ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

Paledusk 『PALEHELL』

  • 様々な音楽性をブッ込んだ個性的すぎるサウンド
  • ヘヴィさと共存する超ポップなメロディー
  • 再生時間は短いのに中身は超濃密

 

初期は割りかし普通のモダンメタルコア/ポストハードコアバンドだったものの、ある時期を境に大きく音楽性が変容、デジタルサウンドやヒップホップ、トラップなど異ジャンルの音楽を臆面もなくブッ込むようになり、唯一無二の超個性派ヘヴィロックをプレイするようになったPaleduskの新作EP。

 

このバンド、何年か前にYouTubeでMVを見た時は「ああ、よくいるポストハードコア系ね」くらいしか思わず、特に掘り下げようともしなかったので、たまたまシングル「HAPPY TALK」を耳にした際は面食らいましたね。「え!何コレ!?」って。

 

そんな尖ったセンスが評価されたのか、BRING ME THE HORIZONやリル・ウージー・ヴァートといったアーティストの楽曲制作に、ギタリストのDAIDAIさんが携わることになったのもよく知られているところです。

 

ここ近年色々な楽曲をデジタルシングルとしてリリースしてきましたが、ここにきてフィジカル音源がようやく発表されました。このバンドがCDリリースするのって、結構稀みたいですね。

 

本作はリリース済みのデジタルシングルに新曲をプラスした全7曲、20分ちょいのコンパクトな1枚。曲ごとの時間も短いので、聴き疲れることなくサッと聴き通せるのですが、短い中にもバンドの個性がとんでもないくらい濃密に詰まっていて、非常に面白い作風に仕上がっているなと。

 

オープニングのM1「PALEHELL」は、モダンで密度の高いヘヴィサウンドで攻め立てるも、サビに当たるメロディーは、ポップと言い切ってしまえるほどにキャッチーで、聴けば1発で覚えてしまうのでは。

 

先行配信されたM4「RUMBLE」は、聴き手を置いてけぼりにしてしまうほどとカオスに振り切った変態的展開を経て、大きなスケールを描くコーラスへと至る様が非常にドラマチックな名曲。中盤の山場として充分以上に機能しています。この曲のMVを最初見た時のインパクトはデカかったな〜。1曲の中に収まる情報量じゃないもん。

 

M5「I'm ready to die for my friends」は、モダンメタルコアファンキーモンキーベイビーズが歌ってても違和感ないようなJ-POPメロが絡むという、ありえないファンタジーが実現したような奇天烈な楽曲だし、ラストのM7「Q2」は、パワフルなシャウトで畳み掛ける疾走曲ながら、ハードコア/メタルコアとしてはありえないほど希望に満ちたメロディーが支配的。CROSSFAITHのKoieさんがさすがのスクリームを披露しているのですが、怒りとはまったく違うポジティヴな感情が表出しています。

 

メタル、ハードコア、テクノ、ヒップホップ、J-POP、トラップなどなど、貪欲かつ何でもありの闇鍋的サウンド。普通ならヒッチャカメッチャカになってしまいそうですが、非常にキャッチーなメロディーを用いて、うまく1曲にまとめあげた手腕が活きており、十把一絡げなメタルコアとは完全に一線を画していますね...。好き嫌いは別として、衝撃度はかなりのものでしょう。

 

音楽性はかなり尖っているものの、前述したように聴き疲れを覚えたりすることはなく、これはひとえに音楽の根底にキャッチーさがあるからかな(それ故に「ポップすぎて受け付けない」という人もいると思いますが)

 

日本のメタルコア/ハードコアシーンでは、今やかなりの数の実力派バンドが現れていますが、こと"個性"という点においては、このバンドが抜きん出ているのではないでしょうか。ここまで各曲がキャラ立ちしまくってるメタルコアは、他を探してもそうそう見つかるもんじゃないと思います。

 

ここまでやりたい放題やっておいて、いまだに「作曲・編曲のアイディアが枯渇する気配がない」と言い切るソングライターのDAIDAIさんって、ひょっとして天才なのでは?

