ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

Bloodbound 『Creatures Of The Dark Realm』

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  • 超オーソドックスで高レベルなヨーロピアンパワーメタル
  • キャッチーなキーボードとギターソロが魅力
  • ミドル〜疾走曲までハズレ無しの力作!

 

Evoken Fest 2019にて来日公演も行ったことのある(僕が観に行った日には出演しませんでしたが)スウェーデン出身の正統派パワーメタルバンドの最新作。

 

以前より名前は知っていて、正統的でキャッチーなパワーメタルを好む自分には合いそうだとは思っていたものの、実はアルバムをしっかり聴くのは本作が初めてだったりします。

 

ジャケットがKREATORとかでも通じそうな邪悪なものだったり、メンバーがブラックメタルみたいなメイクを施していたり、ヴォーカルのパトリック・J・セレピーに至っては、鬼のように二本のツノが生えているという、およそ正統派メタルバンドにはあり得なさそうなビジュアルだったりと、どうも見た目とサウンドのイメージとの乖離が大きいなと思いますが、やっていることは極めて安定、かつ高品質なヘヴィメタル

 

基本的にはアップテンポの曲でアルバムをリードし、要所要所で必殺のスピードナンバーをお披露目、そしてヨーロピアンメタルバンドらしい勇壮かつキャッチーなメロディーが支配的という、この手のパワーメタルとしては理想的とも言えるバランス。これは予想以上の出来栄えでした。

 

特に際立った技巧を披露しているわけではありませんが(むしろ技巧に頼っていないのがいい)、メタルの生命線であるギターは、終始馬力あふれるメタリックなリフを刻み、ギターソロもメロディアスさ重視で勢いもバッチリ。特にM6「Death Will Lead The Way」の哀愁に満ちた劇的メロを疾走させるソロがたまらん!

 

あと特に良いなと思ったのがキーボードですね。ソロパートがあってバリバリに前に出てくるとかではないんですが、透明感あふれる音色で叙情美あふれるメロディーを終始バッキングで流している。これが過剰に暑苦しくなることを防ぎ、かつサビ以外のパートでもメロディアスさが損なわれずに、平坦に聴こえることがない。良いセンスしてます。

 

M2「Creatures Of The Dark Realm」やM5「Eyes Come Alive」、M11「Face Of Evil」のような、"THE・ヨーロピアンパワーメタル!"な楽曲の出来が良く、前述のM6、M9「The Gargoyles Gate」のような疾走曲の高揚感は素晴らしいの一言。ラストを飾るM12「The Wicked And The Weak」も、イントロやサビの疾走感が気持ち良く、Aメロ〜Bメロに至る雄大なスケールもインパクト大の名曲。

 

彼ららしい個性みたいなものはぶっちゃけあんま無い、オーソドックスなパワーメタルのスタイルではありますが、"普通のヘヴィメタルをしかとした高いクオリティーで聴かせる"ことができるバンドってなかなか貴重ですよね。彼らの実力は本物です。

 

劇的でキャッチーな正統派パワーメタルの王道を、疾走曲からミドル曲に至るまで貫き通した強力盤であると言えましょう。全体的に高水準でよくまとまっているアルバム。

 

 

個人的に本作は

"ヨーロピアンスタイルの勇壮なキャッチーさに満ちた、正統派パワーメタルの王道にして秀作"

という感じです。

 


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ScreaMachine 『ScreaMachine』

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  • ジャケの雰囲気に違わない正統派一直線のサウンド
  • 重厚なヴォーカルとメタリックな演奏はなかなか良き
  • やや退屈な瞬間もチラホラ

 

スクリーマシーン!!

すごいバンド名です。しかもジャケットは炎に包まれて、帯には"このマシーンには、ヘヴィ・メタルの魂が宿っている。"と来たもんだ。そりゃ興味持つってもんですよ。

 

彼らScreaMachineは2017年に結成されたイタリアの5人組。メンバー自身はまっさらな新人というわけではなく、STORMLORD、KALEDON、LUNAR SEA、AGONY AND ECSTASYといったバンドで活動していたそうです。

 

.........うん、KALEDON以外全くわからん(笑) ライナーノーツに"ブックレットの写真を見て、見覚えのあるメンバー達に気づく人もいるかもしれない"という記載がありましたが、それに気づくことができる人は、恐らく重度のメタルマニアくらいだと思うの。

 

