ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

3/16 PUNKSPRING 2024 Day 1 at 幕張メッセ

以前このブログでも書いたことがありますが、僕の青春時代を彩るピースとして、洋楽の入り口になってくれた存在として、SUM 41がいるんですよ。

 

show-hitorigoto.hatenablog.com

 

僕の音楽のキャパシティを広げ、イキリたい気持ちを抱えがちだった自分の拠り所として機能してくれたバンド。そんな彼らが解散を発表し、今回のジャパンツアーが最後の来日公演になる。

 

まあ、つい先日あっさりとSLAYERが永眠から目覚めたし、いろいろなバンドが再結成をしているので、彼らについてもまた動き出す時が来る可能性もありますが、青春と隣り合わせだった存在が無くなるという事実は変わらない。僕と同様の喪失感を覚えた人は、他に山ほどいらっしゃるはずでしょう。

 

そして関東での彼らのラストライヴは、ツアーの一環として出演するPUNKSPRING。初日のトリを務める姿こそが最後。これはもう観にいくしかありません。

 

同日にSable HillsとCROSSFAITHという激アツ対バンがあったり、千葉ジェッツ天皇杯勝戦(優勝おめでとうございます!)があったりと、他にも興味を惹かれる存在があったものの、それらの誘惑を振り切り、海浜幕張へと降り立ちました。

 

しかし、駅を降りてみると少々違和感が。パンクスよりもオタクっぽい見た目の人や、痛バッグを持った女性などの姿の方が目につく。

 

どうやら同じ幕張メッセにて、VTuberグループのホロライブ関連のイベントがあるようでした。パンクスとVTuberファンが大挙して押し寄せてくる海浜幕張駅は、一般客からは異様な光景に映ったことでしょうね(笑)

 

ホロライブファンの列にちょろっと混ざったあと、9-11番ホールへと続く道へ移動。PUNKSPRING2日間のうち、ホルモン・ハイスタ効果のためか2日目はソールドアウトしていたのですが、この日はGOLDチケットも残っていた模様。また、前半のメンツがそこまで日本で人気の高いバンドではないこともあってか、人集まりは結構少なめ。

 

去年11月に開催されたNEX_FESTで、開場前からとんでもないくらいの長蛇の列ができていたのが記憶に新しいので、それに比べるとどうしても寂しさを感じてしまう集客でしたね...。まあ後半になるにつれどんどん増えてはいきましたけど。

 

パンクロックは本来、貧しい労働者階級の怒りの声のはずですが、そんなパンクの精神に真っ向から反対する、"高い金を払って快適な方を選択する"GOLDチケットを購入した僕は、並んでから結構早い段階で会場入りすることが可能となる。パンクへの冒涜と取られても仕方があるまい。LOUD PARKでGOLDの快適さを知っちゃったんだよ。

 

クロークに上着と荷物を預けて、軽装になった状態でメッセ内部へと突入。オープニングアクトの花冷え。まであまり時間はないので、とりあえずサクッと食べられそうなハラミ串を胃に入れて、フロアへと突入しました。

 

 

 

 

花冷え。

オープニングアクトということで、短い時間ではあるもののトップバッターを飾るのは花冷え。NEX_FESTでは遠めの位置から、Limp Bizkitのゲスト、そして本日はオープニングと、短い間に何気に観るのは3度目になります。

 

朝イチのため人付きはあまりなく、メンバー自身もアウェイ気味の会場であると判断しているためか、ステージアクションは今まで観てきた時と比べてやや控えめ。各自の持ち場でしっかりと仕事をこなしているような感じ。バンドのはっちゃけまくった魅力は、完全には伝わっていないかも。

 

とはいえ、わずかな楽曲の中でもギャルっぽい歌声と狂気のシャウトのスイッチ、アグレッションがありつつも非常にタイトにまとまった演奏はバッチリ。小規模ながら最前付近ではモッシュピットも発生していました。

 

そんなピットの様子を見て「ほら、もう曲始まる前から広がってるけど」と指摘し、さらにモッシュの勢いを加速させるショウ運びもあり、気持ちよく観られました。

 

 

The Linda Lindas

まったく存在を知らなかったのですが、日本映画およびブルーハーツの有名曲にインスパイアされたガールズパンクバンドとのこと。飯食いがてら後ろの方でゆっくり鑑賞。

 

PUNK IPAなるビール片手に。一口も飲んでない状態でこの量、それで800円とはなかなかだな...

