ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

1/13 BAD FOOD STUFF Originals at 豊洲PIT

1997年より不定期開催されているライヴイベント・BAD FOOD STUFFに行ってきました。会場はつい先日BULLET FOR MY VALENTINEを観に行ったばかりの豊洲PITです。

 

このイベント、前回の開催が2012年なので12年ぶりの復活とのことですが、その2012年の開催ですら12年ぶりらしく、干支が一周するに合わせてやってるのではないかとすら思ってしまいます。

 

メンツはトリのBACK DROP BOMBに、BRAHMANLOW IQ 01SCAFULL KINGと、90年代〜00年代前半に青春を過ごした、いわゆるオッサンホイホイな並び。94年生まれの僕は当然ながらメインターゲットではないのですが、BRAHMANに加えてバンドブームを駆け抜けた有名アーティストが観られるのなら悪くないラインナップだなと思ってしました。

 

一足先に豊洲に到着し、R.O.STERのコーヒーとサンドウィッチで休憩を挟んだ後に、会場となる豊洲PITへ。ソールドアウトしているだけに結構な人だかり。

 

BRAHMANの新作Tシャツだけ物販で購入して、ロッカーに荷物を預け入れたあと、フロアの前方へと移動。風邪が治った直後の病み上がり状態であるため、モッシュが発生しなさそうな端寄りの場所で待機していました。視界はかなり良好で、ステージ全域を見渡すことができる。

 

 

LOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS PLUS

僕の中では、何度見ても正確なアーティスト名を覚えられないことで専らの噂である、LOW IQ 01がトップバッター。

 

真っ青なジャケットに帽子を目深に被った姿は、去年のRUSH BALLで観た時同様に、大きな存在感を放っていましたが、やはり個人プロジェクトによるものだからか、ご本人とバックバンドのオーラにだいぶ差があるように見受けられます(特にドラムなんか白Tでメッチャ普通のルックスだったし)

 

あまり僕好みのメロディーが聴かれるわけでもなく、曲のスタイルもメロコアっぽくもありパワーポップっぽくもありといった感じで、個人的琴線に触れるタイプの曲ではないのですが、ベテランらしい余裕あるショウ運びにピースフルな空気感で、最初の段階から会場の空気をどんどん掌握してみせていました。

 

ラストの「Little Giant」は一際大きな盛り上がりになっていましたが、テーマになった磯部さんは特に出てくることはありませんでした。ステージ袖にはそれっぽい人いたような気がしたんですけどね。

 

 

SCAFULL KING

結成は90年になるというベテランスカコアバンド。有名バンドながら観るのは初です。

 

メンバーの見てくれは「いいオッサン」な感じですが、KEMURI伊藤ふみおさんのような飛び跳ねをバンバン披露し、ステージ上のはっちゃけっぷりはかなりのもの。メンバーの人数が多いのもあり、全体的に派手で華がありました。

 

個人的にスカコアはホーンの音色も含めて能天気っぽさが強くて、あまり惹かれないタイプの音楽ですが、ライヴで観る分にはやはり楽しいものがあります。体を揺らすにはピッタリですね。

 

「楽屋の雰囲気が同窓会みたいなものだ」という発言からもあった通り、メンバーはだいぶリラックスした感じ。それが反映されてか、全体的にMCが雑で、身内ノリっぽさが強いのはあまり良い印象ではなかったですが。

 

最後の方には、「すでに解散してしまったバンドのカバーをやります」と言い、SUPER STUPIDの曲を披露。ヴォーカリストのご本人登場もあり、ここで盛り上がりのピークを迎えた感じでした。僕は当然SUPER STUPIDは通ってきていませんが、メインの客層はド世代でしょうから、ナイスサプライズだったでしょうね。

 

 

BRAHMAN

ここにきて僕にとってのメインアクトが登場。転換のタイミングで中央前方にまで歩みを進める。病み上がりの体に鞭打ってモッシュピットに飛び込むつもりですよ。

 

SEでTOSHI-LOWさん以外のメンバーが登場し、「THAT'S ALL」のイントロが流れて、後方からの圧迫が一気に強くなる。まだ疾走してない段階ながらも、さっそくクラウドサーファーが準備を初めており、熱気は十分といった感じ。

 