「KALEDONにいたメンバーが在籍するイタリアンメタル」という言葉から想起されるであろう、所謂クサメタルのような印象は全くありません。ジャケットや帯の文句から受けるイメージを損なうことのないスタイル、つまり正統派ヘヴィメタルの王道中の王道をひたすらに貫いているもの。ヘヴィメタル、それ以上でもそれ以下でもない。そんな音。

 

Judas Priest直径のメタリックなリフでアップテンポに展開し、低音域のロブ・ハルフォードのような重厚なヴォーカルにより歌われる様は、混じり気の無い純度100%の鋼鉄サウンドです。

 

正直ジャンルの細分化が進みきってしまっている2021年においては、あまりにも普通すぎるメタルなのですが、こういうピュアメタルだからこそ良い!と感じる人は結構多いと思います。硬派一徹のメタルヘッズには喜ばれるのではないでしょうか。むさ苦しいまでに熱き正統派を貫く姿勢は頼もしい限りです。

 

ただJudas PriestやACCEPT、Primal Fearといった、同じく正統派を貫き通す先輩バンドに比べると、メロディーのフックの設け方や、演奏からみなぎるパワーやオーラのようなものは正直まだまだ。要精進といったところ。まあ比較対象が大御所すぎるので、それが当たり前っちゃ当たり前なんですが、シンプルなピュアメタルをやる限り、どうしても小細工は効かないですからね。

 

M2「The Metal Monster」の疾走感あふれるギターソロはなかなかカッコよく、バンド名を冠したM10「Scream Machine」もアップテンポの正統派として充分な完成度を持つ佳曲。正統派好きの熱きメタルヘッズには喜ばれるはず。

 

M5「Mistress Of Disaster」やM6「52 Hz」のようなポップなメロディーが強い曲は、やや硬派なサウンドから浮いて聴こえ、M7「Wisdom Of The Ages」のようなスロー曲はあまり面白みがなく退屈。M9「Dancing With Shadow」はイントロの大仰なツインリードで「イイぞ!」と思わせてくれるものの、その後はやや淡々としたミドルチューンになってしまう。勇壮なムードは良いんだけど、イントロの勢いのままパァーンと駆け抜けてほしかった。

 

マイナスに感じられる点も多く、決して名作とは呼べないかな。ただ演奏やヴォーカルは一定の水準は担保されているし、M2やM10のような佳曲の存在、そして不純物一切なしの潔いサウンドの印象は悪くない。正統派大好きのメタル野郎にはどこかしら響く瞬間はあるかと思います。

 

 

個人的に本作は

"Judas Priest直径の熱き正統派ヘヴィメタル。熱量は充分なので、楽曲全体のクオリティーアップを求ム"

という感じです。

 


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ARION 『Vultures Die Alone』

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  • 演奏もヴォーカルも程よくパワフル
  • キャッチーにまとめ上げてる分突出した印象は無し
  • 母国ミュージシャンのゲスト参加曲が良き

 

フィンランドヘルシンキ出身の、正統派パワーメタルバンドの3rdフルアルバム。

 

2011年の結成時点でメンバーはまだ高校に通っていたらしいので、年齢的には僕とほぼ変わらないという、世代としてはだいぶ若手に当たるバンド。しかしここ日本でもLOUD PARKを含めてライヴを行ったことがあるなど、着実にキャリアを積んできているようです。

 

前作『Life Is Not Beautiful』でフロントマンの交代劇があり、本作はその布陣になってからの二作目。

 

音楽的には、所々にシンフォニックな味付けを施しつつも、そこまでガチなシンフォニックメタルにはならず、アップテンポで軽快に駆け抜ける正統的なメロディックメタル。ヴォーカルがなかなかワイルドでハスキーな声をしており、演奏も破綻なくタイトにまとまっている。クオリティーはしかとしたものがありますね。聴いてて気持ちいいナイスなサウンドだと思います。

 

フィンランドのメロディックメタルといっても、SONATA ARCTICAとか STRATOVARIUS系統の透明感あふれるメロスピサウンドとは異なり、彼らにはそこまで国民性は感じられない。普通に歌がキャッチーで演奏がパワフルな、良質のヘヴィメタルとして楽しめます。疾走感はさほどでもないけど、リフにしっかりメタルらしい攻撃性が伴っているのがまずイイ!

