- 前作に引き続き第一次世界大戦がテーマ
- Sabaton流ウォーメタルからは1mmもブレない
- 過去作に比べちょっと落ち着いた?
仕事が忙しかったり、プライベートでやることがあったり、外出の機会が増えたり、両親との約束でちょっと遠くまででかけたり、最近はいろいろと時間に余裕が無い。
「毎日が充実している」といえば聞こえはいいですが、そのせいでこのブログの更新がだいぶおろそかになってしまっています。今月の更新はサボりまくっていた2016〜2017年を除けばかなり少ないのではないでしょうか。
ブログは誰かに強制されているわけでもないし、義務でもないので、どうしても優先度が落ちてしまうんですよね。それに加えて新譜をじっくりゆっくり聴き浸る時間も少ないもんですから、なかなかキーボードを叩く手が動かなくて。
...と、ここ最近の更新ペースの遅さの言い訳をしたところで、そろそろCD感想書き上げようと、重い腰を上げてみます。スウェーデン出身の国民的ヘヴィメタルバンド・Sabatonの最新作。
2019年に発表された前作『The Great War』に引き続き、本作もモチーフとなったのは第一次世界大戦。やはり規模の大きい戦争になると、アルバム1枚分ではなかなか表現したい事柄をすべて表すことはできなかったのでしょうか。
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ただ本作に関しては発売時期が気の毒ですよね..。ニュースで皆さん周知の通り、現在ロシア-ウクライナで戦争が行われている最中であり、そんな中世界大戦について謳ったアルバムを発表するというのは...。
もしSabatonが日本のバンドで、世間でもそこそこの知名度を得ている存在だった場合「この時期にこんな作品を出すなんて、戦争を賛美するな!」みたいな意見がSNS上に大量に書き込まれて(普段は音楽シーンやミュージシャンなんて歯牙にもかけないような連中が中心になって)炎上騒動とかになるんだろうな...。
日本はヘヴィメタルという音楽自体が世間から認知されていないので、特に大きな話題になったりはしてませんが(良いんだか悪いんだか...)本国のスウェーデンではどんな感じなのでしょうか。
そんな心配は若干生まれはするものの、音楽自体は従来のSabaton節をしっかりと継承するもので、勇壮でありながらシンセも目立って、メロディーラインもキャッチーで聴きやすい、いつものSabaton流ヘヴィメタルが100%堪能できる1枚に仕上がっています。
ただ本作は勢い、ストレートさが過去作と比べてやや希薄に感じられるというか、どっしりとしたミドルチューンの存在感が大きい。もともと彼らは疾走感を売りにしていたバンドではありませんが、それでもアルバム全体の勢いは過去作と比べてやや落ちている印象か。聴いて一発で「こりゃ名曲!」とガッと引き込まれるほどのものは無く、そこはちょっとばかし残念。
とはいえ各楽曲のクオリティーはおしなべて高く、非常にメロディアスでクールなギターソロが大きな聴きどころとなるM9「The Valley Of Death」を筆頭に、キャッチーかつ硬派なメタルチューンのオンパレード。
Sabatonの王道中の王道を行くサビが映えるM2「Stormtroopers」、ウォーウォーコーラスとサビにて、彼らならではの勇壮さを見事に描き出したM4「The Unkillable Soldier」あたりが個人的キラーかな。アルバム全体で45分程度で聴き疲れを誘発しないのも良い!
全体として「さすがはSabaton!何も変わっちゃいないぜ!」というべき、いつもどおりのSabaton満載の1枚でした。マンネリといえばマンネリかもしれませんが(歌がキャッチーなだけに余計に)、これこそが彼らのアイデンティティー、今後も変わることはないでしょうね。
ただ前述の通り、過去作と比べるとちょっと地味に感じる瞬間が多かったのも事実なので、次回作以降はまたガッツリ弾けたキラーチューンも期待したいです。
個人的に本作は
"いつもどおりのキャッチー&勇壮なウォーメタル道まっしぐら。もう少し派手でパワフルな要素を強めても良かったかも"
という感じです。