 

 

個人的に本作は

"短い中にありえないほどの音楽的エッセンスが詰め込まれた、超個性派エクストリームミュージック。どれだけカオスになっても根底にはキャッチーさがある"

という感じです。

 


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DIR EN GREY 『19990120』

  • 25年前のデビュー作リメイク
  • 初期ヴィジュアル系ロックを色濃く残すアレンジ
  • 「残」のみ近年のヴォーカルワークを混ぜ込んだ仕上がり

 

世界を股にかけるヘヴィロック/エクストリームメタルバンドとなったDIR EN GREYが、メジャーデビューから25年を経て発表した最新シングル。

 

1999年にX JAPANYOSHIKIさんプロデュースのもと、『ゆらめき』『残 -ZAN-』『アクロの丘』の3枚のシングルを同日発売することでメジャーデビューした彼ら。本作はそのデビュー日をそのままタイトルに冠し、表題曲3曲をリレコーディングした内容となっています。

 

一時期「残」「羅刹国」「OBSCURE」など、過去の楽曲を大きく形を変えて、狂気性を大幅に増したエクストリームナンバーにリメイクしていましたが、本作に収録された楽曲群は、そこまで様変わりしているわけではなく、概ね原曲の姿を踏襲したアレンジに仕上がっている印象です。

 

フィジカル音源としての前作『PHALARIS』では、ヘヴィで狂気的でありつつ、深淵な世界観がどこまでも広がっていくような味わい深い傑作でしたが、本作の音はそこまでがっちり作り込まれている感はなく、良くも悪くも初期のヴィジュアル系ロックの色が表出しています。バンギャの方にとってはこういう音の方が馴染みやすいのかな。

 

僕個人としては唯一無二の孤高のヘヴィロックを貫いた作風の方が好きなんですが、本作のような音も、これはこれで肩肘張らずに聴きやすい。聴く上での消費カロリーは少なめで済むかと。

 

M1「ゆらめき」とM3「アクロの丘」は、原曲の雰囲気を強く残した仕上がり。現在のエクストリームサウンドが定着した彼らが、こういった曲をプレイするのは何だか新鮮に感じますね。ヴォーカルにヴィジュアル系特有の癖が薄らぎ(無くなったわけではない)、M3については途中の語りやラスト1分くらいの静かなパートが無い分、結構聴きやすくなりました。

 

M2「残」は、バッキングのサウンドはヘヴィさの少ない、初期の頃を思わせるような感じですが、ヴォーカルパートは近年の京さんらしい狂気的な歌い回し(叫び回し?)で占められていて、ラストのサビは低音グロウルも登場。初期の「残 -ZAN-」と、リメイク後の「残」を折衷させたような具合ですね。ヴォーカルが若干引っ込んだように聞こえるのが気になりますが。

 

全体的に、ヴィジュアル系時代が好きだった人向けのアレンジが施されているので、『UROBOROS』以降の圧倒的な個性とオーラを纏った姿が好きな人(僕もそっちです)には、ちょっと軽いと感じちゃう出来かもしれませんね。

 

この作風については、メジャーデビィー当時の姿をある程度再現するという目論見があってのことだと思われます。早くも発表された次なる新曲「The Devil In Me」は、現在の彼ららしさを煮詰めた楽曲になるのでしょうか。それとも本作の「残」のような、過去と現在を融合させたような形になるのでしょうか。

 

 

個人的に本作は

"過去のヴィジュアル系ロック路線を、大きく変化させずに現代に蘇らせた一作。強めの癖が和らいだこともあり、全体的に聴きやすい仕上がり"

という感じです。

 


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Judas Priest 『Screaming For Vengeance』

  • ブリティッシュヘヴィメタルの真髄を打ち出した
  • ヘリオンが降り立つ、メタル史上最も有名なオープニング
  • 圧巻の完成度を誇るタイトルトラック

 

今年に新作の発表も控えている(先日公開された新曲、メッチャ良かったですよね)、メタルヘッズなら誰もが知る鋼鉄神・Judas Priestの8thフルアルバム。1982年発売ですから、もう40年以上前なんですねコレ。

 

ここ最近のこのブログは、パンク系統のCD感想が多かったりしたので、ヘヴィメタルの成分をちょっと濃くせねばならんと思いましてね。正統派メタルの名盤と称される本作を、久方ぶりにCDラックから取り出して聴き返しております。

 

前作『Point Of Entry』はアメリカでのブレイクを目指して作られた一作だったものの、従来のファンからは不評だったそう。Wikipediaの記載ではアメリカでもそこまで商業的成果は上げられず(失敗と言うほどでもないようですが)、SLAYERのケリー・キングは、本作の出来に憤慨し、レコードを庭で焼き払ったなんてエピソードもありました。やることが豪快すぎる。

 

その反省が活かされているのか、本作に収録された音は、Judas Priestという名に求められている"ブリティッシュヘヴィメタル"という姿を創造することに重きが置かれているように感じます。

