ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

AMON AMARTH 『The Great Heathen Army』

  • ジャケットに違わぬ、無骨な男の美学
  • 良くも悪くも前作ほどのわかりやすいキャッチーさは無し
  • 従来通り硬派な男泣き要素は変わらない!

 

ヴァイキングメタルというスタイルを通して、熱き男の美学を徹底的に描くド硬派バンド・Amon Amarthの最新作。5人のメンバーが佇むジャケットのイラストからしインパクト抜群だぜ。

 

前作『Berserker』は、ナヨッちさとは一切無縁、血潮激る男臭さがムンムンながら、非常にキャッチーな旋律を奏でるリードギターを武器に疾走する曲を携え、暑苦しいのに聴きやすいという絶妙なバランスを実現した快作でした。

 

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本作においても音楽性の基本線は変わらず。地を揺るがすかのような低音デスヴォイス質実剛健なリフワークで進み行く硬派なメタルを貫き通す。キンタマぶら下げた男として、聴いていて無条件に気合いが入るよう。

 

ただ前作と比べると、やや僕好みの要素は薄れてしまったかな?というのが本音。

 

というのも、前作には「Mjölner, Hammer Of Thor」「Raven's Flight」のような、ムサい男の世界観を一切損なわずに、わかりやすいほどキャッチーなメロディーを紡ぐリードギター、疾走感がプラスされているキラーチューンがあったのですが、そういったわかりやすさが減退しているから。

 

もともと彼らはそんなにキャッチーさを押し出すようなバンドではなかったので、むしろそういう要素を控え、ミドルテンポでひたすらに不器用さ、無骨さを打ち出す方がAMON AMARTHらしいと言えるのかもしれません。

 

しかし、僕のような速くてキャッチー、わかりやすくてパワフルなメタルが好きな者からすると、どうしても前作との比較において地味になってしまった感は拭えないですね...。前作はキャッチーな面が秀でていたからこそ、2019年のベスト10に選出したわけですし。

 

即効性を減退させた反面、何か他に目立つ加点ポイントがあるかというとそうでもないので、単純にキラーに欠ける印象が強くなってしまったかな。

 

まあ、それでも何度も言うように、彼ら特有の男泣き要素は必要十分なものがある。従来の彼らのサウンドが気に入っている人からすれば、何も裏切られることはないんですけどね。M1「Get In The Ring」のメロデスライクな叙情リフの連続でズンズンと進みゆく様は、何とも雄々しい迫力!ツタツタ疾走するだけでは出せないエナジーがあります。

 

ノリの良いリズムとシンガロング、渋い男泣きリードギターが特徴的なM3「Heidrun」、よりヴァイキングメタルとしての勇壮さが強くなったギターに酔いしれるM5「Find A Way Or Make One」〜M6「Dawn Of Norsemen」の二連打が気に入ってます。やっぱヴォーカルの低音スゴいな。

 

M7「Saxon And Vikings」は、SAXONのヴォーカルであるビフ・ヴァイフォードがゲストで参加した曲。SAXONのヴォーカルとヴァイキングメタルを演るから「Saxon And Vikings」。そのまんますぎるタイトルだ。

 

そしてこの曲が、本作の中ではかなりアップテンポな部類で、劇的な高速メロディックリフとギターソロ、猛る男の姿が容易に想起できる力強い歌が同居する、本作のハイライトとなり得る名曲となっています。

 

前作のようなキャッチー路線(このバンドにしては)に魅せられた自分としては、それが減退してしまったことこそ残念ではありました。しかし全体を通して芯はまったくブレず、AMON AMARTHらしい屈強な男メタルが堪能できる作品であることに間違いはない!

 

このむさ苦しい世界観を構築し続ける限り、このバンドは安泰だろうと思う反面、次作以降はもう少しキャッチーな姿勢を強めてくれてもいいよ、とも思っちゃうな。

 

 

個人的に本作は

"徹底的に男の美学を貫く、ド硬派勇壮ヴァイキングメタル一直線。芯はブレないが前作ほどのキャッチーさはない"

という感じです。

 


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