ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

APOSTOLICA 『Haeretica Ecclesia』

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  • メンバーの素性、出身国全てが不明の覆面バンド
  • POWERWOLFフォロワーとしての宗教風ムードで統一
  • パワーメタルの普遍的魅力は決して忘れない

 

国籍もメンバーの素性も全て謎に包まれた覆面メタルバンドの1stフルアルバム。結成した年とかも不明ですが、音源リリースは全て今年に入ってからなので、多分かなり新しいバンドでしょう。

 

ブックレットの写真では、メンバー4人全員がジャケットに写っている仮面を被っていて、同じ顔した人が並んだアー写がなんともシュールな味を出しています。

 

ライナーノーツによると、メンバーはそれぞれすでにメタルバンドとしてある程度キャリアのある人たちが集まっているらしく、ヴォーカルの歌声や音作りなどを聴けば、ある程度正体の目星がつく人もひょっとしたらいるのかもしれませんね。ちなみに僕はサッパリです(笑)

 

メンバー全員が預言者の名前を冠して、教会的・宗教的なムードを表現するために聖歌隊を雇ってレコーディングをしたとあって、聴いた際の印象で最も近いのはPOWERWOLF。神聖さを演出するシンセの神々しい音色が目立ち、パワーメタルらしい馬力を持ったまま突き抜けていくサウンドに、宗教的なテーマを強く打ち出したコンセプトは、まさしくPOWERWOLFフォロワーと言ってしまっていいでしょう。

 

M1「Sanctus Spiritus」は本作の序章的(とはいっても4分ある歌入りなのでイントロというわけではないですが)な楽曲で、分厚いクワイアを早速使用しバンドの世界観を存分に表現。曲タイトルを繰り返すフレーズが耳によくつく。

 

そしてM2「The Sword Of Sorrow」は、これを期待していた!と思わんばかりの疾走パワーメタルナンバー。キャッチーでとっつきやすいメロディーのおかげで、宗教風のムードを持っていてもメタルとしての聴きやすさ、普遍的なカッコ良さがしっかりと根付いている。この辺のセンスはPOWERWOLFにも負けてないように思います。スピーディーなギターソロが最高にカッコいいな!

 

それに続くM3「Come With Me」もアップテンポでエネルギッシュなメロディックメタルとしての魅力、リードギターによるキャッチーで壮大なメロディー、耳に残るシンガロングを豊富に取り入れた楽曲。この時点でかなりの力作であることを感じさせてくれる。

 

それ以降の楽曲はあからさまな疾走感は多少抑えながら、決してバンドの個性である宗教風ムード、メロディアスさは決して薄れることのないパワーメタルが展開。M2, M3に比肩するくらい気に入った楽曲はM7「The Doom」とM10「Redemption」くらいで、もう少しストレートなキャッチーさと突進力を見せる曲が欲しかった気もしますが、どの曲も世界観演出に抜かりはない。

 

メンバーの名前も、出身国も、作曲の方針も、影響元など全て秘匿し、ここまで徹底的にバンドの世界観を演じようとしているだけあり、POWERWOLF直系のシンフォニック・レリジョン・メタル(?)の完成度は高く、1stにして先輩格のPOWERWOLFにも届きうるクオリティーを聴かせる、なかなか良質な作品でした。

 

あとはPOWERWOLFのアルバムタイトルトラックにも引けを取らない目立ったキラーチューンを、どれだけ生み出せるかに期待がかかるところです。M2はかなりいい線いっていると思いますし、それだけの能力は持っているバンドだと思います。

 

ひょっとしてPOWERWOLFのメンバーの誰かが参加してるなんてことあったりします?

 

 

個人的に本作は

"新たなる宗教的シンフォメタルの刺客。荘厳な雰囲気を保ちつつ、根底にあるのは良質なパワーメタルとしての魅力"

という感じです。

 


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