最新アルバム『THE STARS WILL LIGHT THE WAY』のリリース、およびメジャーデビュー20周年を記念した、GALNERYUSのライヴツアー "THE RISING OF THE NEW LEGACY Pt.Ⅱ" 柏PALOOZA公演に行ってきました。
柏は自宅からわりかし行きやすい所で、電車の乗り換えを何回も重ねることもなく、すんなり到着できる場所。そんな所でGALNERYUSが日曜日にライヴするんなら、それはもう行かない手はないわけですよ。
自宅で洗濯やら観葉植物の水やりやらを済ませ、CDやLPをじっくり聴きつつ、午後から出かけて悠々と柏へ移動し、GALNERYUSのフルセットのライヴと、実に贅沢な休日となりましたわ。
開場ちょうどくらいにPALOOZAへ行くと、すでに結構な列が出来上がっている。幸い僕の整理番号はそこまで後半ではなかったので、さほど待ち時間が伸びることはなく、フロア中央くらいに陣取ることができました。
DARK TRANQUILLITYの新作がSEとして流れている中待つこと少々、客電が落ちて早速歓声とメロイックサインが上がる。ちょいちょいカラフルに光る腕輪をしている人を見かけましたが、これは本ツアーから物販で販売されているバングルライトらしい。
摩天楼オペラのペンライトもそうですが、ヘヴィメタルのライヴでこういうピカピカ光るモノが掲げられるのは、少々違和感があるな...。まあ以前BABYMETALのライヴでは神器として自分もつけてたし(あれは公式につけるよう指示されたものだけど)、それと同じノリなんでしょう。
最新作の流れ通り、登場SEの「GO TOWARDS THE UTOPIA」でメンバーが登場してからの、「THE REASON WE FIGHT」でスタート。白髭を生やした小野さんの見た目はやや新鮮に映るな。
すでにPURE ROCK JAPANに横フェスと、短い期間で2回も生で聴いている曲ですが、やはり何度聴いてもギターソロのスリリングさと、雄々しいヴォーカルワークは素晴らしく、早速高揚させてくれます。小野さんのヴォーカルの伸びは凄まじい限り。
過去曲を少し織り交ぜつつも、大半は最新作からの曲で構成されているセットリストで、順番もほぼアルバムの通り。20周年を記念したツアーでもあるとはいえ、やはりレコ発ツアーとしての性格が強いっぽい。
しかしGALNERYUSは過去曲の演奏ばかり求められるレガシーバンドなどではもちろんなく(ツアータイトルにもNEW LEGACYってついてるしね)、新作からの曲ばかりでも、今までのライヴと比してテンションが落ちるようなことは全くない。これは彼らのライヴパフォーマンスの良さに、新作のクオリティーの高さが担保されてる事を証明する事実。
僕の位置からはセンターの小野さんに隠れてしまい、TAKAさんの姿はあまりよく見えませんでしたが、その他のメンバーはしっかりと確認できる。相変わらずSYUさんの速さと泣きと華をすべて備えたギターは圧巻で、金髪を振り乱すヘドバンと併せて、視線をロックオンさせる魅力に満ちていました。やっぱこの人はメタルギタリストとして格が違うわ。
様式センスをフルに活かしつつ、要所で恐ろしいほどテクニカルな速弾きを披露するYUHKIさんの素晴らしさももちろんですが、LEAさんのドラムの見栄えがかなり増しているのもわかりました。『UNION GIVES STRENGTH』に収録されたライヴ映像だと、まだ演奏のみに徹するといった印象を受けた彼ですが、もうすっかりバンドに馴染んだのか、ヘドバンを繰り返しながらアグレッシヴに叩き切る様が非常に見てて気持ちがいい。もちろん手数足数のやたら多いプレイ自体の聴き応えはいわずもがな。
最新作の曲はスピードチューンはもちろん高速ヘドバンを誘発させるし、テンポを落とした楽曲もライヴのコンテンツとしてしっかりと機能している。「新曲はコロナ禍を経て、みなさんと一緒に声を出したいという狙いがある」という小野さんの言葉通り、ウォーウォー言うシンガロングを演出する「FINALLY, IT COMES!」、リスナーを置いてけぼりにするかのようなプログレッシヴパートも完璧にこなした「IN WATER'S GAZE」、小野さんの表現力が炸裂する「CRYING FOR YOU」と、どんなタイプの曲であっても集中力が途切れないんですよ。
アルバムの中では相対的にノーマルな印象だった「VOICE OF SADNESS」も、ライヴパフォーマンスにノせられた状態だと、その非常にキャッチーな歌の魅力に改めて気付かされますね。"Voice!"のキメのパートでは、思わず全力のフィストハングをしてしまったし、気づけばライヴバンドとしての妙技に魅せられてしまっていました。