 

まず本作を語る上で欠かせないのは、オープニングとなるM1「Hellion」、そこからシームレスで繋がるM2「Electric Eye」の流れでしょうね。太陽の守護神・ヘリオンが降り立つ様を描くドラマチックなイントロは、これから始まる音世界の期待感を膨れ上がらせるのに、120%機能している導入です。

 

メタリックなリフと、ロブ・ハルフォードの厳かなヴォーカルにて展開されるM2で堂々たる正統派メタルを繰り出したあと、そこからさらにギアが上がる。怒涛のドラムから切れ味鋭いリフを叩きつけ、タイトル通り風に乗っているかのような爽快感を醸し出すM3「Riding On The Wind」へと移行する流れもお見事。この曲もまた、ロブのハイトーンと軽快なテンポが組み合わさっていてカッコいいんですよ。軽快とはいえ、しっかりメタルとしての重厚感あるギターが荒ぶっているのも良い!

 

このオープニングのインパクトの強さが、どうしてもアルバム全体の印象を作り上げてしまい、その他の曲のお株を奪ってしまっている感はありますが、これら以外にも妙にクセになるギターフレーズとヴォーカルが印象深いM4「Bloodstone」、ザクザクとしたリフが反復される様が一見地味な印象ながら、絶妙なノリの良さに引き込まれるM8「You're Got Another Thing Comin'」のような良曲が目立ちます。

 

そして何と言っても、タイトルトラックであるM7「Screaming For Vengeance」ですよ!この曲が持つダイナミズム、メロディアスさ、鬼気迫るヴォーカルパフォーマンスは、これぞブリティッシュヘヴィメタルの正しきカッコよさ!

 

ド頭からロブの魂が乗る渾身のハイトーンスクリームに脳天を撃ち抜かれ、あまりにもドラマチックなギターにて幕を開ける。サビで聴けるメタルゴッドの叫びには心が震えるし、何よりも中盤のツインギターが織りなす、極上のメロディックなギターソロが最高にカッコいい!

 

個人的にJudas Priestの全楽曲の中でも、トップクラスに好きですね。ドラマチックなヘヴィメタルとはこれのことだよ。

 

このタイトルトラックの完成度が圧巻すぎるため、ここで興奮のピークを迎えてしまい、最終盤のM9「Fever」、M10「Devil's Child」が若干消化試合的なテンションで聴くハメになってしまうところが、本作の歯がゆいところかもしれない。決して悪い曲ではないんですけどね(特にM9の哀愁あるギターの旋律はかなり良い)

 

アメリカ受けを狙った前作よりも、メタルゴッドとしての姿をそのまま打ち出した本作の方が、世界的にヒットしたのだとか。やはり慣れないことをするよりも、自身の真髄をそのまま素直に打ち出した方がうまくいくもんなんですね。

 

 

個人的に本作は

"メタルゴッド本来の姿に立ち返り、ブリティッシュヘヴィメタルのドラマ性を堂々と打ち出した作品。タイトルトラックはバンド史上屈指の完成度"

という感じです。

 


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2/18 CROSSFAITH / Japan Tour 2024 -Departure- at Zepp Haneda

日本のヘヴィミュージック界の代表格と言っても過言ではない存在であるCROSSFAITH、現在のツアーを回っている最中に、大きなメンバーチェンジがありました。

 

活動休止明けにおいてもずっとライヴに参加してこなかった、ベーシストのHirokiさんがツアー中に正式に脱退。そしてすぐに、サポートギタリストとして帯同していた、元HER NAME IN BLOODのDaikiさんがセカンドギタリストとして正式加入。この日行われたライヴはツアーファイナルでありつつ、新生CROSSFAITHの最初のステージということになるらしい。

 

本来サポートアクトとして、アメリカのメタルコアバンド・OF MICE & MENが出演するはずだったのですが、ビザの問題で来日が叶わずキャンセルになり、急遽ワンマンのロングセット公演になるというハプニングも。開催前になって色々なことが立て続きましたね。

 

ツアーファイナルとなる本日の会場はZepp Haneda。やったら遠いうえに会場周辺に何も無いので、できることならあんまり行きたくない会場ではあります。まあ空港という場所自体結構ワクワクするし、ライヴ会場としての設備は良いんだけれど。

 

あとやっぱりZeppは柵が多いのがネックですね。この手のコア系バンドのライヴは、大きなモッシュピットが作られるのが醍醐味だというのに、スペースが区切られるとピットがこぢんまりとしてしまうので...

