ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

8/10 摩天楼オペラ / 18th Anniversary Live at 日比谷野外音楽堂

野外ライヴには極めて不向きな天気になってしまった...

 

三連休の中日となるこの日、日比谷野外音楽堂にて行われた、摩天楼オペラ結成18周年ワンマンライヴに行って来ました。このバンドが野音でライヴするのは、11年前のAVALON TOURのファイナル以来二度目とのこと。

 

過去最高にバンドの体制と楽曲が仕上がった状態である今、非常に気合の入った良いライヴが観られると思って、結構早い段階からチケットを取っており、モチベーション高くこの日を待っていました。

 

しかし、当日の東京は見事なまでに雨空。しかも開演時間が近づくにつれて雨足が強くなり、土砂降り呼ばわりしてもいいのではないかと思うほどに。カンカン照りで熱中症のリスクがバカ高くなってしまのは避けられるとはいえ、野外ライヴでこの天候はいただけないな〜...

 

また、ライヴの直前に起きた不慮の事故により、ギタリストの優介さんが左腕を骨折、手術が必要になる事態も発生。日数がもうないだけに、代役のギタリストを呼ぶことはせず、ギターパートはすべて同期音源にするという処置を施すことにもなっています(これに対して払い戻し対応をするのは、なかなかユーザーフレンドリーだなと思いました)

 

完全体のバンドの姿を観ることは叶わず、さらにはこの悪天候という、ライヴ前のテンションとしてはどうにも上がりきらないシチュエーションでした。せっかくのスペシャルなワンマンだというのにな〜...

 

視界のジャマになる傘は当然会場内でさすことはできず、ダイレクトに雨に打たれながら自分の席に座る。もう一応タオルを頭に被る形で凌いでいましたが、もうこうなってくると、いよいよどうでもよくなってくるな。もうどんとこいや。

 

開演時間になり、荘厳なSEが流れると一斉にみんな立ち上がり、黒一色の衣装で統一されたメンバーをお出迎え。優介さんを除くメンバーが、各々手を振り上げて反応に応えると、早速最新作のオープニング「BLOOD」からスタート。

 

ダークで耽美、そして美しいという、摩天楼オペラお得意の疾走メロスピで、至る所でバンギャ特有の長髪振り乱しヘドバンが繰り広げられる。僕はメロイックサインに縦方向ヘドバンという、ヘヴィメタルのフォーマットに則ったノリ。ペンライトを持ったまま、振り付けを踊るかのように動く光景は、やっぱりちょっと慣れないな。

 

ギターは同期音源ではあるものの、あまりライヴの音圧に違和感はなく、サウンドのバランスはよく考えられている感じでした(彩雨さんのキーボードはもっと聴こえてもよかったけど) ベースとドラムのリズム隊がしっかり響くので、緩い印象はまったく抱かせない。

 

ただ、苑さんのヴォーカルは今まで観てきたライヴの中では、好調とは言い難い感じだったような。特に前半の方は、イヤモニから自分の声が聞きにくかったのか、明らかにドラムと合わないリズムになったり(すぐに解消されたけど)、音がガッツリ下がる瞬間があったりと、少々安定性に欠けていたかもしれない。

 

それでも要所でのハイトーンシャウトはさすがで、ビブラート過多のロングシャウトもまた摩天楼オペラの大きな特徴の一つ。時には音源以上とも言えるほどの伸びを見せていました。

 

「5人揃って完全な状態で舞台に立てないことは、本当に申し訳ないです。現状は驚くほど回復が早いから」と、今回のライヴが4人だけの演奏になってしまうことに触れつつも、ステージ袖で待機している優介さんに話題を振る。今回はあいさつだけの出演だと当初案内があったのですが、この段階ではマイク越しで軽く煽ってくるくらいのもので、姿を見せることはしない。

 

「まさかこのままマイクの音声だけの出演なんてことないよな?」と思いつつも、すぐにまたライヴがスタート。定番の「Psychic Paradise」では、S2O JAPANのように水がブシャーッと吹き出す演出が。開演前のアナウンスで「本日は演出上、お客様が水に濡れる可能性がございます」と言ってましたが、これのことだったようです。

 

まあこの演出がなくても、一向に止む気配を見せない雨のせいで、とっくの前からビショ濡れなんですけどね...。もうロンTは全濡れだし、タオルも絞れるレベルでグッショリだよ。

 

もうここまでズブ濡れになってしまえば、むしろもっと雨来い!というテンションになってしまうもので、打ち付ける雨が気にならなくなってくる...のですが、さすがに演奏しているメンバーはそういう訳にもいかないようで、吹き付ける雨風により体力がかなり早いペースで奪われてしまったために、本来ノンストップで進めるはずのところでMCの時間を取ることに。喋る予定じゃなかったからか、ここの話運びはだいぶグダグダだった(笑)

 

後半になると疾走メロスピ成分はだいぶ落ち着くことになる。 バラード寄りの楽曲が続く構成となり、彩雨さんのキーボードの音色の麗しさ、煌めくように降り続く雨の影響もあって、どこか神秘的かつ幻想的なムードを醸し出す一幕になりました。

 

ライヴとしてのテンションは落ちたものの、こういう曲調だと自身の歌声のが聴き取りやすくなったのか、単純に喉が温まったのか、苑さんの歌のクオリティーが目に見えて向上。ビブラートを効かせた伸びまくりのロングートンに、艶やかな色気をプンプン放つ歌声が一層の魅力を放ちました。熱心に咲いていたバンギャの人たちも、この時間帯は彼の歌声に聴き入ることとなり、アクションもかなり静かになる。

