ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

7/7 京都大作戦2024 〜翔んで騒いで万々歳゛〜 Day 2 at 山城総合運動公園太陽が丘

まず最初に言っておきますが、更新をサボりたくてサボってた訳ではない。ホント。

 

7月に入ってからと言うものの、もう笑っちゃうくらい仕事の量もトラブルも増えてしまってですね。毎日3〜4時間くらいの睡眠時間しか取れず、ブログ更新が全然捗らなかったどころか、満足に音楽を聴く時間もとりにくくてですね。積んであるCDがどんどん増えてくんですよ...

 

そんなわけで、もう完全に「思い出」になってしまっていますが......京都大作戦2日目の感想記事となります。

 

1日目にかなりの疲労を感じていたものの、ホテルの風呂でゆっくりしたのと、普段の薄っすい敷布団とは比較にならないほど寝心地の良いベッドで、良い塩梅まで体力回復できたのか、危惧していた寝坊とは無縁の早朝起床。朝ごはんもしっかり食べられて準備は万端。

 

外に出てみると、暑い。先週までの曇りの天気予報はなんだったんだと言いたくなるピーカンであり、ちょっと出歩いただけでダラダラと汗が噴き出てくるような酷暑。この日もまた飲み物の消費が凄まじくなりそうだ...

 

昨日と同様に京都から宇治まで電車で一本、その後は2.5kmの道のりをひたすら歩いて会場を目指す。道沿いに100円でペットボトルのミネラルウォーターが買える自販機を見つけたので、これ幸いとばかりに2本買い込む(なお発汗量の多さ故、2本ともすぐに無くなった。マジで早かった)

 

昨日と同じように入場ゲートをくぐる。昨日は物販に並ぶ時間も考慮して少し早めに会場入りしたのですが、今日は入場時間ちょうどくらいに来たので、待ち時間もなくスムーズに入場。昨日食べられなかったオフィシャルフードの大作戦バーガーと、わらび餅黒蜜ラテで舌鼓。

 

 

 

ENTH

本日の源氏ノ舞台のオープニングであるENTHを、後ろの方から観ることに。メンバー入場の際に、濃ゆい顔つきをしたバニーガールが大挙して現れて、結構なインパクトを放っていました。

 

実はこのバンドのことは割と活動初期の頃から知ってて(ミニアルバム『Get Started Together』をリリースしたあたり)、なかなか勢いがあって良いメロコアだな〜と思ってました。

 

その後は特に追うこともなかったのですが、あれから10年以上経って、日本語詞も取り入れたりして、音楽性も変わっているっぽいですね。メンバーも入れ替わっているらしい。

 

ちょっとやさぐれた感じのパンクで、ドラムがかなりパワフルに疾走しまくってるのが勢いマシマシで良い感じ。好みど真ん中というわけではないですが、少なくとも昨日のトップバッターよりはかなり好印象だな。MCも良いこと言ってたし。

 

「俺たちが茶の間に媚びるようなバンドになったら殺してくれ」と言い放った後に続く「Gentleman Kill」という曲が、スカコアっぽいカッティングを取り入れつつ、サビで爆走するタイプの曲で、なかなか爽快感がありカッコよかったです。

 

 

ENTH終わりで源氏ノ舞台から移動。昨日は「このバンドは観なくてもいいかな」というのが多かったのに対して、今日は「ちょっと観てみたいな」と思えるバンドが多いので、今のうちにエネルギー補給をしておかないと、後半確実にバテるぞ。

 

鞍馬ノ間で劇的なブザービーターの試合を見届けた後、遠くでROTTENGRAFFTYが「マンダーラ」をやっているのを聴いて、「こりゃまたレアな曲やってるな」と思いながら、ジャンクなフェス飯にがっつく。頃合いを見計らって次のスカパラのために、再び源氏ノ舞台へ。雲が全然なく、直射日光がバリバリ降り注ぐのでとんでもない暑さだ...

 

 

 

東京スカパラダイスオーケストラ

野外フェスでのスカパラは、開放感があって非常に楽しいということは経験則的にわかっていたのですが、さすがに今日は暑すぎ&今後も長いということもあって、ちょっと後ろから大人しく観ることに。ここで力一杯踊ったりなんかしたら、あっという間に瀕死ですので...