そして疾走パートが始まれば、お馴染みのモッシュ地獄の開幕。常に頭上に人が降ってきて、頭に足が直撃するわ、体全体が潰れてしまいそうになるわで、熾烈な環境にあっという間に変貌。この自我を失いそうになるほどヘロヘロになりながら、モッシュに飲まれる瞬間こそBRAHMANのライヴの醍醐味なのです。

 

今回はメンツがメンツなだけに、セットリスト前半が初期の曲のみで構成されていて、「GREAT HELP」「BEYOND THE MOUNTAIN」以外はすべて『A MAN OF THE WORLD』からの曲という徹底ぶり。なかなかライヴで聴くことが叶わなかった「NO LIGHT THEORY」がプレイされたのが一番のサプライズでした。

 

古くからのファンが多く集まる会場で、この初期曲満載セットリストなので当然反応は超良好。常に怒号のような感性とシンガロング、フィストハングにクラウドサーフの雨アラレ。何とかステージに視線をやることで、格闘家のように(実際に格闘家だが)ステージを躍動するTOSHI-LOWさん、民族音楽的フレーズを冷静に紡ぐKOHKIさん、ベースをブン回し、得意のハードコアなシンガロングも炸裂させるMAKOTOさんの姿を拝むことができる。RONZIさんまでしっかり視認するのはさすがに厳しかったです。

 

そんな怒涛の流れから、空気が一気に変化したのは「満月の夕」。今年の1月1日に起きた出来事は、バンドを結成した年の1月17日に見た光景と同じだったと語る。あの光景をテレビで見た後は、やはりこの曲をやらないわけにはいかないと悟ったのでしょう。

 

「今夜」と続けて、先ほどまでの喧騒が嘘のように落ち着き(シンガロングがあったので静かだったわけではないが)、そこからラストスパートとばかりに飛び出したのが、コロナ禍により生まれた「Slow Dance」。徐々に徐々に高まっていく空気に触発され、少しずつモッシュの波が生まれ出していく。

 

「懐メロじゃねえ!俺たちはいつでも最新型!2024年のBRAHMAN始めます!」と高らかに宣言した「賽の河原」で、最後の極圧モッシュを生み出して、容赦無くマイクを叩きつけて終了。破壊音がしばし反響する中、圧巻のライヴは幕を閉じました。やはりこのバンドのライヴはいつ観ても圧倒的。年始からその事実を突きつけてくれました。

 

 

BACK DROP BOMB

トリのBACK DROP BOMBは、先ほどのモッシュにて体力をガッツリ奪われたので、少し後ろに下がった状態で観る。

 

トリということもあってか、開幕レーザーのような照明演出が入るも、その後は普通にSEと共に登場してライヴ開始。

 

日本のミクスチャーロックというジャンルの代表格ポジションにいるバンドですが、Dragon Ashのようなロック色は薄めで、山嵐のようにワルでヘヴィな要素も少ない。疾走感も控えめだし、どこか落ち着いた感じのオルタナティヴロック的色合いすら感じられました。

 

一本化されておらず多様性があると言えば言えるのですが、個人的にはちょっとわかりやすさに欠けるというか、暴れられるような音でもないし、ラップに圧倒されるわけでもなく、「どうノったらいいんだろうな?」と思ってしまった。フロア全体もそこまで熱狂してるって感じじゃなかったですし。

 

ラップ入りの音楽だったら、RUSH BALLで観た山嵐、東京ガーデンシアターで観たLimp Bizkitの方がわかりやすく頭を振れて好きかも。

 

他にはもうちょっとハードコアテイストの強い楽曲もあるとは思いますが、先ほど書いた通り、僕は風邪から復帰したばかりなので病み上がりの体、かつモッシュ疲れに苛まれている状態で、光と爆音を浴び続けるのはだいぶ体にこたえる。

 

そのため、頭の20分くらいを観た後に、少々後ろ髪を引かれる思いを抱えつつも、フロアを後にする決断をとりました。これはコンディションを考えた上での戦略的撤退であって逃げではない。断じて。

 

 

そうして一足先に会場を後にした僕ですが、僕と同様にトリが終わる前に帰る人もそこそこの人数がいました。まあトリに興味がない人だっているでしょうし、こんなもんでしょうね。

 

荷物をまとめて外に出ると、天気予報通り雪が降ったようで路面はベショベショ。そして凍えるほど寒い。汗をかき疲れた体にはあまりにも毒な環境のため、せっせとその場を後にしました。次にこのイベントをやるとしたら、また12年後になるのかしら?