 

M1「Out Of My Life」からいきなり叩きつけるようなアグレッシヴなリフがお出迎え。サビはさほどフックがあるというわけではないのですが、オープニングナンバーとしての勢いは悪くない。

 

 BATTLE BEASTのノーラ・ロウヒモが参加したM3「Bloodline」やスザンナ・アレクサンドラ(まったく知りませんでしたが、Cyan Kicksというフィンランドのバンドの女性ヴォーカルだそうです)とのデュエット形式であるバラードM5「In The Name Of Love」はゲスト参加云々抜きにして、良質のキャッチーさあふれるサビが魅力的。

 

特に気に入ったのはM4「I'm Here To Save You」ですね。この曲の歌メロが一番エモーショナルかつとっつきやすくてクール。緊迫感を与えてくれるイントロや、淡々としたAメロの導入部分もイイ感じ。

 

あとはM7「I Love To Be Your Enemy」やM9「I Don't Fear You」のようなアグレッシヴな側面が強い曲においても、もう少しメロディーを豊かにしてくれるとなお良かったかな。

 

突出した要素やド派手さがあるわけではないのですが、メロディアスなメタルが好きならば十分に気に入るであろう手堅い1枚だと思います。疾走キラーが1曲あったらもう少し印象が良くなったかも。

 

 

個人的に本作は

"ヴォーカル主体のキャッチーな歌モノパワーメタル。飛び抜けた要素はないけど、全体的に高水準"

という感じです。

 


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メインPCとして人生初のMacBookを購入しました

小学生の頃、初めて家族共用という形で自宅にパソコンが来たときから、ず〜〜っとWindowsユーザーでした。

 

パソコンというものは基本的にWindowsMacという別種類のやつもあるけれど、基本的にはWindowsデファクトスタンダード。それ以外のパソコンは全てマイナー極まりないやつ。いつの間にか僕にはそんな固定観念じみた考えが根付いていたのです。CentOSLinuxUbuntu?なあにそれ?そんな感じ。

 

そして大学生になって自分専用のノートPCを購入した時ももちろんWindowsヤマダ電気で店員さんに勧められるまま購入したWindows10を今までずっと使用してきました。

 

しかし心の奥底には別PCへのちょっとした憧れの感情が。あのスタイリッシュでシンプルなデザイン。薄型で邪魔にならないスマートさ。あのPCもちょっと興味あるな〜〜という考えが、少しずつ頭の中を駆け巡り出していきました。

 

そして今年に入って(以前からずっとではあるが...)、いよいよWindows PCの動作が本格的に重くなってきた。Chromeを立ち上げればすぐフリーズ。DVDもBlu-rayもやたら再生されない、更新プログラム適用前はディスク使用量100%は当たり前。「Windows10 軽量化」でググった結果を試してみても、それほど大きな結果は得られず。だんだんPCのあまりのトロさに苛立ちが募る。お前、Chromebookの立ち上がりの速さと動作のスムーズさ見習えよ...と。

 

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かなり重ためのWindows PC

 

ひょっとしたら、今この時こそが買い替えのチャンスなのでは?という声が脳内に響き渡ることに。6月は半期のボーナスが出る時期でもあるし、この機を逃したら、またしばらくずっといつまで経ってもアプリを起動できないPC相手に格闘することになるかもしれない。

 

そんな考えがついに弾け、とうとう購入してしまいました。

 

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これこそが......

 

 

 

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密かに憧れを募らせていたブツ......

 

 

 

 

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人生初のMacBookです。

 

 

そう、リンゴのやつ。

 

以前から憧れはあったけれど、「自分が使いこなせそうもないし」「イケてる大学生とかが使うヤツだし」「10万も20万もするなら、普通に安いWindowsの方が良いのでは」と、今まで先延ばしにしていた購入をついに決心したのです!!

 

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画面上に思いっきり天井の梁が映っているのは気にするな

 

パカっと開いたらすぐに画面が点灯。AppleIDなどの初期セットアップを済ませて、ガチャガチャといじり始める。

 

やっぱりWindowsの操作に慣れてしまっているため、細かいところで操作感の差異を感じてしまう。これはまあしょうがないところですよね。使い続けて慣れるしかないでしょう。

 

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ただキーボードの打鍵感はとても良い感じだし、起動の速さ、アプリの立ち上がりの速さなどの使い心地は全く問題なし。

 

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インターネットもしっかり無線LANが繋がりました。サイトの表示もちゃんとできてるし、ウチのブログも問題なく閲覧可能。このブログ記事も早速MacBookで書いてますよ。

 