 

この暑さだというのに、メンバー全員カッチリとしたジャケットに身を包んで登場。ご機嫌なホーンの音色でフロア前方が一気に体を揺らして、ピースフルな空気感が溢れ出す。遠くでじっと聴いてても自然と高揚してくるような感覚が心地いい。

 

「Can't Take My Eyes Off You」のカバーや、10-FEETのTAKUMAさんがヴォーカルを務める(ギターを持たないスタンドマイクって結構珍しい気がする)「風に戦ぐブルーズ」といった曲では、基本的にキッズが大はしゃぎするこのフェスにおいては異色の、アダルティーなムードが漂う時間に。

 

個人的な要望を言えば、10-FEET全員がバンドセットで出てきて「閃光」をやってくれた方が嬉しかったのですが、野外フェスではなかなか味わえない、キッズが暴れるだけでない大人な音楽もまたオツなもんだと思わせてくれますね。

 

最後の「Paradise Has No Border」では、左右に分かれてのコールアンドレスポンスに、スカパラメンバーと同様に白ジャケットに身を包んだ10-FEETのメンバーが乱入し、特に演奏したりするわけでもなく、ステージ上の賑やかし要因(?)として場を荒らし回ってました。

 

 

RIZE

この日特に観たかったのがこのバンド。単純にライヴを観たことがないというのもありますし、何より京都大作戦2012の映像を見た人ならわかってくれると思うのですが、この日どこまでステージ上をグチャグチャにしてくれるのかが楽しみだったので(笑)

 

そして結論から言うと、この2日間通してベストアクトと言えるようなライヴだったのではないでしょうか。演奏のクオリティーも高いし、荒々しいパフォーマンスもキレてるし、見栄えがすごい。

 

かなり本格的な低音シャウトを繰り出し、全身を躍動させながら暴れ倒すJESSEさんに、圧巻のスラップを繰り出すKenKenさんのオーラがすごいのはもちろんのこと、バンドのアンサンブルの中核となるドラムの金子ノブアキさんも、サポートメンバーでありながら、存在感はまったく他メンバーに引けを取らないRioさんと、とにかくステージ上にバンドのカッコよさが溢れてるんですよね。

 

最近のいわゆる「邦ロック」と呼ばれるバンドって、どうも綺麗でポップで、品行方正みたいなイメージがあるんですが(実際はどうかは知らんけど)、そういったバンドには無い危険なオーラがプンプン。「やっぱロックバンドってこうだよな」と思わされますね。

 

代表曲の「カミナリ」はイントロから大盛り上がりで、JESSEさんが「よし、お前来い!お前来い!」と恒例(?)となる観客舞台上げがスタート。さすがにライヴ映像で見た時のような、数十人規模でカオスになるということはなりませんでしたが、何人ものRIZEファンがステージに登ってきてラップパートを歌い出す。それとは逆にJESSEさんはギターを抱えたままフロアまで降りてきて、ギターを鳴らしながら観客に支えられる。

 

最後の最後にライヴの熱量を最大まで上げたあと、ギターをアンプに押し付けて、ステージど真ん中にブっ倒れるようにして終了。大規模なフェスというよりかは、小さめのライヴハウスで見られるような光景が、「ジャパニーズロックバンドでした!」という最後の叫びに、異様な説得力を持たせていました。

 

 

マキシマム ザ ホルモン

PAのテントのすぐ前にいたのですが、始まる前からかなりの人が密集し出す。やはり人気バンドの集客力たるや恐るべしです。

 

マキシマムザ亮君のヴォーカルから始まった「鬱くしき人々のうた」は、何気にライヴで聴くのは初めてだっただけに、結構嬉しい選曲。歌詞こそドチャクソ暗いながらも、アッパーな疾走感を感じさせるナンバーのため、前方ではさっそくサークルピットも出現していました。

 

人口密度がかなりのものなので、今までのように自由に腕を振り上げて盛り上がることすらままならず、広がるモッシュピットに押しつぶされそうになるのも一度や二度ではない。ライヴとしては非常に熱気があっていいのですが、やはりこの炎天下でこの状態はかなりキツかった...

 

セットリストは新しめの曲が中心となっていて、つい先日発表されたばかりのシングル「殺意vs殺意」も披露。恐らくこの曲を生で聴けた人は、現時点であまり多くないと思われるだけに、ちょっとお得な感じがしますね(とはいえ正直なところ、今までのシングル曲と比べると、あまり優れた楽曲という印象は持ってなかったりするのですが...)

 

ハイライトになったのは、2時間ほど前にステージ裏で、亮君がピッコロ大魔王と同じ呪文で産んだというタマゴをダイスケはんが持ち出し、ステージ袖に向けて投げると、タマゴの殻を被って、あのさんが登場した時(何を言ってるかわからないと思いますが、実際そうだったんだからしかたない) 結構な声量で驚きの声が上がっていました。

 

「チューチュー ラブリー ムニムニ ムラムラ プリンプリン ボロン ヌルル レロレロ」で、あのさんをゲストヴォーカルに迎えたスタイルでプレイ。高音のシャウトがなかなかヒステリックかつ勢いがあって、結構聴きごたえがあったのが意外でした。

 

