ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

HIBRIA 『Me7amorphosis』

f:id:Show_hitorigoto:20220331010320j:plain

  • 大幅なメンバーチェンジで生まれ変わった新作
  • 後期HIBRIAのプログレ&パワーメタルを踏襲
  • 疾走曲の変わらぬ熱さこそが最大の魅力

 

正統派メタルとしてのダイナミズムを完璧に表現したサウンド、耳に馴染みやすいキャッチーなメロディー、そして圧倒的熱量を放つ超人的鋼鉄ハイトーンヴォーカルで、日本のメタルシーンに鮮烈なインパクトを与えたブラジリアンメタルバンド・HIBRIA。

 

名曲「Steel Lord On Wheels」「Tiger Punch」をはじめ、メタル魂を熱く鼓舞する楽曲を聴かせてくれた彼らでしたが、3rdアルバム『Blind Ride』あたりから少しずつモダンヘヴィ寄りだったり、テクニカルだったりする音作りが目立ちはじめ、わかりやすさと熱量が減退(あくまで相対的なもので、それでも充分魅力的な正統派ではあったんですけど)

 

注目度が少しずつ落ちはじめていき、最終的にはギタリストのアベル・カマルゴを除くメンバー全員が、他の道へと進むために脱退。その後しばらくは動きらしい動きが無かったので(僕が見てなかっただけかもしれませんが)、正直なところこのまま自然消滅するのかな...?なんて思ったものです。

 

しかし不屈の精神でメンバーを再び集めたアベルは、新生HIBRIAとしてバンドを再び立ち上げることに成功し、活動のスタートがコロナ禍とほぼ重なってしまうという不運に見舞われつつも、こうして新作を作ってくれました。まずは彼のバンドを諦めない心に拍手したいです。

 

「変身・変態」というアルバム名の通りメンバーがほぼ総とっかえされているので、もはや別バンドになったんじゃないか、HIBRIAと呼べるのか、なんて聴く前は思ったんですけど、本作の方向性は後期HIBRIAをしかと継承するもの。

 

パワーメタルとしては異常なほどに目立ちまくるベースラインをはじめとして、プログレメタルかと言わんばかりにテクニカルにうねり回るバンドアンサンブルに、熱唱型のヴォーカルがキャッチーな旋律を歌う。モダンなヘヴィさを強調させたリフが絡み、やや無機質ながらもガッチリまとまった硬質なサウンドで勝負をかけるメロディックメタル。同じバンドだから当たり前っちゃ当たり前なんですけど、過去作からのギャップはそれほど感じません。

 

新たなバンドの看板となったヴォーカリストのヴィクター・エメカ。ルックスはSuspended 4thのデニスさんみたいな感じですが、そこからはなかなか想像しにくい、パワーメタルらしい野太いハイトーンを披露してくれます。

 

単純な歌唱力について言えばヴォーカル面において不足はないですが、やはりHIBRIAサウンドには、ユーリ・サンソンのヴォーカルの貢献度が非常に大きかっただけに、その点個性はやや減退したかな?

 

曲については特に疾走曲の仕上がりが良く、オープニングにしてはちょっと地味めなM1「War Cry」から続くM2「Shine」は、大きなスケールを描く明朗なサビが熱く歌い上げられるナンバーで、「あ、こりゃ確かにHIBRIAだ!」と思わせてくれること請け合い。

 

もはやギター以上にベースが目立っているといっても過言ではないM4「Fearless Will」は、特にサビにおける哀愁が際立ったメロディーが魅力。怒涛のドラムの連打からメロディックかつテクニカルなツインギターで幕を開け、一段とクールなサビが展開するM6「Raging Machine」に、そのままの勢いで駆け抜けるM7「Skyline Of The Soul」と、テクニックとパッションを兼ね備えた魅力的な楽曲が聴ける(M7はもうちょっとギターソロに迫力が欲しいが)

 

そしてM9「Tribal Mark」は、本作の一番のポイントとなる楽曲。ユーリ・サンソンら、HIBRIAの元メンバーがレコーディングに参加した楽曲で、昔からのファンであれば嬉しいところでしょう。ただ曲としてはズッシリしたヘヴィさ重視の曲で、疾走曲ほどの爽快感が無いのはちょっと厳しい。もっとシンプルで直情的なパワーメタルで良かったのよ。

 

生まれ変わってから初のフルアルバムとなった本作、ヴォーカル面による個性の減退や、純粋なパワーメタルとは毛色の異なるプログレ的演奏により、やっぱり初期HIBRIAほどのインパクトは足りないと言わざるを得ないのは事実。

 

しかし疾走曲に迸るパッションや、パワーメタルとしての馬力溢れるサウンドはきちんと用意されているので、従来作に親しんできた人には、メンバーが変わったとしても安心して聴ける作品になっていると思います。とりあえず復活は果たすことができたので、今後の動きに期待をかけてもいいかもですね!

 

 

個人的に本作は

"後期HIBRIA直系のプログレ的演奏力と、熱さが滾るメロディーセンスが噛み合ったテクニカルパワーメタル。疾走感ある曲はどれもキラーチューン"

という感じです。

 


www.youtube.com