 

そんな微妙な気持ちこそありつつも、ワンドリンクのレッドブルを飲み干して、フロアの中央付近で待機。整理番号が2000番台だったこともあり、ソールドはしなかったようですが、かなりの混雑具合でした。

 

ノリの良いEDMが鳴る中、開演時間を少し過ぎたあたりで暗転してメンバーが登場。みんなが白を基調とする服装をするなか、新メンバーのDaikiさんのみ黒のタンクトップで、「入ったばかりだから、まだ完全に一枚岩にはなっていないのかな?」とちょっと思った。

 

再びメジャーレーベルに所属するようになってから、初めてリリースされた新曲「ZERO」で、Koieさんのステージダイヴと共にスタート。ここ近年発表された曲の中では、メタリックなヘヴィさが強く表出した曲で、アグレッション満載に疾走部とシンガロングが気持ちいい。サビのメロディーに僕好みのキャッチーさが無いのは、まあメロディアスさが武器のバンドでは無いと思うのでこれはしかたない。

 

やはり僕としては新加入のDaikiさんに注目してしまうのですが、やはりこの人はカッコいいですね。特に派手なアクションをするでもないのに、刺々しさや毒といった、危険なオーラをヒシヒシと感じます。脱退したHirokiさんがビジュアル面で魅せるタイプだったので、ステージ上の見栄えが少し落ちるのではと思っていましたが、その穴を感じさせない。

 

のけぞるようにギターをかき鳴らし、もう一方のギタリストであるKazukiさんと顔を突き合わせるフォーメーションもキマってて、これは良いメンバー加入になったのではないでしょうか。まあCROSSFAITHよりHER NAME IN BLOODの方が好きな身として、複雑な気持ちがないわけではないのですが。

 

最初はモッシュの勢いもそこまで強くはなく、人混みで窮屈になりながらも比較的穏やかに観られたのですが、3曲目の「Rx Overdrive」にて、僕の目の前にハードコアモッシュのスペースが作られたために、その防御に必死にならざるを得ず、その時間帯はステージを観ることは不可能に。足に一発蹴りをもらいましたが、特に大きな被害を受けることなく下手側に退避成功。やはりこの手のモッシュは少し離れた所から見るに限るな...

 

比較的早い段階で出たライヴ定番の「Countdown To Hell」では、3月にCROSSFATITHとのツーマンライヴが決定している、Sable HillsのTakuyaさんがゲストヴォーカルとして登場。ただ、せっかくゲスト枠として颯爽と出てきたのに、マイクトラブルなのか、出だしの声はまったく聞こえませんでしたね...。

 

「もっとデカいモッシュピット作ってみろ!」とKoieさんが煽っていたのもあり、前方付近ではサークルが発生。僕の位置からはあまり見えませんでしたが、きっと腕と足がブンブンと振り回される狂気の世界が広がっていたことでしょう。

 

「Snake Code」や「Madness」のような、あまり聴けなさそうな楽曲に加え、「Jägerbomb」「Monolith」のような定番も揃えつつライヴは進行。「Jägerbomb」の前のMCでは、Daikiさんから「片手を上げて、人差し指と小指以外の指を曲げてください」と指示があり、会場中でメロイックサインが突き上げらる光景が広がる。そして彼のギター裏には、かつてHER NAME IN BLOODのライヴで見られたようにテープで「メタル」の文字が。

 

彼がここで、「CROSSFAITHの音楽性はメタル」とハッキリ明言してくれたことは、個人的に結構嬉しかったり。ヘヴィなエレクトロという傾向が強くなっている近年の音楽性から、Daikiさんの加入によりメタル色が強くなったりするのかな〜なんて妄想が広がりますからね。

 

中盤には二人目のゲストとして、ラッパーのralphさんが登場し、「Gimme Danger」をプレイ。彼を生で見るのはもちろん初ですが、想像した以上に貫禄のある見た目でメッチャ怖い。会場をまっすぐに恐ろしい目つきで睨みつける姿は、夜道ですれ違ったらそそくさと逃げたくなるレベルでした。あの存在感で98年生まれの26歳ってウソでしょ?俺より年下だとまったく思えないんですけど。

 

そんな強烈なインパクトを放つステージではありましたが、それを超えるほどのハイライトとなったのは、やはり後半に流れた「IF YOU WANT TO WAKE UP?」にて、「この後に起こることがわかる人は、真のCROSSFAITHファンだと思います」とKoieさんが呼びかけた瞬間でしたね。ここで次の曲が何になるかわかった僕は、真のCROSSFAITHファンだったということか。

