ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

SUM 41 『Chuck』

  • SUM 41史上最もメタルな1枚
  • 戦火を目の当たりにした影響か、全編シリアスな空気感
  • おバカなポップパンク的楽曲は皆無

 

当ブログ、2016年4月1日にスタートして約6年9ヶ月、ついに「CD感想」カテゴリの記事500回目となります~~!!

(。・ω・ノノ゙パチパチ ドンドンパフパフ

 

400回目と似たようなこと書きますが、ブログを始めた当初は、まさかここまで続くとは思いませんでした。FC2ブログでスタートして、2020年からは現在のはてなブログへと移行して...長いようであっという間だったな。いや、やっぱり長かったかな。まあいいや。

 

Googleアナリティクスで確認できる範囲ですと、1日に100人以上のアクセスがあるのが当たり前くらいにはなっていて驚くばかり。そりゃ人気ブログに比べれば全然大したことない数字なんでしょうけどね。始めた当初は1日に5人来ればいい方だったわけで、それはここまで伸びるだなんてな〜〜。続けるもんだな〜〜〜。

 

リピーターやコメントをくれる方もいらっしゃって、これもまたありがたい限り。去年は更新ペースを落とさざるを得ませんでしたが、今年はどうなるかな...。まあいずれにせよ、今後ともどうぞよろしくお願いいたします(90°礼)

 

さて、100回単位のCD感想記事においては、個人的に思い入れがあったり、普段聴いてるバンド群とは異色のアーティストだったりを取り上げています。今回もその流れに乗って、思い出深い作品の感想にしてみようかなと(さすがにそろそろネタがなくなってきたから、600回以降は普通にCD感想書くかも)

 

今回取り上げるのは、カナダのパンク・メタルバンドSUM 41が、2004年に発表した3rdフルアルバム。

 

このSUM 41というバンド、前にも書いたことがありますが、僕にとって「洋楽の入り口」になってくれたバンドなんですよ。僕の音楽人生のおいて、初めて自分の知見が海を超えた日。それが彼らを知った日でした。それまでも、母親がカーペンターズなどの洋楽をよく流していたものの、それらを自分で掘り下げて聴こうという気にはなっていなかったので。

 

show-hitorigoto.hatenablog.com

 

当時中高生くらいだった僕、日本のパンクバンドにどっぷりハマりつつあったので、暇があってはインターネットを通じて、バンドの音源を色々と聴きあさっていました。

 

今みたいにCDを買うお金もないし、そもそも自分専用のコンポなんて持ってなかったし、サブスクなんて便利なものもないし。満足に音楽を聴く手段はやはりインターネット頼り。ネットの発達によりCDがどんどん売れなくなってしまったものの、僕のような人間を音楽の沼へ落とし込む役割も確かに担っていたので、この辺の音楽業界への影響は功罪あるなあ。

 

そんな中見たのが、確かニコニコ動画にあった「洋楽パンクロックメドレー」的な動画だったと記憶してます。THE OFFSPRINGとか、SIMPLE PLANとか、BETTER LUCK NEXT TIMEとか、BLINK 182とか、その辺の音源をまとめて紹介してるようなやつ。その中に紛れていたのが、本作収録曲のM2「No Reason」でした。

 

オープニングから爆発力あるヴォーカルが飛び出し、淡々とシリアスに進むAメロから一気にキャッチーなサビへと展開するこの曲に、僕は初めて「海外の音楽ってカッケェーッ!」と衝撃を受けました。

 

僕と同じように「このバンドで洋楽を知った」「SUM 41は青春のバンドだった」という人、結構多いのではないでしょうか。

 

そんな彼らを代表するアルバムといえば、やはり2002年発表の2ndフル『Does This Look Infected?』なのでしょうが、今回は僕の洋楽入り口となってくれた前述の「No Reason」収録の本作について。

 

本作のリードトラックM3「We're All To Blame」は、ドキュメンタリー映画撮影のためにコンゴへ行った際に、メンバーが内戦に巻き込まれて、死と直面した体験を元にして制作されたとのこと。そんな制作方針がアルバム全体にも行き届いたのか、前2作と比べて、本作は非常にシリアスな方向性でまとまっています。

 

実際に戦争を目の当たりにする体験をして、反戦の志を持つパンクスとしては、あまりポップに弾けた楽曲を作る気にはならなかったのでしょうか。その時の心情を包み隠さず、音で表現するべきだと感じたのかもしれません。

 

これまであったバカっぽい能天気なポップパンク、ラップをも取り入れたノリノリな曲が一掃。全編通して重い空気感と、メタリックな音作りが大幅増量されており、メロコア・ポップパンクなんていう楽しげな響き持つ単語はそぐわないほど。

 

本作をリアルタイムで聴いたファンはどう反応したんでしょうね。僕のような後追いは「メタル要素の強いパンクバンド」という予備知識が十分にあったうえで聴いているので、特に違和感やらは無いわけですが、「Fatlip」「In Too Deep」あたりから聴いてきた人は「さすがにここまでメタルメタルされるとキツい」なんて思ってたりしたのかな。

 

生粋のメタルヘッズであるギタリストのデイヴ・バクジュのヘヴィリフが、どの曲においても炸裂していて、モッシュ以上にヘッドバンギングが似合うのではと思う瞬間もチラホラ。M6「The Bitter End」はMETALLICAにも通じる(実際にMETALLICAのオマージュでもあるらしい)メタリックなリフが刻まれるナンバーで、モロにメタルのレベルに到達している。M13「88」の中盤から後半にかけて刻まれる高速のヘヴィリフ、速弾きギターソロも完全にメタルのそれ。頭振りたくなりますわ。

 

そんなメタル成分マシマシの本作でも、パンキッシュな勢いが無くなったりはせず、M4「Angels With Dirty Faces」や、M10「Welcome To Hell」といった曲にはパンク・ハードコア的疾走感に浸ることができます。これほどメタルサウンドを強めても、(一部の曲を除いて)完全にメタルな領域にはいかないので、本分はあくまでパンクロック。

 

キラーチューンとそれほどでもない曲の差がやや大きかったり、パンクとメタルの融合具合や楽曲の完成度、印象に残るメロディーの有無などで考え、総合的に見たら『Does This Look Infected?』が一番の名作であるとは、メタルをガッツリ聴くようになった今の僕でも思います。

 

しかし、パンクとメタル、もともとは水と油のような関係性であった2ジャンルを、これほど濃い形で融合させ、日本においてもヒットさせた重要作であることは変わりありません。実際僕も「No Reason」から洋楽に入り、メタルへの興味も湧いてきたわけですし。

 

未だに本作を聴くと、家族共用のノートPCを開いて、動画サイトの洋楽パンクロックメドレーに聴き浸っていたあの頃を思い出します。今の中高生はTikTokでJ-POPのサビだけちょろっと聴くくらいのスタンスに落ち着いているみたいだけど、こういう洋楽の入り口となるバンドって現れたりするのかな。

 

 

個人的に本作は

"ヘヴィメタル要素を大幅に増したパンクメタルの名盤。従来に比べシリアス過多だが、パンキッシュな疾走感も十分にある"

という感じです。

 


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過去の100回単位感想記事はこちら

100回

show-hitorigoto.hatenablog.com

 

200回

show-hitorigoto.hatenablog.com

 

300回

show-hitorigoto.hatenablog.com

 

400回

show-hitorigoto.hatenablog.com