ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

1/7 THICK FESTIVAL 2024 at CLUB CITTA'

SECRET 7 LINEが主催するフェス(というか規模の大きい対バンイベント)、THICK FESTIVALに行ってきました。このイベントに行くのは今回が初です。

 

主催のSECRET 7 LINEは、高校時代に3rdアルバム『APATHY』をリアルタイムで聴いてたことはありますが、それ以外にこれといった思い出・思い入れがあるってわけではありません。

 

そんな僕がなぜこの日に限って行くと決めたのかは、今回出演するメンツにLast AllianceとLOCAL SOUND STYLEがいるからですね。

 

show-hitorigoto.hatenablog.com

 

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Last AllianceとLOCAL SOUND STYLE。国内のJ-PUNKシーンにおいて、特に哀愁のメロディーを紡ぐことに長けている、二大エモコアバンドといっていいでしょう。もちろん僕も両方大好きです。

 

Last Allianceは2013年にフルアルバム『Seventh Sense』の発表とレコ発ツアーを行った後、年に数本程度のライヴくらいならするものの、ほぼ活動休止といってもいいほど動きを見せなくなり、LOCAL SOUND STYLEは2019年に奇跡の復活を果たすも、すぐにコロナ禍に突入したことで、元々活発に動く予定はなかったとのことですが、さらにそこへ制限がかかることになってしまいました。

 

そのためこの2組のライヴを観ることができる機会というのは、あまりに希少なもの。Last Allianceは2011年の「for staying real BLUE. Tour」で1回観たっきりですし(もう12年以上も前なのか...)、LOCAL SOUND STYLEにいたっては1回も無い。

 

そんなバンドをですよ。出演時間の短いイベントとはいえ、1日で両方とも観られるんですよ。そんなの行くしかないじゃないですか。

 

というわけで3連休の中日に川崎へ。開演30分前くらいにチッタに到着したのですが、もうこの時点で整理番号の呼び込みは終わっている。中も大して混雑はしていない。この後どんどん人の数は増えていったわけですが、せっかくのイベントだというのに少し寂しい客入りかも。

 

クラブチッタで2ステージって、どんな風に分けるんだろうなと思っていたのですが、単純にステージを真ん中で2分割しているだけでした。

 

 

トップバッターのMAYSON'S PARTYは全然知らないバンドでしたが、音楽的にはかなりゴキゲンなスカコアで、最初に会場を温めるにはちょうどいいパフォーマンスを披露していました。人数が多いので見栄えがいいですね。

 

パッと聴いた印象ではHEY-SMITHフォロワーって感じでしたが、あちらよりストレートなメロコア要素が薄めで、陽のオーラが強い感じでしょうか。こっちの方が好きって人も多いと思う。

 

その次に登場したNUBOは、かつてNorthern19の対バンで千葉LOOKで観たことがあります。当時は今よりもっとメロコアにハマっている大学生だったので、普通に楽しんで観られた記憶があるのですが、さすがに今の年齢・嗜好になると、青臭すぎるMCの内容も相まってかなり小っ恥ずかしい(笑)

 

メンバーがインフルエンザにかかり、出演がキャンセルになったa crowd of rebellion(今回のメンツでは観たい度の高いアクトだっただけに残念)の時間は、SECRET 7 LINEのアコースティックセッションが行われることに。僕が知ってる曲は「DOWN TO HELL」くらいしかなかったですが、どの曲も牧歌的かつポップなメロディーが響いて、単純に聴いてて心地よかったです。

 

その後は、このライヴの協賛ブランドのTシャツやパンツ、リュックなどのグッズが、壇上のシクセブメンバーから数多く投げ入れられるという、恐ろしく太っ腹なサービスタイムが(毎年やってるらしい)

 

僕も可能であればゲットしたかったものの、この手のアイテム投げ入れタイムにはやはり縁がないのか、最終的に一個も手に入れることはできず...。LOUD PARKで手に入れたSymphony Xのドラムスティックで、その手の運は使い切ってしまったのだろうか...

 

 

Northern19

本日のお目当ての1組目はNorthern19。このバンドのライヴもかなり多く観てきたな〜。

 

初っ端から「STAY YOUTH FOREVER」というエンジン全開の出だしであり、当然ながらリフトの数が凄まじく増える。フロアの人口密度も目に見えて増えていて、熱きライヴハウスの光景が目の前に。

 

僕は体力温存の観点から(あとは替えのTシャツを持ってきてないから)モッシュピットには入らず、少し後ろの方から観ていましたが、やはりこの叙情性たっぷりのメロディーと爆速のドラムはテンション上がります。

 

実際の今日の出演組の中で、ドラムの突進力およびパワフルさについては、ノーザンの馬場さんが一番だったのではないかと思います(次点でlocofrankのよこしんさん) ドッコドコのツービートがメチャクチャに気持ちいい。

 

30分弱という持ち時間の短さもあり、MCは控えめにして矢継ぎ早に曲を投下し続ける。「MORATORIUM」「TRUTH」以外は全部疾走チューンという潔いセットリストも功を奏し、終始爆走に身を委ねることができる。

 

これまでのライヴと異なる点としては、「MORATORIUM」は本来笠原さんがメインヴォーカルを担当する曲ではないはずが、敦賀さんではなく笠原さんが普通に歌ってた点くらいで、あとは従来通りのノーザンらしいライヴ運び。ガムシャラでありつつ安定感もあるステージでした。唯一の難点としては「MAGIC TIME」の敦賀さんのヴォーカルが埋もれ気味で、聴き取りにくかったくらいかな。