 

初期の名曲「MIRROR」、そしてアルバムの流れ通り「BLUE」までプレイされる。やはり叙情メロデステイストを含んだ、メタルコアらしいメタルコアこそ僕の望むものだなぁ。もちろん全力のヘッドバンギングで応えましたとも。まあこの後に披露される「Catastrophe」とか「Xeno」とかも好きな曲ではあるんですけどね。

 

アンコールではTeruさんとTasuyaさんの後衛陣による、DJプレイとドラムソロタイム。Tatsuyaさんは腕にライトがつき、さらにバキバキの腹筋を披露しており、見た目のインパクトがさらに増す。

 

しかしどれだけ見た目が良くても、その印象をさらに掻き消してしまうほど、彼のドラムプレイはすごい。途中でKoieさんが「俺IQ高いソロはわからんからさ。もっとツーバスドコドコの、手数多すぎるソロ聴きたいんだよな!」という振りから行われた、上半身を躍動させまくるドラムソロは、もう圧巻としか言いようがなかったです(僕の周りからも「ヤッベェ...!」という戦慄の声が聞こえた)

 

ソロ後では、Koieさんがオープニングで振り回しているフラッグを、前方付近のお客さんを指名して渡し、アンコールの3曲中ずっと振らせながら(腕疲れただろうなぁ...)The Prodigyのカバー「Omen」、LINKIN PARKのカバー「Faint」、そしてライヴ定番の「Leviathan」という流れへ。

 

「Faint」では、始まる前に3人目のゲストであるcoldrainのMasatoさんに電話をかけ、「今羽田でワンマンやってるんだけど来れん?」「無理だよ。今俺代々木にいるし」(同日に代々木でA.V.E.S.Tのライヴイベントがあった)と、ちょっとした会話を繰り広げながら、Masatoさんをステージ上へ登場させる演出が。本日のゲストヴォーカルの中では一番の盛り上がりを見せていましたね。

 

 

20曲以上の新旧取り揃えた楽曲、華を添えるゲストヴォーカルの存在により、充実なライヴになりました。OF MICE & MENの件は残念ではあるものの、それを感じさせないくらいに濃い1日になった感があります。

 

なおこのライヴ中に、ちょうど1年後の2025年2月に幕張メッセで、CROSSFAITH主催のフェスを開催するという発表もありました。どんなメンツになるのかとか、詳細はまだ全然わからない状態ですが、海外のバンドを積極的に見せようとする姿勢があるバンドなので、なかなか豪華なラインナップになるのではないかという期待感が持てます。

 

また、今年中に作品発表に伴う国内ツアーも行うとのことで、Daikiさん加入の影響が出る新曲にも期待がかかるところですね。

SKYLARK 『Gate Of Hell』

  • クサメタル」の源流
  • 演奏・ヴォーカル・音質はどれも厳しめ
  • 局所的ムーブメントを巻き起こしたクサメロの威力

 

音楽のアルバムCDというものは、もちろんジャンルによって異なってはくるものの、ヴォーカル、演奏、音質、曲構成、参加ミュージシャンなど、様々な要素で評価されるもの。一般に名盤とされるものは、数々の要素のうち多くが優れているものでしょう。

 

反対に、アルバムを構成する要素がことごとく質の低いものであった場合、凡作だったり駄作だったり、迷盤扱いされてしまうのが常。

 

しかし中には、多くの要素が凡作以下で洗練されていないにも関わらず、(一部において)名盤扱いをされている作品もあります。

 

ヴォーカルのハイトーンは今にもひっくり返りそうで危なっかしい、演奏力にも粗が目立ち、超絶技巧とはとても言えない、音質もスカスカ気味でチープ寄り...などなど、作品としてのクオリティーはお世辞にも高いとは思えない。

 

それなのに、「メロディーのクサさ」という美点を突き詰めることによって、そんなマイナス要素を挽回しきり、ごく一部の界隈において歴史に名を残す名盤と扱われるまでに到達したアルバムがあります。

 

それが今回取り上げる『Gate Of Hell』。イタリアのメロディックスピードメタルバンド・SKYLARKが1999年に残した3rdフルアルバムです。

 

90年代後半から00年代初頭にかけて日本で勃興した、クサメタルムーブメントの立役者といえる伝説的存在。メロスピ/メロパワに精通している人であれば、多くの人がその名を知っているのではないでしょうか。まったくリアルタイム世代ではない僕ですら知ってるレベルですから。

