ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

ALESTORM 『Seventh Rum Of A Seventh Rum』

  • 楽しく陽気な、愛すべきヴァイキングメタル
  • 一見バカっぽくも、優れたメロディーとアレンジのオンパレード
  • ストロングゼロ 儚き夢 散る花のごとく ここに眠る

 

Evoken Festにおいて、デッカいアヒルさんをステージ上に召喚しての愉快・痛快なライヴを披露してくれたことも記憶に新しい、イギリスはスコットランド出身のヴァイキングメタルバンド・ALESTORM。前作『Curse Of The Crystal Coconut』以来2年ぶりとなるフルアルバム。

 

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ここまでコンセプトが固まっているバンドだけに、前作からおおきく路線変更することなどあるはずなく、本作においてもまた酔いどれ万歳・宴万歳・陽気で楽しいアッパーなヴァイキングメタルが展開されています。なんとまあ聴いて楽しくなる音楽ですこと!

 

フォーキッシュなメロディーを奏で続けるキーボードの音色を主役とし、時に疾走し、シンガロングをふんだんに取り入れ、メロディックなギターソロをも武器にしながら、パーティーメタルを一貫してプレイ。

 

そしてこのバンドの美点としては、単にバカっぽくて陽気で楽しいだけに終わらせず、きちんとメロディックヘヴィメタルとして、高いクオリティーを誇るメロディーを有しているところ。

 

特に前半の畳み掛けが良くて、勇ましい主旋律に導かれ堂々と進むオープニングM1「Megellan's Expedition」でスタートし、そのままALESTORMの王道とも言えるフラフラとした酔いどれ感満載のキーボードが鳴り響くM2「The Battle Of Cape Fear River」、初っ端の"Let's go!"からモッシュさせる気満々の疾走へ繋がり、シンガロングパートも実にライヴ映えしそうなM3「Cannonball」へと移行していく。勢い抜群でナイス。

 

M4「P.A.R.T.Y.」は、クリストファー・ボウズが手掛ける別バンド・GLORYHAMMERでも見られる、電子音を用いたダンサブル・チューン。こういった曲が単なる風変わりな曲だけで終わらず、バンドの個性を保った上で、ちゃんとメインコンテンツとして成立しているところに、彼らの作曲とアレンジセンスの高さを感じ取ることができます。

 

M5「Under Blackened Banners」は、モダンなメロディックメタルかと思うような出だしから、強烈なフックをもったメロディアスなギターで展開、彼ららしいフォーキッシュな旋律に、ちょっとおマヌケな印象を与えるキーボード、デスヴォイスとヘヴィリフでガシガシ進むパートも設けつつ、一緒に歌いたくなるほどキャッチーなサビが登場する、まさに全部盛りと言っても過言ではない、本作のハイライトとなり得る名曲。もうこの時点で名作認定ですよ。

 

この前半の勢いは後半に至っても絶たれることはありません。雄大なスケールとコミカルなキャッチーさが共存したM7「Seventh Rum Of A Seventh Rum」に、最もアグレッシヴなリフに、熱すぎるシンガロングパートが盛りだくさんなM10「Come To Brazil」あたりは、後半部のキメとなる楽曲ですね。

 

ラストのM11「Wooden Leg (Part Ⅲ)」は、SIGHの川嶋未来さんや、JAPANESE FOLK METALのメンバーが参加したミドル曲。前作に続いて日本語によるパートも含まれており、やっぱりここでもストロングゼロが推されています(笑)

 

M11以外はどれもこれもエネルギッシュな勢いに満ち溢れ、フザケつつも確かなキャッチーなセンスが息づいたアレンジも満載、純粋にメロディックメタルとして優れた楽曲が立て続く、強烈な一作に仕上がっています。アルバムのタイトルからネタアルバムだと思ったら大間違いですよ。

 

 

個人的に本作は

"陽気なアレンジ、おバカな個性はそのままに、優れたメロディーセンスが全編で冴えわたるヴァイキングメタル"

という感じです。

 


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