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サイズ自体は今まで使ってきたWindowsのノートPCと比べてだいぶコンパクトなんですが、ベゼルがかなり細いので、画面がこぢんまりしたような印象は全くなし。

 

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ちょっとマイナス点かと思われるのは、端子がUSBのタイプCが2つのみというところ。普通のUSBは挿入できないため、これは新たに端子を買ってやることでしのぎました。

 

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これで今まで使用していたマウスも使用可能。DVDドライブも普通に繋ぐだけで使えました。

 

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以前のPCではWinDVDの起動を待たなきゃいけなかったのですが、速攻でDVDが見られるのは地味に嬉しい。ただBlu-rayには対応してないみたいなので、PC上で見たい場合は専用のソフトをインストールしてあげるのがいいみたいですね。まあテレビで見りゃいいだけだからいいんだけど。

 

iPhoneと共通している部分も多いため、特に「初めてのMac」みたいなページは見なくとも、とりあえず直感的に操作できてます。今後はメインのPCをコイツにして、ちょっとだけサクッと使いたい時とか、外出時のお供はChromebook、今まで使っていたWindows10はCDをiTunesに取り込み、iPodと同期させるための機器として使っていこうかと思っています。

 

しかしこの高級感あふれるフォルム。これを使ってタイピングしているだけで、なんだか自分のITリテラシーが上昇したような気がするから不思議だ。

 

Northern19 『FROM HERE TO EVERYWHERE』

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  • 表現力に幅を持たせてレベルアップ
  • ガムシャラ加減は良くも悪くも少し落ち着いた
  • イントロ後のオープニング2曲でK.O.!

 

前回3rdアルバム『SMILE』について書いたため、ノーザンのフルアルバムで触れてないのが2ndだけになりました。それだけ抜けてるのもなんか気持ち悪いので、さっさと取り上げてしまおう。

 

1stアルバムの段階で高クオリティーの哀愁爆走メロコアを提示し、インディーズシーンでスマッシュヒットを飛ばしたNorthern19

 

なまじヒットしたがために、次作へのプレッシャーは少なからずあったと思うんですが、最初に出した作品は注目されたけど、その後は大した楽曲を作れずに尻すぼみ…なんてハイプみたいなことには陥っていません。彼らの実力の高さをしっかりと証明してみせる充実作といっていいでしょう。

 

前作は若さ、青さに任せた勢いが迸り、ストレートに駆け抜ける印象の強い作品でした。本作はその大筋はそのままに、楽曲における表現力が増している。バリエーションが(良くも悪くも)豊かになっています。

 

後発のアルバムでも頻繁にプレイされる、キャッチーなロックンロールタイプのM8「ALIVE」、長編バラードのM10「SLOW」といった曲は前作には無かった要素だし、M7「HOLIDAY OF THE SUMMER VACATION」の郷愁とも呼べるような風趣に富むメロディーは、哀愁爆走一辺倒路線では生まれ得なかったはず。

 

 ただその代償として(そんな大げさなモンでもないけど)、前作にあった「初期衝動」とでも呼べるような、ガムシャラな勢いは全体的にやや減退。サウンドの横幅が広がったと言えば聞こえはいいけど、メロコアというジャンルの音楽においては、勢いを抑えてまで幅を広げることが必ずしも良いこととは言えないだけに、ここは若干評価が分かれやすいかもです。

 

また音質もあまり良好とは言い難いです。前作も良いとは言えなかったのですが、良くないなりにギターの音が割れんばかりにデカく目立ってて、それが迫力として作用してた分、本作の攻撃力は相対的に弱めに感じられる。そんなわけで僕は本作より1stの方が好きかな。

 

とまあ、ちょっとネガティヴなことも感じつつ、上述の通り彼らの楽曲の基本線は大筋ではブレていません。切ないメロディーの質は変わらず良いまま、疾走チューンのカッコよさはさすがとしか言いようがない。

 

特に弾き語りによるイントロM1「THE DEPARTURE」からノンストップで続くM2「HEARTBREAKER」、そこからまたさらに間髪入れずに爆走するM3「TRYOUT」の流れは極上モノ。M2の速弾きギターソロはメタルの息吹を感じさせるほど熱く、サビの爆発力は一級品。M3の叙情性抜群のヴォーカルメロディーが、バカッ速いドラムに乗せられて突き進む様には嫌でもエキサイトさせられる。ド頭からアルバムを代表するキラーチューンが続けざまに投下されるのは、最高の聴きごたえですよ。

 

