ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

4/1 RADICAL MUSIC NETWORK SP春 at 新宿MARZ

前回のブログ8周年の記事で、「ブログ更新の頻度を上げていく」と書いてから2週間経ちました。

 

いや、違うんですよ。書こう書こうとは思っていたんですけどね。いつのまにやら仕事がどんどん溜まってて定時帰りが夢のまた夢になってですね。土日も何かとやることがあって、気づいたら夜になってたりですね。うん、まあそんな感じです。

 

さて、遡ること4月1日。

進級・進学、就職に転職と、生活がガラッと変わって、これからの未来への期待と不安に胸を膨らませている人も多い日でしょう。

 

そんな新年度スタートの日の僕が何をしていたのかというと、小っさいライブハウスにいました。

 

バスクから来たパンクバンド・DES-KONTROLのツアーの一環にもなっているライブイベント・RADICAL MUSIC NETWORK。会場は新宿MARZで、かつてEarthists.を観に行ったこともあるハコ。

 

イベント自体は20年以上の歴史があるらしいのですが、僕はこのライヴの開催告知があるまで知らず、さらにDES-KONTROLも名前すら知らなかったバンドです。

 

新年度のスタートでの日であり、さらに週初めの月曜日。できることなら疲れたくない日であるにも関わらず、何故わざわざ足を運んだのかというと、理由は簡単、BRAHMANが出演するからですね。

 

新宿MARZはキャパ300人という小バコで、アマチュアバンドの出演もあるような場所。そんな会場でBRAHMANが観られるなら、月曜だろうがなんだろうが行くっきゃないでしょう。仕事には着替え一式を持ち込んで、定時になるや否やさっさと退勤。足早に歌舞伎町へと向かいました。この時間帯の新宿は激混みですね〜。ここ最近残業ばっかりで、すっかり遅い時間に退勤することがデフォだったから、この人混みは久しく経験してなかったぜ。

 

さすがに開演時間には間に合いませんでしたが、15分ほどの遅刻で済む。最初はDJが異国の民謡ロック(?)を流していて、BRAHMANは19時ごろの出演になるらしい。今日持ってきた上着が、VIRGOwearworksの2万くらいするジャケットだったので(何でライヴの日にンな高えモン着てくんだよと自分でも思いました。何でだよ)、さすがにこれでモッシュピットに入るわけにはいかない。

 

しかし30個しかないコインロッカは当然全て使われている。ジャケットはなるべく汚したくないが、狭小なライヴハウスBRAHMANモッシュ無しはイヤだ。

 

そんなダイブルバインドに悩まされた僕は、2万のジャケットをパーカーみたいに腰に結びつけるという暴挙に出ることにしました。着たままよか幾分マシだろ!うん!ちゃんと洗濯しよ。

 

 

BRAHMAN

これまで異国情緒溢れるエスニックなポップスをDJがかけていたのですが、それが登場SEに切り替わると歓声が上がり、グイグイとオーディエンスが前に詰めかける。

 

メンバーが登場し、ドラムのシンバルをRONZIさんが静かに鳴らし始めると、すぐに最初にナンバーがわかる。これは「初期衝動」だ。

 

ズンズンと響くギターリフが刻まれ、シンガロングとTOSHI-LOWさんの魂のヴォーカルが繰り出されると、早速強烈なモッシュピットの登場。僕は少々後ろの方にいたので、発生したピットにもみくちゃになるということはなく、台風の目のちょうど後ろくらいの位置どり。そのためモッシュしつつも後ろからの圧迫がなく、比較的体の負担が小さい※(注)

(注)「あくまでBRAHMANのライヴとしては」「Hands and Feet 9のツアーと比べて相対的に」の意

 

そのため普段のBRAHMANのライヴに比べて、多少はステージ上を見る余裕が生まれるのですが、本日のライヴの仕上がりはややラフな感じか。スピードも音源に比べて遅めて、ギターの密度もちょっと軽め。良くも悪くも荒々しい印象。

 

まあこのバンドのライヴの丁寧さは求めちゃいないので、このくらいガツガツで全然問題なし。

 

今回は異国から来たバンドとの対バンということもあり、なんとなく予想していましたが、カバー曲が多いセットリスト。2曲目から「MIS 16」のベースラインでミステリアスな空気を醸し出し、ド定番の「CHERRIES WERE MADE FOR EATING」(ゴダイゴは日本だけど)、激しいライヴハウスがいったん静かな空間へと切り替わった「FROM MY WINDOW」と、ハードコアの中に海外民謡の空気感が漂わせる手腕が光ります。

 

今回のハイライトになった楽曲は、極初期の楽曲である「晴眼アルウチニ」でした。この曲もLes Négresses vertesというグループの日本語カバーなので、やってくれるのでは?という淡い期待は抱いていたのですが、いざ実際に不穏なベースイントロが流れ出したら、「マジか!?」という驚いてしまう。

 

もちろんライヴで聴くのは初めてなので、一音一音耳に刻みつける気持ちで浸りつつ、「我を償え!」のシンガロングをキメる。この呪詛的なムードで会場の空気がまた一段階変わった感じです。

 

後半はバラード調の楽曲を多めに配して、落ち着いたひとときに。ここでボロボロになった体を少し休めることに成功。なお「鼎の問」はDES-KONTROLのドラマーの彼女のリクエストなのだとか。良いセンスしてるな!