 

なんでも、インターネット普及期にメタルレビューサイトを運営していたJINさんという方が、このSKYLARKのサウンドに衝撃を受け、「メロディーが過剰に哀愁があって、やり過ぎなほどドラマチックな要素を取り入れたメロディックメタル」に対し、「クサメタル」という名称をつけたのだとか。そう言う意味では、「クサメタルはSKYLARKから始まった」と言ってもいいのかも。

 

収録されている音は確かにかなりチープ。速弾きはなかなかに頑張ってる箇所こそあるものの、リードギターになったら一気にポンコツな印象が増量するし(活字で表すなら「プー」)、ヴォーカルのハイトーンはギリギリすぎて、ライヴで再現できる気配が微塵もしない。音質も薄っぺらいし、所々挿入される女性ヴォーカルも言っちゃ悪いですがヘタ。

 

演奏面で唯一良いのは、キーボーディストのシンフォニックアレンジですね。優美で壮麗な印象をグッと底上げするシンフォサウンドは、楽曲の魅力にしっかりと貢献しています。しかし良いのはシンフォアレンジのみで、単音の鍵盤になると一気にコミカルでダサくなってしまう。

 

1曲の中で何の前触れもなく急にスピードアップしたり、前半に7分以上の大作を固めておいて、中盤から後半になると1〜2分台の曲がゴロゴロしてたり、インタールード的役割を果たすM5「The Last Question」が4分近くあって、そこからシームレスにつながる疾走曲M6「Earthquake」が1分半くらいしかないなど、曲やアルバム構成においても「?」となります。こりゃB級通り越して、C級と言われても仕方ないな。

 

しかし、そんなネガティヴな面を補って余りあるものこそがクサメロの存在。シンフォニックなサウンドからも、歌メロからも、劇的でクッサ〜いメロディーが掻き鳴らされている。

 

前述したように前半に大作が続くのですが、どれもが非常にメロディアスでしてね。長い曲を好まない僕ですら、ダレずに一気に聴き通せちゃうんですよ。ヴォーカルも演奏もクオリティー高くないのに。

 

劇的なキーボードが頭から登場し、ドラマチックな疾走を見せながらも、中盤のチェンバロ風シンセがあまりにチープなM2「Welcome」、キーボードがクサさ全開で、後半には何を思ったか一気に爆走しクサメロを垂れ流すM3「The Triumph」、サビの"べゼブ〜ッ!"が真似したくなるくらいキャッチーで、ラストに三流魔王の語りが入るM4「Belzebù」。この3曲の連打はまさにクサメタル界の名曲ラッシュ。

 

後半に鎮座するM9「Why Did You Kill The Princess 」を初めて聴いた時の衝撃はすごかったですね。中盤にアクセルをグッと踏み込みどんどん加速、そこに合わせるように、指一本で弾いてるのかと思わせる単音キーボードが重なるパートは、

 

「すごい!劇メロがどんどんスピードを上げていくぞ!」

という興奮と、

 

「ガハハハ!何だよこのチープなキーボードは!」

という笑い

 

まったく異なる二つの感情が同時に去来するというミラクルが発生しましたからね(笑)

 

2024年現在は、日本でもZemethのようなやりすぎなまでのクサクリエイターがいるので、このアルバムのクサさもある程度は常識の範囲内なのかもしれません。これをリアルタイムで喰らったクサメタラーは、僕以上の衝撃を受けたんだろうなぁ...と思わずにはいられませんね。

 

どこを切っても一流のメタルにはなり得ないクオリティーであるのに、クサさという武器一本で局所的ブームを巻き起こした、まさに伝説のクサメタルアルバム。

 

 

個人的に本作は

"メロディーのクサさという一点のみで、「C級メロスピアルバム」から「カルト的人気を誇る伝説の名盤」と成り上がった作品"

という感じです。

SAY MY NAME. 『JUST OK!!!』

  • 全曲にキャッチー極まりないメロディーが充実
  • このバンドならではの個性はほぼ無し
  • メロディーが気にいるか否かで全てが決まるかも

 

つい先日、仕事帰りにコンビニに寄った時、たまたまELLEGARDENのベーシストの高田さんに遭遇しまして。

 

あまり迷惑になるのもよくないだろうと、特に話しかけたりはせず、横目でチラチラっと見るに留めましたが、こういう偶然もあるもんだな〜と思いました。

 