1分未満の短さの中で怒涛の疾走感とノーザンらしいメロを詰め込んだM5「I'M SORRY」、ポップなのにどこか切ない憂いを帯びたサビの歌メロ、熱く弾き倒されるギターソロが気持ちいいM9「DRAW MY WORLD」、本作中最も哀しさに満ちたエモーショナルなメロが聴けるM12「REMAINING FALL」など、やっぱり彼らの爆走チューンにハズレ無し。

 

少し音楽性に拡散志向を見せ出し、前作で聴かせた哀愁のメロディーセンスにはさらに磨きがかけた充実の一作。キラーチューンの破壊力は前作以上とすら思えますね。

 

 

個人的に本作は

"表現力の幅を広げつつも、得意の疾走感はちゃんと据え置き。疾走キラーの完成度もさらに高めることに成功した一作。

という感じです。

 


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Northern19 『SMILE』

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  • 従来の叙情性にうまく絡めた"喜"の要素
  • 疾走曲の快感指数ががべらぼうに高い
  • 音質や演奏技術面が目に見えて向上した名盤

 

前のHER NAME IN BLOOD解散の報を受けて書いた記事がブログを始めて以来、一際たくさんのアクセス数を出しています。やはりセンセーショナルな話題は注目を浴びるもんですね。

 

普通であればたくさんの人が見に来てくれることに対して感謝するところなのですが、いかんせん話題が話題なだけに、素直に喜べないのが辛いところです。

 

それにいくら注目されやすいとはいえ、ポジティヴでない話題がずっとブログトップに鎮座しているのはあまり気分の良いことではありませんからね。早いとこマイナスの感情を払拭してくれるようなアルバムについて書くことにしました。

 

国産パンクシーンにおける実力派として、メンバーチェンジを経つつも、長きに渡り活躍している3ピースメロディックハードコアバンド・Northern19。彼らが2010年に発表した3rdフルアルバム。

 

シーンに鮮烈なインパクトを与えた哀愁疾走メロコアの宝庫である1st『EVERLASTING』、そこで提示した強みを引き継ぎ、楽曲の幅を押し広げた2nd『FROM HERE TO EVERYWHERE』、そんな2枚のアルバムから、さらに楽曲のランクを一段階押し上げることに成功したのが本作。

 

『SMILE』というタイトルが示す通り、全体を通して感じられるのは陽の雰囲気。前2作が喜怒哀楽で言うところの"哀"が強い作風だったのに対し、どことなく"喜"のエッセンスが増量されています。

 

もちろんそれは「底抜けに明るい能天気ポップパンクになった」なんていう事ではなく、あくまでエモ的な哀愁がメロディーの根幹。そこへさらに温かみのあるポップさが大きく追加されています。

 

キレのあるギターリフと共に爆走しまくる突進力も一切失われておらず、疾走大好きコアキッズが肩を落とすなんてことも起こり得ない。メロコアとして、攻撃性と叙情性が理想的なバランスで混ざり合っています。前2作も充分な名作ではありますが、楽曲としてのクオリティーの高さは本作で一皮剥けたなと感じますね。音質もより整合感を増したものでクリアになっている感じ(スネアドラムの音はもう少し目立たせてほしいけど)

 

ストリングスの音色から始まり、ジャキジャキとリフが切れ込んできて爆走するM1「WE'LL BE ALRIGHT」は、哀愁を持ちながらもピースフルという、本作の路線を象徴する名曲。

 

M2「NEVER ENDING STORY」はライヴアンセムとしてもお馴染み。夏の郷愁を感じさせる、少し哀しくも温かなヴォーカルメロディーがたまらなく心地良い疾走ナンバー。この爽快感がある中にも、どうしようもなく切なく響く旋律は秀逸の一言です。バックで軽やかに鳴るアコギもポイント。

 

まるでネオクラ様式美かと言いたくなるほどの劇メロをギター、ヴォーカル共に発散する劇的疾走曲M4「RED FLOWER」、"スラッシュメタル meets メロディックハードコア"と形容できるアグレッシヴなM8「SLAVE TO ROCK(歌詞が最高すぎるので是非和訳に目を通してください/笑)、ノーザンの王道を行く叙情疾走ショートチューンM10「WE ARE」、一層リフの切れ味に磨きがかかったM13「LOSERS WIN LAST」など、疾走曲の完成度は素晴らしいもので、グッドメロディーがスピーディーにブチ込まれる快感指数の高さは尋常ではありません。

 

