ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

1/21 OAU / New Acoustic New Year at Billboard Live TOKYO

去年に引き続き、今年もOAUの新年1発目のライヴに行ってきました。人生3度目のビルボード

 

show-hitorigoto.hatenablog.com

 

先日行ってきたUNEARTHの熾烈極まるライヴから一転して、素敵な料理を嗜みながらのアコースティックサウンドに聴き浸る日。とはいえOAUのライヴを経験している人ならわかると思いますが、彼らのライヴは癒されるだけでなくて、心が弾むような高揚感も得られるんですけどね。

 

Billboard Live TOKYOのある六本木は東京ミッドタウンへ。相変わらずお高そうなお店ばかりが立ち並ぶ異空間で、僕のような人間がいたら異分子として妙な視線をもらわないか不安になってしまう。

 

まあ3回目となれば多少は慣れるというもの。そそくさと高級店の間をすり抜け、会場入り口へと直行。今日はステージほほぼ正面で一望できるカウンター席です。

 

こんなところにはなかなか来る機会がないから、なるべく普段食えそうにないものを頼もう!と意気込んではいたのですが、いざメニューを見てみたら4000円は普通にするメインディッシュのグレードにたじろぐ。

 

そうしているうちにオーダーを取りに来たスタッフの方が僕のすぐ後ろでスタンバッてきたので、「と、とりあえずなんか食いたいもん頼もう!」と、ジントニックとスパイシーチキン&フライドポテトという居酒屋で頼めそうなメニューに落ち着いてしまいました。いや、これらも1000円以上する立派なものなんですけどね。

 

ライヴが始まるまでは1時間弱もあるので、その間バスケットLIVEで千葉ジェッツの試合を確認したり、ステージの準備が進んでいく様子を上から見たりしつつ(こんな上品な空間なのに、スタッフの背中にGAUZEのマークが大きくプリントされていることに気づいて思わずニヤリ)やってきたジントニックとチキン、ポテトをこれまた居酒屋でパクつくかのようなペースでつまんでいました。やっぱお高いだけあってうめえや。

 

え?なんでこんな暗い写真なのかって?

ライトが故障してたからですよ

 

スタッフの人たちも「手元が見えづらくなってしまい申し訳ございません...」と、とっても恐縮しきっていました。

 

そうして食べ終わる前に開演時間となり、すぐ左隣の通路からメンバーがゾロゾロとステージへと登壇していく。

 

いつもの位置に6人が到着し、まず初めに演奏されたのが「Apple Pie Rag」。6人それぞれの演奏の妙が遺憾無く発揮されるインストで、RONZIさんとKAKUEIさんのリズムセッションが聴きどころ。

 

続く「Thank You」は、KOHKIさんのスライドギターによる、どこかハワイアンミュージック的なのどかな音色に癒される。チキンとポテトが思った以上にボリューミーだったので結構お腹が膨れており、ここでリラックスしていると眠くなってしまうかも...

 

しかしその後のテンポアップしたパートでしっかり覚醒。僕より前方のカウンター席に座っている人や、最前付近にいる人たちからはしきりに腕が上がっていて、会場の熱量(といってもレストランなのでライヴハウス的な熱狂ではなく、もっと優雅なものでしたが)が上がっていくのを感じました。

 

「やっぱりビルボードはいいですね。みんな普段はストロングとか飲んで節約しながら、1年に1度ここに来てくれるから」と客いじりをしつつ、「FOLLOW THE DREAM」でのツインギターの美麗なから絡み、「夢の跡」での幻想的な照明効果に、思わず息を飲み、拍手するのも忘れて見入っていました。この没入感はラウドな音には出せないもの。

 

飯はうめえわ、音は良いわ、曲は最高だわで、忙しい日常の疲れを忘れさせてくれるな〜...。席代の飯代で実は結構な出費がかさんでいるのですが、それすらどうでもよくなってくる。New Acoustic New Yearは願わくば年一の恒例行事になってほしい。

 

年一の恒例といえば、去年・一昨年と春に野音で行われたOAUの野外ライヴですが、今年は大阪のみの開催で、野音は無しとなっていました。MCによると「毎年やりたいと言ってた矢先に、今年は野音が獲れなかった」とのこと。

 

なんでも野音100周年記念事業なるものが動いているらしく、TOSHI-LOWさん曰く「今年は偉い人しか舞台に上がれないらしい」ですって。「それOAUじゃダメなん?」という疑問は、(ジョーダン交じりではあるが)MARTINさんが代弁してくれてました。春の陽気に包まれながらのOAUのライヴは最高なだけに、今年は実に残念ではありますが、ここは割り切って今の空間をしっかりと味わうことにしましょう。

 

ライヴが後半に差し掛かってくるときに、スタッフの一人がTOSHI-LOWさんに近づき、何やらゴソゴソと作業をしている。何かと思えば、どうやらライヴが始まった頃からイヤモニの機能が止まっていたらしく、ただ耳栓をしているだけの状態になっていたらしい。要は他メンバーの楽器の音色、コーラスなどをすべて耳栓をした上での生音でしか認識できない状態で歌っていたのです。

 

今日のライヴは終始普通に進行していて、特に歌や演奏に違和感などはなかっただけに、よく今までそんな状態で進められたな...と思いつつ、ようやく完全体となったOAUで演奏されるは「Again」。アップテンポで盛り上がりやすいサビのフレーズもある、ライヴでお決まりのナンバー。この曲は体を揺らさざるを得ないな。

 

もはやクライマックスとしておなじみとなった「Making Time」にて、バックのカーテンがゆっくりと開いて、眼下には賑わうスケートリンクが。まだ完全に暗くなっていない空模様に、明かりがつき始めた摩天楼を見ながらのひとときはビルボードならではです。

 

アンコール含めてあっという間に終わってしまいましたが、気がつくと1時間以上は経っていて、楽曲も10曲以上やってくれてたんですよね。心地よい時間は早く過ぎ去ってしまうのは人間の感覚における重篤なバグだ。ラストの「帰り道」を聴いている段階で、「まだ帰路にはつきたくねえよ...」寂しい気持ちでいっぱいでしたから。

 

先日のUNEARTHの来日では、いかにもライヴハウスらしい治安の悪さと爆音にまみれた痛快な一日でしたが、それと対極に位置する今回のライヴも素晴らしいものでした。またビルボードに来れるとしたら来年かな。