1曲ごとの時間が長いにも関わらず、本編最後の曲になると「え?もう終わり?早くない!?」と、長い曲が苦手な僕がこう思ってしまうあたり、いかにGALNERYUSが聴かせどころを心得たバンドであるかがわかります。
そしてその本編ラストの曲というのが、11分の長尺曲「I BELIEVE」なわけですが、これがもう本っっ当〜〜〜に素晴らしかった...。音源で聴いた時から「これは凄まじい名曲だ!」と思っていたわけですが、そのどこまでも広がっていくようなスケール感が、目の前で、爆音で繰り出されるのですからマジでたまらなった。
特に中盤から後半にかけて披露される、YUHKIさんとSYUさんのキーボードソロとギターソロの流れ。恐るべき超絶技巧と、感情を突き動かす号泣必至のフレーズが、猛スピードで駆け抜けていく。この圧巻のパフォーマンスは無条件で胸の奥が熱くなりますよ。昂った感情に任せて、思いっきり高速ヘドバンをかましてしまった。この時ちょっと涙目だったかもしれん(笑)
曲数が少ないとはいえ、本編だけで1時間半近くやったのだな〜...と思いながら余韻に浸りつつ、その後はアンコールの時間。まずはツアーTシャツに着替えた小野さんが出てきて、彼らのワンマン恒例の物販紹介と一人喋りから。先ほどまで超人的なハイトーンを連発してきたヴォーカリストのはずが、こうやってお話すると「気の良いおじちゃん」って感じになりますね(笑)
「LINEのQRコードの出し方がわからない」「小型スピーカーのBluetoothの切り替えができない」といった、楽屋でのYUHKIさんの機械オンチっぷりを暴露(よく機材のセッティングとかできるな)したあと、本編では披露されなかった「HEARTLESS」を披露する。
この曲のみ本編で飛ばされてしまっていたので、アンコールでやってくれることを待ち望んでいたわけです。猛烈な哀愁が疾走する、剛直なパワーメタルナンバーであり、新作の中でも特に好きな曲でしたから。
そんな泣きに満ちたパワーメタルの後に、GALNERYUSでも一際ポップな「FUTURE NEVER DIES」が来る。土臭い哀愁と、天翔けるポップさ、この両極端なスタイルがどちらも様になるのがGALNERYUSですね。「FUTURE NEVER DIES」はサビ全パート歌ってしまった。
そしてまさかダメ押しのラストナンバーとして、「ULTIMATE SACRIFICE」まで出てくるという極上フルコース。この曲もまた12分以上の大作なのですが、メタルならではの悲壮美に貫かれた最高峰の名曲。後半で溜めに溜めてから飛び出す壮絶なギターソロは、何度聴いても息を呑みます。1日に摂取していい泣きを超過している気がする。
「ライヴで聴きたい曲のリクエストを募ったら、みなさん聴きたい曲はやはり"速い・高い・キツい"で大変なんですよ」と、今日のMCで小野さんが冗談っぽく言っていましたが、この曲もまたライヴリクエストで票が多かった曲だったために組み込まれたとのこと。そりゃキツいよなこの曲は。
曲数が少なめだなと思っていたものの、蓋を開けてみたら2時間ガッツリとプレイされたフルセットライヴ。いや〜〜〜やっぱりGALNERYUSは国内最高峰のライヴバンドですわ。圧倒的な演奏のパワーに打ち負かされ、超人的ハイトーンで脳を貫かれ、あまりに劇的なメロディーに感情を動かされる。これぞヒロイックなヘヴィメタルのライヴですよ。最高でございました。
なお、今回のツアーの曲のリクエスト、僕もリプライしていたのですが、アンコールにやった「FUTURE NEVER DIES」「ULTIMATE SACRIFICE」は僕のリクエストに含まれていた曲だったんですよ。
THE END OF THE LINE
— Show (@show_hitorigoto) July 3, 2024
RISE UP (THE LEGENDARY PANTHEON)
FUTURE NEVER DIES
ULTIMATE SACRIFICE
THE FORCE OF COURAGE
FALL IN THE DARK
THE PROMISED FLAG
WHATEVER IT TAKES (Raise Our Hands!)
SCARS
名曲だらけで迷いますがこの辺で!
それなら、ツアーファイナルの立川でのライヴも、期待してしまっていいのか。それとももう僕のリクエスト曲からは選ばれないのか、どうなるんでしょうかねぇ...
まあ彼らのライヴはセットリストがどうなろうと素晴らしいものになるというのは確信してますから、どんな曲がプレイされようと高揚させられるし、泣かされるんでしょうけどね。