とはいえ、その後往年の名曲「ロッキンポ殺し」が投下されると、一瞬でその余韻をかき消し、ヘッドバンギングの嵐を巻き起こす。やっぱりホルモンの過去の名曲は素晴らしい。いや、もちろん現役で良い曲を生み出しているバンドだとは思ってますが、やはり多感な時期に喰らった楽曲には、一際トキメいてしまうものですよ。

 

 

Dragon Ash

RIZE、ホルモンときて、さらに日本を代表するミクスチャーバンドDragon Ashの登場。この流れをフロア前方で暴れながら聴いている人は、体力的に大丈夫だったんでしょうか。さすがに合間に休憩入れてるかな。

 

本当は牛若ノ舞台のFire EX.とPaleduskも観たかったのですが、この暑さでステージ間移動しつつ、連チャンで観続けるというのは体力的にムリと判断し、潔くサブステは切りました。Paleduskは来年LORNA SHOREのオープニングで観られるしね。

 

Kjさんの落ち着いた歌声とDJプレイで、比較的ゆったりと始まった訳ですが、その後に「Mix It Up」と「ROCKET DIVE」という2曲で、一気にエネルギーを放出させた感じ。しきりに「頭ブン回せ!」と煽っていただけに、ヘッドバンギングしやすいリズミカルで比較的ヘヴィなパートも多い。

 

「百合の咲く場所で」では、待ってましたと言わんばかりに、僕の左前方にて特大のサークルが出現(この日見た中で一番デカかった) 爆発力のあるサビで、凄まじい人数がグッシャグシャになる様を間近で見られるのはフェスならではですね。

 

名曲「Fantasista」は当然ながら大合唱で、Kjさんの「飛び跳ねろーっ!」と叫んだあとに、全員が腕を突き上げながらジャンプの連続。なるべく落ち着いた動きで体力を消耗しないようにしようと心がけていた僕ですが、さすがにこの曲を生で聴いたのならアドレナリンを出さないわけにはいかず、周りと一緒に跳ね回ってしまいました。

 

最終盤には、同じくミクスチャーロックを志すRIZEのJESSEさんとKenKenさんも登場して、共に歌い上げる場面が。特にKenKenさんにはバンドとしても思うところはあったのでしょうが、それでも良い笑顔で歌い上げていた姿が印象的でした。

 

 

SUPER BEAVER

Dragon Ashが終わったあとは、少し日が傾いてきたためか多少は暑さもマシになる(ホントに多少レベルですけど) ここで最後のフェス飯として、牛タン丼で腹ごしらえ。

 

暴れ系のアクトが続いた後のトリ前に、特にJ-POP色の強いバンドということで、結構アウェイな環境になるのかと思いきや、普通にかなりの人口密度となっている。メッセージ性とか結構10-FEETと重なるところも多いので、ファン層も被ってたりするのかな。

 

このバンドはCD買うほどではないけれど、MVになった曲とかはたまにチェックしてて、わりかし好きだったりするのです。あまり歌詞とかメッセージとか重要視するタイプじゃないんですが、サンボマスターと同様に、ここまで真っ直ぐにやられるとグッときちゃいますよね。

 

音楽のイメージとは裏腹に、結構イカついルックス(特にベースはニューメタルバンドやってても違和感ないかも)のメンバーが登場し、「アイラブユー」からスタート。もうこの時点で感極まって涙ぐんでる人すらいて、先ほどのミクスチャーロックの狂乱からしっかり空気を切り替えている。

 

会場中にシンガロングやハンズクラップを生み出す瞬間が多く、無秩序に暴れ倒す空間から、一体感を生み出すような空間へと移行したのが目に見えてわかりました。もちろんアウェイ感などはまったくない。

 

この日なかなか聴けなかったバラードなども説得力を持たせつつ響いてきて、聴き入る時間が多かったのも特徴。個人的にもあまりにアッパーに突き進まれるよりかは、体力的にありがたかったです(笑)

 

 

10-FEET

楽しかった2日間、憧れを抱き続けてきた京都大作戦というフェスもこれが最後。少しあたりが暗くなりはじめた時間帯に、PAの右横あたりで待機する。

 

 

昨日と同様に登場SEが鳴って、オーディエンスがタオルを頭上に広げてメンバーを歓迎。オープニングは最新シングル表題曲の「helm’N bass」。

 

比較的新しい楽曲が序盤に集中しているので、盛り上がりはそこそこといった具合で(僕のいた周囲の話で、もっと前方付近はモッシュまみれになっていたでしょう)、まだ完全にエンジンはかかりきっていない感じか。

 

「俺たちのライヴがダサかったら帰ってもいい。カッコいいところ見せてやるからな!」と、MCで宣言した後にやった曲が「シエラのように」という、どちらかというと勢いよりもムード重視の曲だったのも、少々落ち着いた印象を抱かせる一要因だったように思います。

 

調子がグッと盛り上がったのは後半、お馴染みのギターイントロが鳴った瞬間、大きな歓声が上がる。10-FEETといえばコレ!な名曲「RIVER」の登場です。

 

そしてこの曲では京都大作戦恒例ともなった、Dragon AshのKjさんのゲストヴォーカル。スマホのライトを2万人のオーディエンスが一斉に照らし、辺り一面に光の粒が浮かび上がる。今までDVDや動画で何度も見てきた空間に(昔はガラケーだったけどね)、自分がいるというのがなんだか無性に嬉しい。これはグッとくるな...!