そして疾走感を押し出していない楽曲でも、キャッチーなシンガロングと速弾きソロでテンションを底上げするM3「TRUTH」に、とことんポップにアルバムコンセプトを描くリードトラックM5「SMILE FOR PEACE」、小気味よいヴォーカル運びが非常にキャッチーなロックロールナンバーM7「ALL I WANT IS YOU」など、耳を引くメロディー、心地よいコーラスが目白押し。スピードを抑えても退屈させないソングライティングの妙が光ります。

 

全15曲と、この手のアルバムとしてはややボリュームのある構成ですが(それでも40分くらいだけど)、彼らの優れたメロディーセンスに、さらに向上した演奏技術と音質、爆走しまくる楽曲の完成度によりダレる瞬間は無し!メロコアというジャンルにおいて特に高いクオリティーを提示して見せた、まさしく名盤と言える内容です。

 

Northern19の最高傑作は?という問いには、1stか最新作の『LIFE』かでちょっと迷いますが、やはりコレを挙げるかなあ。

 

 

個人的に本作は

"前2作の哀愁爆走路線にポップさをうまく絡め、技術・音質・メロディー全ての面でクオリティーUPに成功した1枚"

という感じです。

 


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HER NAME IN BLOOD 解散

先日、こんなツイートをしました。

 

 

 

新型コロナの影響でまだまだ不安定な時代ですが、そんな中にも確実に楽しいワクワクする未来が待っている。そんな期待感を持っていました。

 

しかし、本日発表されたこのニュース。悲しみに打ちひしがれましたよ...

 

www.hernameinblood.com

 

日本が誇るメロディックメタルコアの実力派・HER NAME IN BLOODが解散を発表しました。7月4日の渋谷clubasiaのライヴが最後のステージになるとのこと。

 

つい先日最高のライヴを観せてくれたバンドが、これからも素晴らしい音楽を作ってくれると期待していたバンドが、あと1ヶ月もしたら解散する。この現実はちょっと受け止めるにはキツイです。

 

解散について公式サイト上では「メンバー5人それぞれの持つ将来へのビジョンの違いを確認し、各々が前に進むためこれがベストな決断」としています。まあよく言う「方向性の違い」というやつなのでしょう。

 

日本のメタルコアといえば、現在はCROSSFAITHやCRYSTAL LAKE、GraupelにHONE YOUR SENSE、Earthists.など、エクストリームだったりモダンだったりといったバンドが大半。

 

そんな中、正統的なメタルの色も強く打ち出し、充分にエクストリームなんだけど、正統派メタルとしての旨味も感じさせるこのバンドの存在は本当に大きかった。"和製KILLSWITCH ENGAGE"とさえ呼べるような、このタフでマッシヴなメロディックメタルコア一直線の姿勢。初期のデスコア時代が好きだった人には「ヌルくなった」と感じるかもしれませんが、僕の好みのポイントにはズバッとハマったのです。現時点での最新作『POWER』なんか、2018年のベストアルバムに選出したくらいですから。

 

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先日のライヴ感想でもチラッと書きましたが、僕が今まで観てきたライヴの中で最も多かったのが彼らなんじゃないかと思っています。先の名作『POWER』のツアーファイナルへ、仕事終わりにアクシデントに見舞われながらも駆けつけたり、狭小なライヴバーで演奏をメチャクチャ近い距離で観たり、大きい会場でサークルピットに加わって思いっきりズッコケたり...

 

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そんなバンドがあと1ヶ月で解散。ムキムキの巨体から圧倒的な存在感を放つIkepyさんも、危険なルックスで毒と華を振りまきながらソロをかき鳴らすDAIKIさんも、サイコなMCで笑わせつつヘヴィなリフを叩きつけるTJさんも、クリーンとシャウトを使い分けてメロウな歌を強靭なものに変貌させるMAKOTOさんも、華奢な体からは想像もつかないド派手なプレイで圧倒するMAKIさんも、もう観られなくなってしまうとは。

 

もちろん個々でこれからも音楽活動を続けるメンバーはいるのでしょうし、今後新しい形で演奏する姿を観られる可能性もあります。しかし、この5人が揃ってステージに立つ光景は叶わない。それがすごく悲しい。ただただひたすらに悲しい。

 

7月4日、HER NAME IN BLOODのLAST DAYとなる日。声が出せない、密集したモッシュピットが作れないなどの制約こそあるものの、5人のBAKEMONO達が最大級に暴れまわれる日になることを願っています。

 

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