 

ここからまたメタルバンドとしてのポテンシャルが花開くのが、名曲「夜明けは雪と共に」。そこらのバラードにまったく引けを取らないほどの美しさを誇りながら、爆走するドラムで見せてくれる美麗メロスピの決定版で、個人的にかなり好きな曲なだけにヘッドバンギングが捗る。メタルのライヴにはあまり相応しくないなぁと思っていた眼下に広がるペンライトの白光も、この曲のムードには合ってて良いですね。

 

そこからはノンストップで「光の雨」「六花」という、彼らの美点を濃縮させた必殺疾走ナンバーの連打。こうやって聴くと、現在の彼らがいかにメロディックメタルバンドとして、優れた楽曲を生み出せる存在であるかがよくわかりますね。ここでの三曲なんて、そこいらのメロスピバンドが作れたらバンドを代表するキラーに成りうるでしょうに。「六花」の大仰の盛り上がるシンフォニックサウンドは、いつ聴いても胸がときめく美しさ!

 

また、こういう疾走曲が続け様で投下されると、響さんのドラムのフィルインがとんでもないレベルにまで到達する。超速の手数を繰り出しながら、一発一発の音がしっかり粒が揃っていて、バカっ速い中にもグルーヴを感じられる。音でも見た目でも体感でも魅了する、凄まじいドラミングでした。

 

このまま終わっても十分に完成されたライヴだったとは思いますが、アンコールがかけられて再びメンバーがステージに登場。先ほどまでは黒一色のヒラヒラした衣装を着ていましたが(響さんは中盤でタンクトップになってたけど)、ツアーTシャツを着こんだラフな格好で、少し長めのMCの時間。

 

今までステージ袖から姿を見せず、たまにマイク越しでシャウトしているにとどめていた優介さんが登場。さすがにあいさつすると言ってて、姿を見せないままということはなく一安心。手が動かないというだけで体調はすこぶる良いと言ってただけに、たいした悲壮感などはなく、ファンも温かく迎えるムードに。

 

この日は彼の誕生日だったということもあり(なおのことパフォーマンスしたかったでしょうね…)、好物の蒙古タンメン中本のカップ面をピラミッドのごとく積み上げたオブジェ(?)を、バースデーケーキのようにプレゼントされる時間に。中本を抱える響さんと二人でステージ中央で祝福されたあと、カップ麺はギターアンプの上に配置される。なんかシュールだ。

 

そしてアンコール一発目は「「PHOENIX」を作った時にも思ったけど、バンドに危機が訪れたときからまた立ち直るためには、曲の存在が必要で。この新曲もまた、バンドの未来を明るく照らす光になってくれますように」と、新曲「AGONY」が披露される。去年の終わりごろにアルバムを出したばかりなのに、もう新曲を生み出せるとは、本当にこのバンドの曲作りのハイペースさは凄いですね。

 

そんな新曲、『六花』に収録されていたような、美しく煌めくメロスピ/シンフォニックメタルとはだいぶ異なるもので、ラップのようにまくしたてるヴォーカルからスタートし、ヘヴィリフに導かれるかなりダークな曲。こういう曲も彼らはたまにやるので、そこまで意外な路線ではないのですが、「バンドの未来を照らす曲」にしてはかなり暗くない?とは思ったかも。

 

やっぱり個人的な好みは、哀愁とポップが同居した光のメロスピだなぁと、アンコールラストの「GLORIA」を聴いて思いましたね。イントロのリフが鳴り響いた時点でテンションがグワッと上がり、疾走するドラムに合わせて思いっきりヘッドバンギングしてしまいました。壮大なサビはオーディエンスと共に合唱し、大会場を締めくくるにふさわしい一体感を演出する。

 

しかし、一体感のピークはこの曲ではなく、ダブルアンコールが行われた正真正銘ラスト「喝采と激情のグロリア」でした。去年のPURE ROCK JAPANでも圧巻の合唱を生み出した名曲中の名曲中の名曲ですが、今回は彼らのワンマン。クラブチッタよりも広く、かつ野外という環境でありながらも、あの時をはるかに超えるほどの大合唱をラストのサビにて巻き起こしました。最後の最後に素晴らしいハイライトだ。

 

このサビはそこそこのハイトーンを要求されるのですが、俺は頑張って源キーでしっかり歌ったよ!カラオケでもそこそこ自信持って歌える曲だからな!(どうでもいい)

 

 

こうして18周年記念ライヴは終了。結局最後まで止まなかった雨に打たれること3時間ほど。ベッショベショのまま帰ることになりましたが、幸いカゼは引かずに済みました。

 

MCで「今日晴れてたら”良いライヴだったな~”で終わったかもしれないけど、この雨のおかげで一生忘れられないライヴになったね」と言ってましたが、これはマジでそうかもしれん。フェスとかで雨に降られたことはあるけど、ここまで終始振られ続けることは今までなかっただけに。

 

そんな記念すべきライヴなだけに、5人そろった完全体のバンドの姿を観られなかったのは残念ではありますが、一番悔しいのは怪我した本人でしょうから、復活の時をしっかりと待つべきでしょうね。改修が終わった野音でリベンジすると言ってくれただけに、その言葉が現実になるのを期待しています。