 

メンバーの見た目が、およそパンクバンドっぽくなく、ドラムなんてちょっと上品な学生みたいな感じだし、ベースヴォーカルは快活なスポーツ少女みたい。

 

というか、このバンドのWikipediaを見て愕然としたんですけど、全員が00年代生まれどころか、ドラムに至っては2010年生まれの13歳ってマジですか!?そんな年齢でこの大舞台に立つとはすごいな...

 

曲の入りで逐一ドラムカウントから始まったり、MCが少々口下手っぽかったり、あんまりプロっぽくない印象を受けてたのですが、この若さならそりゃしょうがないか。むしろ垢抜けない感じと生真面目な雰囲気は、魅力にもなるかもしれません。

 

演奏はラフで、ヴォーカルも上手ではない、ロックンロール的ノリの良さを残した楽曲と、本日のメンツで一番パンクロックらしいパンクロックをプレイしていたのはこのバンドだったかもしれません。

 

最後にはバンド名の元ネタにもなっている、ブルーハーツの「リンダリンダ」のカバー。ここで一番の歓声が上がり、後ろの方からもどんどん手が上がっているのが見て取れ、やはり名曲のパワーってすごいな〜と思った次第。

 

 

YOU ME AT SIX

GOLDチケットのみが入れる前方ブロックへ行くと、最前の手すりにもスペースが空いていることに気づく。大型フェスの最前ってなかなか観られない経験だぞ!と思い、YOU ME AT SIXは(端っこではあるものの)最前から観ることに。

 

かなり近いな!

この規模のフェスで、バンドのパフォーマンスをガッツリ肉眼で視認できるのは嬉しいところ。

 

このバンドについてもロクに知らなかったのですが、以前にも来日経験はあるバンドで、やってる音楽はオルタナやポストグランジっぽい質感を備えたもの。ハードコアとしての音作りではなく、疾走メロコア要素をより抑えめにしたRISE AGAINSTみたいな感じですかね。

 

メンバー全員がスタイリッシュなルックスでかっこいい。パンク的な荒さは見られず、適度にオシャレで適度にアグレッシヴ。カッチリとまとまったバンドアンサンブルも、心地良いグルーヴ感がある。モッシュで大暴れするようなタイプではないですか、パフォーマンスのレベルは高い。サークルピットを促すMCをしたのに、その後にプレイされた曲が全然サークル向きじゃなかったのはどうかと思いましたけどね(笑)

 

個人的にはもっと荒削りでもいいから、メロディーはキャッチーで疾走してて...というタイプの曲が好きなので、ハマるとは言い難いのですが、ロックのライヴとして普通に観てて楽しめました。サマソニとかフジロックとかの方が合うかもしれない。

 

アー写では5人いたはずなのに、ステージ上にはベーシスト不在の4人だったのはなんでだったんだろ?ベースの音はしっかり聴こえてたので、バックでスタッフが弾いてたりしたんかな?同期音源っぽくは聴こえなかったし。

 

 

この後はSHAKALABBITSのステージがあるのですが、NECK DEEPからトリのSUM 41までぶっ通しということを考えると、ここでちゃんと休憩しておかないと体力的にマズいと判断し、ここでしっかりフェス飯補給タイムとすることに。

 

タレカツ丼をムシャムシャしながら、11番ホールのベンチに座って休憩したり、ブースの商品をチェックしたりしながら、しばしゆったりとした時間を過ごす。会場内には過去のPUNKSPRINGのポスターが展示されていたのですが、初期のものと現在において、チケット代の差に愕然...。マジで1万円も安いの...?

 

 

NECK DEEP

2012年結成のポップパンクバンド。最新作をチョロっとサブスクで聴いたくらいですが、その王道中の王道を貫く爽快なポップパンクは、ライヴで絶対盛り上がるだろうと思っていたので、結構期待していたアクトです。

 

そしてライヴは、その期待に充分に応える痛快なものでしたね。小細工や余計な要素を完全に廃し、ポップパンクのライヴとは何たるかを、これ以上ないほど表現したもの。馴染みのない曲であっても、単純に観てて楽しい。

 

何よりもメンバーのパフォーマンスの勢いがあるのが良い!ヴォーカルは動き回って全身を躍動させ、ギタリストはグルングルン回って、隙あらばオーディエンスを煽り散らす。楽器弾きながら飛び跳ねて回って...というイキの良い姿は、何となく昔のDragonForceを思い出しました。

 

そんな元気あふれるアグレッションに注目しがちですが、何気に動き回っていてもヴォーカルと演奏が非常に安定していたのもポイント。難しいことこそしてませんが、普通に「上手くね!?」と思いました。

 