 

ただKjさんのMCは「昔10-FEETがマネージャーと同居していた頃、遊びに来たROTTENGRAFFTYのメンバーが、家に置いてあったTOKYO TRIBE 2の漫画をパクっていった」というエピソードを教えてくれたのみで、特に感動的な内容は無かった(笑)

 

その後「漫画早よ返せ!」と愚痴られながらも、ROTTENGRAFFTYのNOBUYAさんとN∀OKIさんのツインヴォーカルを交えての「その向こうへ」と、京都大作戦らしい光景が次々と目の前に現れていく。

 

京都大作戦ならではという光景としては、「第ゼロ感」を大阪籠球会によるパフォーマンスと共に演奏したシーンも良かったですね(メンバーにぶつかっちゃまずいからか、あまりアグレッシヴな動きではありませんでしたが)

 

その中で一際目を引いたのは、安西先生のコスプレをした謎の人物の登場。服装、髪型、そして体型とソックリで、山王戦での「しっ」のポーズ(スラムダンク読んでる人ならわかってくれるはず)をとったまま、ドラムの右横にずっと居座り続ける姿はなんだかシュール。演奏が終わった後には「諦めなさい」とボソッと言い残して去って行きましたが、あれマジで誰だったんだろ?

 

見どころの多い後半の展開で、どんどん会場の熱気が増していくのがわかりましたが、特にアツかったのが「Freedom」でした。当初は「ヒトリセカイ」をプレイしていたのですが、前半の段階でドラムのビーター外れてしまう機材トラブルが発生。「予定には無い曲やったら照明さんに怒られるかな?」と言いつつ、「今機材トラブルが起きて落ち込んでるんやろ?そんな落ち込んだことも、一瞬で忘れろ!」とTAKUMAさんが吠えるように言い放ち、ここでサプライズの1曲が何かを察したファンから大歓声が漏れる。この曲の妙に語感の良いサビは、やはり共に歌わずにはいられない。

 

これまた京都大作戦ではお馴染み(彼らのライヴではいつもそうなのかな?)となる、「CHERRY BLOSSOM」にて、皆が一斉に頭上にタオルを投げる瞬間が到来。これに混ざるのも今回の目的だっただけに感無量ですわ。

 

「タオル失くすのにビビってたらアカン!もっと高く投げろ!」とTAKUMAさんに煽られましたが、僕が首からかけていたタオルは、BRAHMANのTour 1080°で買ったもので、ヤフオクだのメルカリだのに手を出さないともう手に入らないと思われるため、絶対に失くすわけにはいかず、軽めに投げるにとどめておきました。TAKUMAさんゴメン。

 



こうして長いようで短かったような、京都大作戦が閉幕。垂れ幕が降りてきたステージを見ながら、「ああ...おわっちゃったか...」と、この二日間の思い出を反芻していました。

 

可能であれば12年ほど前の、この手の音楽への熱量が一番高かった時期に体感したかった空間ではあります。ただ、ずっと憧れを心に宿し続けてきたフェスに、ようやく初めて行くことができた喜びと感慨。これはなかなか他のフェスに行った時には味わえないものでした。

 

 

なんとなく名残惜しくて、帰る際もちょいちょい後ろを振り返って、フェスの空間を網膜に焼き付けるように見渡す。喜びと寂しさで胸がいっぱいになっていました。脚への疲労度が半端ない状態で、また2.5kmの道のりを歩かなくちゃいけないという事実は、なかなか心に重いものをもたらしてくれますが...(笑)

 

京都大作戦、確かに普通のフェスとはどこか異なる空気感を持つ、非日常のお祭り。毎年のように通いたくなる人がいるのも理解できます。ただ、殺人的な暑さのなかはしゃぎ回るのは体力的に大変過ぎて、もし僕がアラフォーくらいの年齢だったら、何かしら笑えない症状が出ていたかもしれません。

 

30歳を迎えて、いよいよキッズとは言えない年齢になった僕ですが、まだ体力的に多少の無理ができる段階で、このフェスに来ることができて良かったなと思っています。