そしてこのブログでは、前回のCD感想記事がGREEN DAYというポップパンクバンドという流れもありましてですね。本作について書こうと思い立ったのです。

 

このSAY MY NAME.というバンド、いつかブログで取り上げようと思ってはいつつ、なんとなくタイミングが掴めないままだったので、ここが良い機会だなと。

 

恐らくバンド自体知らない人が多いと思うので説明しますと、超飛行少年(スーパーフライングボウイ)のギターヴォーカルである小林光一さんを中心に、2009年に結成されたポップパンク/メロディックハードコアバンドです。一応バンド自体は解散していないようですが、2024年現在はほぼほぼ活動停止状態。公式サイトも消え、SNSも全然更新されていません。

 

さらに超飛行少年とは何ぞやといいますと、2005年に結成されたギターロック/オルタナティヴロックバンド。Wikipediaによると、渋谷のタワーレコードで発売されたシングルが、同時期に出たKAT-TUNの『Real Face』を抑えてデイリー1位になったという、ものすごく局所的なヒットをしたらしい。

 

僕が大学生時代にバイトしてたCDショップでも、全国的には無名の若手オルタナバンドを店全体で熱烈応援していたら、かなりアルバムセールスが好調だったので、まあ渋谷店にてパワープッシュがあったんでしょうね。店舗限定というのありますし。

 

超飛行少年は2008年に解散しましたが、2017年にSUPER FLYING BOYと英語名に変えて再結成を果たしました......が、こちらについてもちょろっとライヴはやったらしいものの、現在活動の音沙汰無しという寂しい状況。

 

フロントマンの小林さんは、ベースに前述のELLEGARDENの高田さん、ドラムにはNICOTINEのBEAKさんという、何気にスゴいメンツでMAYKIDZというバンドを組んでいて、こちらは現役で活動中。去年にはフルアルバムも出しているので、このバンドは知ってるという人は多いかもしれません。

 

やたら前置き説明が長くなりましたが、そんな小林光一さん所属する(所属していたと言うべき?)SAY MY NAME.が、唯一発表したフルアルバムがこの『JUST OK!!!』です。

 

まず言わせてもらうと、真新しいことは何一つやっていません。このバンドならではの個性とか、新鮮味とか、聴いた瞬間衝撃を受けるほどのテクニックだとか、そういったものは皆無です。というか、ハッキリ言ってしまえば「ELLEGARDENフォロワー」でしょう(まんまエルレって言うほどでもないけど)

 

人によっては「この手のバンドはいいや。他にたくさんいるし」「エルレ聴いてればいいじゃん」みたいに切り捨てられてしまうかもしれません。

 

しかし、僕は好きなんですよ、このアルバム。

 

確かにスタイルとしてはありきたりなのかもしれないけれど、だからこそダイレクトに伝わってくるのが歌メロの良さ。ポップで青臭くて、ほんのちょっとの哀感が含まれたメロディーが非常にキャッチーで、それが全曲に渡って込められているんです。

 

M1「At A Risk」から、メッチャ青臭いのに絶妙にツボにハマるキャッチーな歌を聴かせてくれ、共に歌いたくなる衝動を抑えきれなくなる。そのまま疾走チューンのM2「New Dawn」、M3「Turning」と続く構成も勢いがあって良く、それらの曲も負けず劣らず歌が良い。

 

ほとんどの曲がアップテンポ〜疾走曲でスッキリと聴け、比較的テンポを落としたM6「Freedom」、M9「No Tribe」といった曲にも、否応なしに染み渡ってくるメロディアスさがあって、聴いてて本当に気持ちがいい。

 

ラストを飾るM10「By My Life」のメロとか最高ですね。最後の"夢を見ている この場所ならそれができる"のフレーズなんか、モロに好みです。超好き、こういうの。

 

この手の曲は10〜20代前半くらいの若い時期にしか聴けず、年取ったら小っ恥ずかしくて聴けたモンじゃなくなるかも、と思っていました。しかし、今年30になる今聴き返してみても、当時と変わらない「良いなァ...!」の感情が湧き出てきたので、きっと小林さんが作るメロディーは僕のツボにハマりやすいのかもしれません。

 

と、ここまで絶賛してきましたが、メロディーの良さを除けば、ほぼ無個性のメロコアであることは間違いない。メロディーにピンと来なければ、普通のバンドとしか思えないでしょう。

 

