ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

ECLIPSE 『Wired』

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  • 演奏・ヴォーカルともにエネルギッシュ!
  • 北欧メロハーの強みを活かした哀愁も含む
  • シンプルで潔いハードロックの王道

 

北欧はスウェーデン出身のメロディアスハードロックバンド・ECLIPSEの、8thフルアルバム。

 

中心人物であるギターヴォーカルのエリック・モーテンソンは、今年の始めにW.E.T.のアルバムを出したばかりで、コロナの流行もあってか、音源制作に積極的に動いているような印象。

 

show-hitorigoto.hatenablog.com

 

あまりこのバンドの音源自体は聴いてきていない僕ですが、W.E.T.の過去二作は普通に良い感じだったので、本隊の方でも良い音楽を作ってくれているだろうと期待して手に取ったら、これが確かに良かった。

 

W.E.T.はどちらかというとメロディアスさ重視で、ハードロックとしての刺激、アッパーな印象は控えめな感じでしたが、このバンドにおいてはあくまで楽曲の骨格が"ロック"であることを高らかに宣言しているようで頼もしいのです。そうそう、ロックってダイナミックでカッコいい音楽なんだよと言いたくなる。

 

北欧のバンドらしい叙情性もあることはありますが、アメリカのメジャーバンドにも通じるようなギラギラした煌めき、あまりに湿りすぎないキャッチーなメロディーセンスは、多くのロック好きの耳を捉えられるだけの力が感じられます。

 

やはりこれはギタリストのプレイがエネルギッシュなのが良いんでしょうね。ヘヴィではないけど、かといってペラペラにもならず、適度に鋭さや切れ味を持ったギターリフが弾むように躍動する。それがアップテンポで、かつキャッチーなメロディーを纏った状態で突き進むわけですから、カッコよくならないわけがない。

 

そしてエリックによるヴォーカルもロックとしてのダイナミズムを充分に感じさせてくれる。ジェフ・スコット・ソートの歌声も素晴らしいものがありましたが、個人的にはエリックのロック然としたエナジーが滾るヴォーカルの方が好きです。

 

M1「Roses On Your Grave」から早速名曲。アグレッシヴなヴォーカルのシャウトから、アップテンポに展開していき、流麗なソロを交えたギターがロックとしての攻撃性を演出、サビは非常にキャッチーと来たもんです。文句なしにカッコいいハードロックナンバー!

 

M2「Dying Breed」も哀愁を含みつつ躍動感あふれるハードロックらしいサビに熱くなれる曲で、この二曲に流れでオープニングとしての掴みはバッチリ。この時点で良作であることを予感させてくれます。

 

アップテンポなナンバーでは、終始溌溂とした演奏でギアを上げ、M5「Carved In Stone」のようなバラード調の楽曲では、北欧メロハーバンドとしてのメロディーセンスを遺憾無く発揮。M1の最大瞬間風速を超えると感じた楽曲はなかったものの、ハード&キャッチーの基本線を徹底的に守り抜いており捨て曲はなし。

 

M6「Twilight」ではクライマックスで「歓喜の歌」のフレーズをガッツリ取り入れたり、M8「Bite The Bullet」の中盤に、どことなく西部劇チックなギターパートを挿入したりと、ちょいちょい作曲面での工夫を入れようとしているのが見受けられますが、基本はシンプルで直情的なハードロックで潔い。

 

ロディアスハードというと、「ポップスにおけるバックのサウンドがちょっと激しくなった感じ」みたいな印象を受けることもあったりするんですが(それはそれで悪くないですが)、このバンドはヴォーカルと演奏でしっかりとロックしていて、大観衆を沸かせることができるパワーがバリバリなのが良いですね。キャッチーなハードロックが好きな人なら、まず外されることはないであろう充実盤。

 

 

個人的に本作は

"観衆を沸かせるに相応しいエネルギーを放つ王道路線のハードロック。湿りすぎないキャッチーなメロディーセンスも熱い"

という感じです。

 


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