
メロデス由来の哀愁・慟哭を武器とした叙情メタルコアをプレイするバンドとしては、国内最高峰の実力を持っていると確信しているGraupel。Sable HillsやEarthists.らと共に、現代のメタルシーンを代表する存在として活躍していました。
ただ、2年前にバンドは活動を休止。ヴォーカルのSotaさんはGREEN3YEDを新たに結成し、Yuuさんは海外への留学?か何で国外に出ていたらしい。その後のシーンではSable Hillsを中心に色々なバンドがライヴを盛り上げてくれましたが、やはり彼らに代わるほどの叙情メタルコアは(少なくとも僕の知る限りは)現れませんでした。
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そんなバンドがとうとう(といっても2年半くらいだけど)復活を遂げることとなりました。待ち侘びただけに、ニュースが流れた後速攻で復活ライヴのチケットを取得。その後すぐにソールドアウトしただけに、やっぱり渋谷CYCLONEではキャパが小さすぎたんじゃないかな。
前日に仕事でフザけた理由で長々残業をするハメになったので、当日起きたのは昼頃。体のコンディションはあまり良くないものの、家でしばしのんびりした後渋谷へと移動。時間がないのでタワーレコードにもディスクユニオンにもNERDS RECORD STOREにも行けないのは残念だが仕方ない。
開場直前になってポーチに入れていた耳栓が無いのに気づいて、急いで薬局へ寄ったりしてたものの、何とか開演時間には間に合いサイクロンへと突入。ソールドしているだけあって、狭いフロア内はかなりの人口密度でした。モッシュの波に飲まれないように(着替え持ってきてないし)PA卓の下スペースに陣取りました。
開演時間を少し過ぎたあたりで暗転し、ステージ前にスクリーンがせり上がってくると、オーディエンスからも歓声が上がって、いよいよGraupelの復活!
...のはずですが、しばらくまっても登場SEが鳴らずメンバーも出てこない。ちょいちょいヤジ(「柿本!はやく帰ってこいよ!」とか)が飛んだりしているものの、しばら〜く待っても何もおこらないまま、ゆっくりとステージ前のスクリーンが下ろされてしまいました。
どうやかかなり本格的な機材トラブルだったらしく、そのまま30分ほど経過してからようやく暗転。復活の出鼻をくじかれた形となってしまいましたが、ここからGraupelの新章が幕を開けることになります。
「本当に待たせたなお前ら!」とステージ上から呼びかけると、最初にプレイされたのは「Departure」。前回の活休前最後のライヴを締めた楽曲から始まるという、あの時現場にいた身からすればなかなかエモーショナル。
SotaさんとYuuさん以外のメンバーはギター・ベースは以前までとは別の人らしいのですが、メロデス直系の激情を生み出すギターの旋律、目の前のもの全てを薙ぎ倒さんとするエナジーは前までとかわらずそこにありました。
メロディアスな楽曲を武器にしているとはいえ、ビートダウンの破壊力は凄まじいものがあり、原曲以上にスピードをぐっと落とし、上半身をフルにつかってのヘッドバンギングを全員が行う様は、爆音のヘヴィサウンドと相まって迫力満点。2ビートの疾走に、ブラストビートまで織り交ぜた展開もお手のもので、フルブラストの疾走から急激に極悪ビートダウンへと移り変わるドラムの手腕が光っていました。
「完全に機材が壊れました。この2年よりあの20分の方が体感長かった!」とMCで語っており、復活ライヴのスタートにも関わらずトラブルが発生したことも何とかネタにしつつ、直前に発表された新曲「Beloved」へと繋げる。この曲はかなりカオティックな曲展開を見せつつ、メロディーをほぼ廃したもののため、エクストリーム度は本日最高。ビートダウンなんか巨大な鉄塊でブッ潰されるかのような轟音を叩きつけていました。
そんな凶悪な楽曲に反して、MCではフロアの雰囲気が和やかなもの。Graupel活動期間中の海外に行っていたYuuさんのお話も聞け、「骨折した時にメッセージをくれたのはSotaだけだった」「俺以外誰もくれなかったのは、俺が良い奴じゃなくてお前に問題があるだろ」と、ちょっとした漫才のような掛け合いまで。
「水飲みたい人いる?」と声をかけたあと、新品のペットボトルを放り投げるとステージ上部のスクリーンに思い切りゴン!とぶつかってしまったのが、MC中の最大のハイライト。「高いだろこれ!?機材トラブルより焦った!」と狼狽えていました。
活動休止前からライヴを観てきた人が大半ながら、活動休止後にこのバンドのことを知って今日のライヴに来たという人も少数いて、ここにいる人たち全てに感謝を表明してくれる瞬間もあり、バンドの真っ直ぐな姿勢は時を経ても不変であることもわかりました。
中盤から後半にかけては、僕により響いてくる叙情的でエモーショナルな楽曲がキーとなる。中盤の「Empty Vessels」における美しい合唱パートで胸を焦がし、ライヴ定番ともいえる疾走エモメタルコア「Towpath」で沸点まで持っていかれました。
「Towpath」はモッシュの勢いが高まることを予見していたからか、Sotaさんが「2人のセキュリティさん、頑張って!」と励ましていたのが振りになってしまい、ステージダイバーの数がすごいことになっていました。この狭い空間でここまで人間がボンボコ飛んでいく光景は、ライヴハウスに馴染みのない人からすれば異世界だろうな。
アンセミックな「Apathy」に、アルバム通りの流れから「Memories」〜「Bereavement」という鉄板の名曲へ。あの静かなSEが流れ始めると、次の曲がわかっていても条件反射で興奮し、拳を握り固めてしまう。凶暴な咆哮から雪崩れ込む疾走ビートと、鈍重なビートダウンの交錯によりフロア中央は怒涛のモッシュピットへと姿を変えました。
そしてもちろんラストは、メロディックメタルコアの超名曲「Fade Away」。Sotaさんがフロアに乗り出し、オーディエンスに担がれながら極上のメロディを叫び、歌い上げる。このラストのサビを共に歌い上げながら、メロイックサインを突き上げた時の高揚感、これはGraupelのライヴの醍醐味であると毎度のことながら感じます。これを味わえるのなら、今後の彼らのライヴにもどんどん行こうと思わせてくれますね。
明後日にもう一度あるからか、それとも持ち曲の数がそんなに多くないからか、1時間程度で終了。ボリューム的にはやや少なめ、かつ機材トラブルもあったものの、聴きたい名曲は全て網羅され、ブランクがあっても変わらぬ熱量をぶつけてくれることがわかったライヴでした。

ちなみに何気に今年最初のライヴだったんですが、ややライヴの期間が空いてしまった&ここ最近の仕事の忙しさとストレス&終わった後渋谷のロカホリで飲んだといった事象が重なってしまったのか、夜に相当なレベルの頭痛に襲われてしまったため、改めて自分の体質を呪ったよ。