ですので、「僕は大好きだけど、"このバンドは他とは違う特別な強みを持ったバンドだ!是非聴いてみて!オススメだよ!"と言うつもりは無い」とだけ書いときます。MVになった「New Dawn」にビビッと来たら聴いて損はないかと。

 

前述の通り、SAY MY NAME.は現在動きを見せる気配は全く無く、SUPER FLYING BOYもしかり。MAYKIDZは、シーントップの存在であるELLEGARDENのメンバーがいるにも関わらず、J-PUNKシーン内ですらブレイクしているとは言い難い。

 

高校時代、彼が生み出すメロディーに強く感銘を受けた身としては、今のこの状況は何とももどかしいものがあります。このまま埋もれてしまうのは惜しいバンドだと思うので、ちょっとでも目に触れればいいな...という思いのもと取り上げてみました。

 

 

個人的に本作は

"王道中の王道を行くメロコア。強い個性は皆無ながら、超キャッチーなメロディーはキッズの心に響くはず"

という感じです。

 


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GREEN DAY 『Saviors』

  • 適度に振り幅を持ちつつGREEN DAYらしさが一貫
  • オープニング2曲の勢いが魅力
  • 聴きやすいけどボリューム過多気

 

前回日本にパンクバンドのスプリットCDについて書いたので、その流れに乗ってパンクの新譜感想いっちゃいましょう。

 

パンク界において、もはや知らぬ者はいない超大物・GREEN DAYの2024年発表最新フルアルバム。前作『Farther Of All...』から結構早めに新作出したな、と思ったのですが、何気にもう4年も経ったのか。

 

アルバムの内容については、今更僕が何かを言う必要もないGREEN DAY節満載のポップパンクで、彼らのファンであれば何の不満もなく聴ける内容かと。GREEN DAYGREEN DAYたらしめる王道のサウンドに仕上がっているように思います。

 

僕は海外パンクでは、疾走感があって、メタリックなサウンドも持ち合わせて、メロディーがキャッチーで、といったバンドが好きになりやすい(具体的に言えばSTRUNG OUT、SUM 41、BIGWIGなど)ので、彼らのサウンドは好みからは少々外れる。聴いてて楽しくはあるものの、心からグッと惹かれる瞬間はあまりないかな。

 

ポップパンクの代表格扱いされている彼らですが、混じりっ気の無いド直球のパンクサウンドではなく、どことなくオルタナっぽかったり、パワーポップ的だったり、ロックンロールなテイストを入れていたりするので、個人的にはやはりパンクサウンドのド真ん中をやってくれる方が嬉しいわけです。

 

とはいえ流石に長いキャリアを経たバンドなだけあり、楽曲の造りとクオリティーの高さは保証されている。どういったタイプの曲であっても、しっかりとバンドのカラーが反映された印象がありますね。

 

ます出だしのM1「The American Dream Is Killing Me」と、M2「Look Ma, No Brains!」の2曲が、軽やかなテンポでキャッチーに駆けるポップパンクナンバーとなっており、初聴きの印象が非常に気持ちよくなるのが嬉しいです。特にM2が好き。

 

M1はビリー・ジョー・アームストロング曰く「伝統的なアメリカン・ドリームが、多くの人々にとってうまくいかないことを表現した。実際、それは多くの人々を苦しめている」とのことで、そんな曲に大ヒット曲「Basket Case」のフレーズが使われているのが何か意味深ですね。

 

この頭2曲の流れが良く、これ以上に耳を惹かれる瞬間はその後は現れなかったのですが、捨て曲になるような曲があるわけでもなく、どの曲も短くまとまっているからスッキリと聴ける。

 

アッパーなM6「1981」、実にGREEN DAYらしいシンプルさとポップさが活きたM11「Strange Days Are Here To Stay」、少々ハードさを増したギターが目立ち、ロックンロール的なギターソロも聴けるM12「Living In The '20s」あたりが気に入ってます。切ない弾き語りから、優美なシンフォサウンドで盛り上げていくバラードのM13「Father To A Son」も良い。

 

ただ、さすがに国内盤ボーナストラック入れて全16曲はさすがに多いな...。曲自体はどれも短くまとまっているし、聴きやすい曲ばかりなので、そこまで聴き疲れがひどくならないのはありがたいですけどね。まあ、今や大サブスク時代、CDの収録曲数なんて多くの人にとっては気にならない点だとは思いますが。

 

 

個人的に本作は

"GREEN DAYらしさを一本通したアルバム。曲数こそ多すぎるきらいがあるものの、心地よいポップさとアッパーなサウンドを味わえる"

という感じです。

 


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