サークルピットを左右のブロックに促すシーンもあり、先ほどのYOU ME AT SIXとは違って(笑)、ちゃんとモッシュピットを形成して盛り上がりやすい楽曲ばかりのため、サークルの勢いも削がれない。こりゃ盛り上がるわい。

 

ラストの曲は、これまでの曲とは少しテンポはゆったりしていたのですが、それでもなお弾けるようなエナジーが落ちないのが、バンドのパワフルさを象徴するかのようでした。何となく、このバンドのステージから「PUNKSPRINGが始まった!」って感じでした。

 

 

SUICIDAL TENDENCIES

つい先日、Slipknotを脱退したジェイ・ワインバーグが加入したニュースで騒がせた、ハードコアパンクバンド。このバンドを観るのは、WARPED TOUR以来の6年ぶり。あれから6年も経ったのかよ。

 

show-hitorigoto.hatenablog.com

 

あの時は凄まじい勢いの運動会が開催されていましたが、本日もほぼ同様...かと思えばそうでもない感じ?もちろんサークルが生まれて、みんながドタドタ駆け回る瞬間もあったのですが、割とおとなしめの人たちも多い。

 

今日のメンツはポップパンクやメロディック系のバンドが強いので、スラッシーなハードコアはあまり好みじゃないという人が多かったのかも。始まる前のSTコールも、そこまで大音量ではなかったし。

 

しかしバンドのパフォーマンスは素晴らしい!ロボットダンスとは似て非なる動きで、オーディエンスを扇動しつつ、気の良い笑顔を振り撒くマイク・ミューアは存在感抜群。アンプに乗ってジャンプしながらステージを動き回る楽器隊の熱量もあり、スピーディーな楽曲の良さも相まって、テンションが下降しません。

 

途中でタイ・トゥルージロによるスラップを交えたベースソロを挿入し、さらにこれまでのアクトでは一切聴けなかったバスドラ連打、速弾きギターソロもあるので、メタルファンに優しい音だったのも個人的に嬉しかったですね。こういう音を聴くと「ホームに帰ってきた」って気になっちゃうな。

 

しかしMETALLICAのロバート・トゥルージロがもともといたバンドに、彼の息子がその意思を継ぐかのようにバンドに加入し、凄腕のパフォーマンスを大舞台で披露するっていうのは、なかなかドラマがあっていいですね。

 

 

Zebrahead

海外パンクアクトでは、SNUFFに継ぐ新日家として知られる、PUNKSPRINGお馴染みの存在。直前まで知らなかったのですが、ヴォーカルのマッティ・ルイスは脱退してしまっているらしい。

 

しかし、そんなバンドの体制変化は気にさせないくらい、彼らのライヴは楽しくてゴキゲン。アグレッシヴなラップと、タッピングを交えた速弾き、ビーチボールやゴムボート(スタッフIN)をフロアに投げ入れる派手さと、とにかく観てる人を高揚させるアッパーな雰囲気が楽しい。

 

「ベンちゃん、元気!?」「オナニー大好き!」と、日本語を使ったバカみたいなMCももちろん健在。オーディエンス全員に肩を組ませて、和やかに横揺れさせたあとの、強烈なモッシュピット誘発疾走、「The Perfect Crime」によるどデカいサークルピットの発生など、緩急の付け方がすごい。

 

ライヴ自体はZebrahead節の効いた楽しいものでしたが、新加入のエイドリアンのヴォーカルは少々通りが悪く、マッティ在籍時の印象を超えるほどのものではなかったかな。これはまあしょうがない。

 

「Worse Than This」や「Save Your Breath」といった僕の好きな今日はプレイされませんでしたが、パーティーロックによる盛り上がりはかなりのもの。総じて満足度は非常に高かったです。

 

ただ、サークルピットを促したと思ったら、すぐに全員を座らせてせっかくのサークルを崩してしまったのはどうなんでしょう。YOU ME AT SIXしかり、なぜサークルを有効活用しないのか。

 

 

SUM 41

開始前にDJ BOOさんから「これで見納めですよ!」とMCが入る。解散前の最後のステージ(ツアーはまだ少し続きますが)となるため、目に焼き付けるためにかなり前の方へ移動。

 

前半は人集まりが良くなかった会場も、SUM 41の最後の勇姿を見ようと多くの人が詰めかけ、前方の人工密度はかなりのものに。The OffspringGREEN DAYの楽曲が開演前SEとして流れ、この時点で合唱が巻き起こるなど、オーディエンスの士気も高い。

 

