んだバッキングの作用もあり、特にメロウな印象を抱かせてくれます。狂気的なパフォーマンスでモダンなヘヴィさを叩きつけるだけでなく、クリーンなサウンドにもこだわりを見せるEarthists.らしさが出ていますね。

 

M3「Apathy」は、宇多田ヒカルさんの「First Love」を大胆にオマージュしたサビで、MV発表時に話題を呼んだ楽曲。もちろんそのネタだけで終わらせるような曲ではなく、彼ららしい熱情とも言うべき感情表現が爆走し、ヘヴィリフを刻むスローパートでヘッドバンギングを誘発。クールなリードギターのメロディーで流れるように突進して、暴れながら泣けるGraupel流メタルコアを存分に味わわせてくれる。

 

M4「Sunblood」はSable HillsによるEarthists.のカバー。原曲のサビに当たる部分にリードギターを取り入れるアレンジで、雰囲気はだいぶ変わっている。アトモスフェリックな浮遊感と無機質なヘヴィさが持ち味の楽曲に、熱き正統派メロディックメタルコアの彼らは若干食い合わせが悪いように感じましたが、一回聴いただけで彼らだとわかるギターの泣きはさすが。

 

M5「Fade Away」はEarthists.によるGraupelのカバー。ガムシャラな突進力とヘヴィさを兼ね備えた出だしは共通ながら、サビはさらに音を高くして壮大なバッキングコーラスで仕上げています。バンドらしさと原曲の魅力をキープしつつ、原曲を超えんとする気概があふれる好アレンジです。

 

M6「The Chosen One」はGraupelによるSable Hilsのカバー。メロディアスなギターを武器としたアップテンポメタルを、見事にGraupelらしい疾走モダンメタルに調理。彼らのオリジナルだと言われても納得してしまうほどの仕上がりっぷり。中盤のブレイクダウンの迫力も文句なしですね。

 

メタルコアと一言で言っても、三者三様のスタイルがあり、それがわずか2曲ずつでもしっかりと伝わる良きスプリット作であると感じました。

 

唯一不満点(というほどでもないけど)を挙げるなら、Earthists.の「Fade Away」のクライマックス感が素晴らしいので、この曲をラストに配して聴き終えた余韻に浸らせてほしかったことくらいかな。

 

前述の通りサブスクでは新曲3曲のみしか聴けず、それでも充分に良いんですが、このスプリットの真髄を味わいたいならCD買って6曲ガッツリ聴き込むべきかと。

 

 

個人的に本作は

盟友同士の持ち味と強みが、オリジナル/カバー双方に作用した好スプリットEP。サブスクで満足せず、各バンドのカラーがよく出たカバーが聴けるCDを買いましょう

という感じです。

 


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Earthists.だけMVが見つかんない

 


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