ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

4/19 CARCASS / Japan Tour 2024 at 渋谷TSUTAYA O-EAST

リヴァプールの残虐王・CARCASSのライヴに行ってきました。前日の東京公演がソールドアウトしたため、追加公演となった日に会社の有給を取って出陣!

 

ここ最近ヒジョ〜にめんどくせー案件の管理を任されており、残業しない日が消滅してしまっている状況。この日の前日なんか、いつも遅くまで残っているマネージャーよりも帰りが遅くなり、フロアに一人ポツンと置いてけぼりにされ、家に帰れたのは日付を越えてましたからね。なんなんだよマジで。いい加減にしろ。

 

そんなわけで、休みの日は12時近くまで爆睡。オフの渋谷を満喫するということもできず(タワーレコードディスクユニオンは行きました。ここに行くのは義務ですから)、開場時間過ぎにTSUTAYA O-EASTへ到着。この日はソールドはしていないものの、やはり一時代を築いたベテランはさすがの人気。ギチギチというほどではないものの、結構な客入りとなってました。

 

ワンドリンクのカシオレを片手に、フロア後方の真ん中あたりに位置どり。周りが長身の人が前に立っていて、下手側の方が若干遮られてはいるものの、全体的に見渡しやすくて視界良好。LOUD PARK 23の時はだいぶ距離があっただけに、しっかりと視認できるのはありがたいわい。

 

開演時間ちょうどくらいに暗転し、荘厳かつ不気味なSEと共にメンバーが登場。ブロンドの髪を靡かせ、ピチッとした白Tシャツに身を包んだビル・スティアーは、あまりアングラなデスメタルっぽさはないかも。シュッとしててカッコいいね。

 

そんなビルとは対照的に、デスメタルらしい汚らしさ(褒めてるつもり)を体現しているジェフ・ウォーカーは、左足を立てて腕を広げ、堂々とオーディエンスを扇動する。最初の「Buried Dreams」から、しわがれたデスヴォイスは近代的なエクストリームメタルではなく、あくまでデスメタルであることを主張するかのよう。

 

サウンドはなかなか良好で、ベースの音が少々聴こえにくく感じたものの、キモとなるツインギターの絡みに、疾走するドラム(スネアの音が抜けが良くて気持ちいい)がどんどんと押し寄せてくる様は、一種の快楽とも言える。

 

最新作『Torn Arteries』の雑誌ヘドバンのレビュー記事にて、現在のCARCASSの音楽性を「エクストリームハードロック」と形容していましたが、その言葉通り、彼らのサウンドからは、正統派HR/HMの要素が色濃く感じられますね。近代エクストリーム/ヘヴィミュージックとは異なる、メタルらしい響きのギターリフの連続が、ヘッドバンギング欲を刺激される。

 

特にツインギターのリードフレーズが良いんですよね。ARCH ENEMYのようなクッサクサのメロディアスさがあるわけでもないんですが、正統的なメタルの旨みが活きたメロディックフレーズ。アグレッシヴなリフの波と相まって、サウンドの快感度は非常に高い。ほぼノンストップで、明確な違いが見出しにくい楽曲のスタイルが続いているにも関わらず、不思議と飽きが来ないんですよ。

 

この無機質になりそうなエクストリームサウンドに、生々しい血流をドクドクと流し込むギター、これこそがCARCASSの強みですね。

 

ただ、正統派のメタル要素が感じられるとはいえ、ジェフのダークなデスヴォイスにより、質感はしっかりとデスメタルしている2曲目の「Kelly's Meat Emporium」で疾走すると、フロア前方にてモッシュピットが発生して、エクストリームなノリを存分に見せつけていました。

 

バンドのパフォーマンスは終始安定していましたが、近くで観るとわかるのが、メンバーのスタンスが結構フレンドリーだったこと。ジェフはモッシュピットを見下ろして満足そうに微笑み、曲間には大盤振る舞いという表現が相応しいほど、ペットボトルの水をフロアに投げ込んでいました(先日観たDES-KONTROLがビールを投げ込んでいたのでデジャヴを感じた)

 

ビルは終始冷静さを保っていながら、時折にこやかな笑顔を浮かべ、サポートギター(ジェームズ・ブラックフォードでいいのかな?)は、笑顔でサムズアップしてみせ、ダニエル・ワイルディングはバスドラ連打を繰り出しながらも、これまた笑顔。もともとアングラの極みみたいな出自のバンドが、こんなに笑ってていいんだ。

 

そんなバンドの姿により、聴こえるサウンドデスメタル以外の何物でもないのに、あんまり凶悪・キワモノのライヴには感じない。まあ会場が1000人以上入るデカバコだから、というのもあるのでしょうけど。

 

90分に渡り、時折ドラムソロを挟んだりはしたものの、そんな感じで起伏小さめにガンガンに進んでいったのですが、やはりというかなんというか、明らかなハイライトとなったのが「Heartwork」。この曲のツインリードギターの旋律はやはり極上で、メロディアスな泣きとはどういうものか、一発で会場にいる人全員に知らしめるようなメロディー。ここぞとばかりにヘッドバンギングしつつ、堪能させてもらいました。

 

 

MC控えめ、ほぼノンストップの強力なデスメタルの応酬、それでいてヘヴィメタルとしての普遍的カッコよさも潤沢にある、充実のライヴになったかと思います。LOUD PARKだけでは摂取しきれなかった分、しっかりと間近で味わいましたよ。

 

ちなみに、バックスクリーンに映ったイメージ映像は、過去作のジャケットをコラージュしたものになっていましたが、後半になってからLOUD PARKと同様に、死体写真と思しきグロテスクな画像が、うっす〜く見えるものになっていました。過去のライヴレポートとかを読むと、堂々と病気したチ◯ポを映してたらしいのですが、幸か不幸かそれはなかった(笑)