そしてSEが流れ出し、電飾がギラギラしたドラムセットと、過去作のCDジャケットがコラージュされたバックドロップが目を引く中メンバーが登場。オープニングは「Motivation」で、この時点ですさまじい圧縮により一気に前へと詰めることに。

 

そしてエンジンに火がついたのが名曲「The Hell Song」。Downloadでもこの曲でテンション爆発しましたが、やはりこの曲のパワーは素晴らしい!イントロの印象的なギターメロディーから、グイグイとオーディエンスのモッシュを誘発し、無数の手が振り上げられる。

 

充分な身動きができないくらいの圧迫の中、「Over My Head (Better Off Dead)」「No Reason」という、容赦なしの二連打で沸点へ!アルバムの流れ通りに来ることは予想してましたが、「No Reason」がこんな序盤から投下されるとは。

 

頭っから名曲を乱発してこの後大丈夫?とちょっと心配したくなるような出だしでしたが、もちろんライヴとしてのテンションが落ちることはない。シリアスな疾走感でサークルピットを生み出す「Out For Blood」に、ポップパンクの代名詞と言えるような「Underclass Hero」と、タイプの異なる楽曲で盛り上げつつ、「Walking Disaster」では、スマホライトを点灯させて会場に無数の光の粒を作り上げて、幻想的なムードを発する。

 

ギターヴォーカルとスタンドマイクを使い分けるデリックのパフォーマンスは華があって、相変わらずカッコいいカリスマフロントマンぶり。楽器隊3人がお立ち台に並んで、タイトな演奏を見せつけつつ、フランクによるツーバスが効いた強烈な疾走ドラムが光る。

 

SUM 41のメタルな面を担保するデイヴのギターはさすがの一言で、メタリックなリフとソロ、両面においてサウンドの存在感が非常に強い。デリックが"Metal heads!"と呼びかけてから始まった「We're All To Blame」のリフの強靭さたるや、凄まじいものがありました。モッシュというよりもヘッドバンギングがしたくなる。

 

"Sacrifice!"のシンガロングと共に発生した特大のモッシュピットには、僕も飛び込まざるを得ず、久々にパンクらしいガチのモッシュした感じですね。直近ではBRAHMANのライヴとか行ってますけど、ほら、BRAHMANモッシュというよりは肉弾戦なので...

 

ちょっと残念だったのは、名盤『Does This Look Infected?』からの「My Direction」「No Brains」「All Messed Up」がメドレー形式になっていて、すぐに終わったことかな。どれも良い曲だし、「No Brains」ではサークルピットに参加するくらいテンション上がったので、全部やってくれてもよかったのに。

 

Download Festivalでも披露されたQUEENの「We Will Rock You」カバーもプレイし、ラストは「Fat Lip」「Still Waiting」「In Too Deep」という、SUM 41を象徴する名曲3連発がラスト。特に「Still Waiting」は、メタリックなサウンドと哀愁の疾走メロコア要素が完璧なバランスで融合した名曲ゆえに、ここにきてさらにモッシュピットの勢いは増し、喉を枯らす勢いでシンガロングに興じました。

 

この名曲の連打さえしてしまえば、このまま終わってしまっても何の文句もないのですが、アンコールとして1曲、初期の楽曲から「Summer」をラストにプレイ。どこかカラッとしつつもエモ的な哀愁感もある楽曲で、楽しげでありつつも、祭りの終わりを仄かに感じさせる寂しさを纏ったエンディングとなりました。

 

いつぞやのSLAYERのような感傷的ムードになるのかと思いきや、かつて観たライヴのテンションそのままに良いライヴをやってくれました。特別何か感動的な演出とかがあるわけでもない、変にしんみりさせるようなMCも無し、自然体のパンクパフォーマンスだったため、会場からもさほど悲壮感は出ていませんでしたね。

 

 

DJ BOOさんの「やっぱりパンクって良いですね!」という締めのMCを聞きながら、どんどん人が退出していくフロアを見渡す。やはりお祭り騒ぎの後の空気感になると寂しいものがありますね。

 

翌日は、これまたラストの来日になるとされているNOFXがトリを務めるのですが、とりあえず僕のPUNKSPRINGはこれにて終了!全体通して充実していましたが、特にNECK DEEPから続く後半は非常に良かったですね。

 

ただ、1ステージしかないから、今までよりもフェスっぽい雰囲気やムードは少々控えめだったかもしれませんね...。休憩しつつ全部のアクトが観られるというのはありがたいのですが、タイムテーブルとにらめっこしながら「次はどれ観ようか!?」と悩む楽しみもあったりするので...。