 

その後は少し長めのMCタイムで、2019年にバスクBRAHMANがツアーへ行った際のエピソードを語る。「現地のオッチャンに散歩に連れて行ってもらえると思ってついていったら、30分くらい経った段階で「これ登山してねえか?」と気づいた」「往復4時間かけて帰ってきたら、その夜にライヴがあって、終わった後は動きがロボットダンスみたいになってた」という、聞いてる方は笑えるものの、当時は大変な思いをしたであろうお話。

 

登山中に先導してくれたオッチャンが「疲れてないか?」「水飲むか?」と、言葉は何にもわからなくても、不思議と何を言ってくれてるかがわかる。住む場所も言葉も文化も違うが、根底にある気持ちは同じだということがバスクのツアーで分かったと語った後の「Slow Dance」。これまでBRAHMANの「静」の楽曲が続いてきた中で、徐々に徐々に熱を帯びていくフロアの空気。

 

この空気に僕も当てられてしまい、モッシュのスペースが生まれたのだから、ここで一気に前に行くべきでは?という思考に。覚悟を決めて前方に突っ込むと、疾走パートでクラウドサーファーがバンバン降ってくるモミクチャタイムへ。一発脳天に強い一撃をもらっちゃったよ。

 

どこかに俺が映ってるよ

 

そしてダメ押しのラストナンバーは「The only way」で怒涛のクライマックス。僕はこの時点で前から2列目くらいの激近場所にいたので、この時点でステージの状態をしっかり見ることは諦めて、クラウドサーファーを裁きながら、大声を上げてバンドのパフォーマンスに応えることに専念しました。TOSHI-LOWさんの鬼神っぷりはやはりいつ見ても迫力満点だぜ。

 

 

DES-KONTROL

正直なところ、全然知らないバンドでした。バスクから来たパンクバンドという事だけ調べていましたが、楽曲は聴いておらず。

 

新年度スタートの月曜日で、この後4日間仕事が待っていると考えると、この時点で帰った方が賢い選択かも、という思いもあったんですが、こんな機会でもない限り観ることはできないバンドですからね。遠路はるばるやってきてくれたのに、少しも観ないというのも失礼な話ですし。

 

やはり今回のお客さんは9割方BRAHMANのファンだったようで、先ほどのギチギチフロアとは打って変わって、だいぶスペースには余裕がある。そんな中にもAUTORITY ZEROのTシャツを着た人や、鋲ジャンを着たハードコアなパンクスがいたりと、このバンド目当てと思しき人もいる。

 

海外のパンクバンド、それもアメリカとかイギリスとかとは異なる国からということで、フォーキッシュというか、異国情緒を活かしたバンドなのかなと思っていたのですが(開演前のDJが流してる曲もそんな感じだったし)、歌詞が英語ではない(スペイン語なのかな?)ことを除けば、オーソドックスなファストコア。

 

ヴォーカルパートがほぼ全部シンガロングというか、メンバー全員で歌い上げる、というか叫び上げる感じで、サウンドから感じられる勢いはかなりのもの。ベースの音がかなり目立ってブリブリしているのがハードコア的ですね。

 

メロディーをかなぐり捨てたハードコアというほどではないものの、メロコアというほど叙情性があるわけでもない。めっちゃシンプルなハードコアパンクで、ライヴで聴く分にはかなり盛り上がる。

 

そのバンドの熱がフロアにも伝わってきたのか、大半の人は様子見のような感じだったのですが、ライヴが進むごとに体を揺らし手を挙げる人が増えていく。人数こそ少ないながら、バンドに煽られる形でモッシュピットも発生していました。

 

バンド側もどんどんオーディエンスをノせていきたいのか、缶ビールを何本もフロアに投げ渡すサービスも披露。酒好きにはたまらん時間ですね。僕は酒はほとんど飲まず(今日のワンドリンクはカシオレだったけど)ビールはあまり好まないから、特に受け取りませんでしたが。

 

しきりに「どうもありがとう!」「サンキューBRAHMAN!」と呼びかけてフレンドリーな印象を強めつつ、ステージにTOSHI-LOWさんを呼び込んで、肩を組みながら共にシンガロング。おそらくTOSHI-LOWさんも酒が入ってるんでしょうか、かなり笑顔を浮かべてご機嫌な様子でした。

 

 

楽しめることが確実に分かっている狭小ライヴハウスBRAHMANに、シンプルでアグレッシヴなパンクの何たるかが伝わるDES-KONTROLと、2時間半ほどのライヴハウスの醍醐味をしっかりと味わえました。特にDES-KONTROLは思った以上に楽しかったので、わざわざ日本まで来てくれたお礼も兼ねて、物販でCDを購入しました。

 

狭いライヴハウスならではの光景として、普通に通路にTOSHI-LOWさんとKOHKIさんがいて、「うおっ、間近にいる!?」というミーハー心に火がつきかけるのですが(笑)、さすがにライヴ終わりで疲れている中絡んでも迷惑だろうと思い、横目で見る程度にとどめながら会場を後にしました。

 

タバコ臭い階段をのぼっていく中、「TOSHI-LOWお疲れ!」と酒のカップを受け取るTOSHI-LOWさんを見て、改めてライヴハウスって良いねと思いましたね。アングラな空気の中で、横のつながりが垣間見える感じは、大会場やフェスでは体感できないので。