- キング・オブ・エモを代表するアルバム
- ポップパンクからソフトバラードまで叙情性たっぷり
- エモ界最高峰のキラーチューン「Sweetness」
先日開催されたrockin'on sonic、感想記事にも書いた通り僕は2日目の1/5に行きました。
その日を選んだ理由はweezerがトリだからだったんですが、weezerを除いたバンドで一番観たかったのは、1/4出演だったJIMMY EAT WORLDだったんですよね。なんてったて"キング・オブ・エモ"でっせ。
ちょっと失礼なことを言ってしまうと、THE JESUS AND MARY CHAINとJIMMY EAT WORLDが入れ替わっていれば、2日目のGALAXY STAGEのメンツは文句なしだったんですよね。
まあ今更そんなこと言っても詮無い話。彼らの名盤をしっかりと聴いて、キング・オブ・エモの手腕を味わおうと思い立ち、ここ数日は本作をよくリピートしてました。
2001年に発表された彼らの4thフルアルバム。彼らの商業的なヒット作であり、M3「The Middle」のシングルは全米チャート5位にまで上昇するなど、名実ともに彼らの代表作とされています。
本作においてピックアップするとしたら、そりゃあもう何と言ってもM5「Sweetness」の存在でしょう!この曲の有無で本作の価値は大きく変わってしまうと言い切ってしまってもいい、そのくらいのキラーチューンです。
出だしのウォーウォー言うコーラスの時点で、すでに名曲級の輝きを放っていますが、さらに畳み掛けるように心の琴線を執拗に掻きむしってくるような、切なさ全開のサビ!泣きを纏いながらも力強く進んでいくこの旋律は、胸を焦がしながら歌わずにはいられない。
去年激ロック主催の洋楽限定DJイベントに行った時(渋谷で夜の10時から朝5時までブッ通しで音楽かけ続けるヤツ。名曲ばかりで楽しかったけどさすがに疲れたよ)、激ロック代表のムラオカさんがこの曲をかけてたんですが、その時に改めて「この曲マジで良いよな...」としみじみ思いました。一発で心を打ち抜く即効性がありますからね。
個人的にはこのM5が飛び抜けた名曲で、その他の曲はよくできた佳曲という印象がついてしまっているのですが(それだけ「Sweetness」が素晴らしいということです)、つまらないような瞬間はなく、ポップなんだけどどこか甘酸っぱく、爽やかで切ないメロディーが支配的。50分くらいあるから少し冗長に感じなくもないけど、どの曲を抜き出してもシンプルに良い。
エモというよりはポップパンク的で、ヴォーカルもがなり気味なM1「Bleed American」から気持ちよく始まり、ラストにかけて流れるフレーズが実にエモ的な切なさを含んだM2「A Praise Chorus」が良い掴みになる。
M6「Hear You Me」のようなバラードも、アコギや女声コーラスを用いて非常にセンチメンタルで儚さMAXの美しさに仕上げてるのがニクいところ。その後に続くM7「If You Don't, Don't」も、爽やかなキャッチーさが耳について離れなくなります。M9「Cautioners」も、美麗なクリーンギターとコーラスが絡む様が「これぞエモ!」って感じの染み渡る哀愁を演出していますね。
まあ、いろいろ良い曲があってメロディー派リスナーなら聴きごたえがある作品に仕上がってるとは思いますが、やっぱり「Sweetness」のインパクトに勝るものはないかなぁ。
とりあえずエモのメロディアスさが好きな人(そんな人はとっくに聴いてるはずだが)は聴いといて損はないです。「Sweetness」メッチャ良いよ!
個人的に本作は
"ポップパンク要素も含ませつつも、叙情エモの王道を高いレベルで実現させている。何はともあれ「Sweetness」を聴こう"
という感じです。