 

 

THE CLOVERHEARTS

オーストラリア出身のアイリッシュパンクバンド。どうやら正月早々日本でツアーをやっていたらしく、その流れで出てもらいましょう的な感じでオファーがあったと推察されます。

 

アイリッシュパンクというジャンル自体、DROPKICK MURPHYSFLOGGING MOLLYくらいしか知らない僕、当然このバンドについては予備知識はまったく無い状態でしたが、ライヴは非常に良かったです。

 

バグパイプ(曲によってはホイッスル)を担当するメンバーを入れ、ポップかつどこか牧歌的とも言えるメロディーが際立つ。

 

演奏やライヴパフォーマンスにおいて、何か特別な事をしている訳ではないのですが、溌剌としたエナジー溢れるサウンドを展開。目の前のオーディエンスに「Friends!」と呼びかけるわかりやすいMCもあり、尻上がりに会場が温まっていきました。

 

メロディーにガッツリと哀愁やらフックがあって、というタイプではないため、音源だけ聴いたらどう感じるかはわかりませんが、ライヴは非常に観てて楽しいタイプのバンドでしたね。「カントリーロード」のカバーを披露した際には、クラウドサーファーに対して盛んにグータッチしたりと、コミュニケーションも豊富でした。

 

 

LOCAL SOUND STYLE

真打登場。

まさかこのバンドのライヴを観ることができる日がくるとは。

 

前述の通り、長い活動休止期間を経て復活したあと、すぐにコロナ禍に突入してしまった不運のバンド。可能ならば13年前のノっていた時期のライヴを観たかったものですが、ないものねだりをしてもしょうがない。今のバンドの姿を全力で目に焼き付ける。

 

MVやライヴ動画で見た姿とは、かなり雰囲気の変わった荒関さん(10年以上経っているから当然か)がフロントに立ち、ゆっくりと「Starting Over」の歌い出すと、歓声と拳が一気に上がる。

 

今回は30分にも満たない持ち時間なので、必然的に曲数は絞られてしまうのですが、そんな中で披露されたのが以下の通り。

 

1. Starting Over

2. Don't Look Back On Winding Roads

3. Everyday Means All

4. Out Of Color

5. Take Me To The Place

6. Carry On

 

......どうですか、これ。

わかる人にはわかっていただけるかと思うのですが、これとんでもない哀愁の波状攻撃ですよ。

 

マジで限られた中で最大限ベストを尽くしたと言わんばかりの、最強のセットリスト。キラーチューンしかないじゃん。何も言うことない。

 

どの曲にも青く煌めく極上の切なさ、美旋律が宿っており、アルバムを聴いて胸をときめかせたかつての記憶が蘇ってくる。

 

2020年に発表された再録アルバム『All That Remains』は、だいぶかつての勢いが削がれてしまった印象を受けてしまいましたが、ライヴにおいては音圧も充分で、そのメロディーの良さと合わせて、胸の高鳴りが抑えられなくなりました。

 

僕のすぐ前には、ライヴ中ずっと顔をシワクチャにして号泣し続けるお兄さんもいて、「わかるよ、ずっとこの光景を観たかったんだよね...!」と共感してしまった。さすが泣きはしませんでしたが(笑)

 

実際このバンドのメロディーの魅力は尋常ではなく、号泣お兄さんと同じように涙腺が壊れて顔面ビチャビチャ、そのまま家に帰っても枕を濡らし続けるザマになってもおかしくはない(大袈裟です)

 

彼らのレパートリーでも、トップクラスの普遍的魅力が光るメロディーを持つ「Take Me To The Place」に、バンドを代表する名曲「Carry On」の二連打という、これ以上ない最高のクライマックスで無事に昇天してしまいました。もうこれを観ただけでこの日来た甲斐があった。

 

 

その後は次のお目当てであるLast Allianceまで時間が空くので、少々フロアを出て休憩。長丁場ということもあり、ドリンクだけではなくフードの用意もされており、新潟の名物であるタレカツ丼を食べる。なぜ新潟なのかは不明ですが、おそらく元日の震災の支援の意味合いがあるのかも。

 

その休憩中に、すぐそばで30〜40代くらいのお兄さん方が談笑していたのですが、その内容が、

 

「今回のメンツは15年前のROCK IN JAPANみたいなもんだよ」

「お客さんもステージの演者も両方年取ってきてるよな〜」

「今の若い子はもうメロコア聴かないから。YOASOBIとかimaseみたいなシャレオツなやつ聴いてるから」

 

確かに改めて今日の客層を見てみると、邦楽フェスでよくみるディッキーズの短パン履いた、いかにもなナリのライヴキッズはほとんどいなくて、そこそこ年齢を重ねた人たちの方が多い。

 

そうか......もうメロコアは「そういう音楽」になりつつあるのか...と、裏寂しい気持ちになってしまいました。今のJ-ROCKシーンで新しいメロコアバンドがヒットするって、なさそうだもんな〜...

 

そんな気持ちを抱きながら、頃合いを見計らってフロアに戻り、Last Allianceのライヴ待ち。その隣のステージではEGG BRAINのライヴが始まる。

 

 

EGG BRAIN

そこまでしっかりと聴き倒してきたバンドではありませんが、高校生くらいの時期にはちょっとチェックしてたこともあるバンド。ライヴはROTTENGRAFFTYのツアーで、札幌のベッシーホールで対バンを観た時以来だから、このバンドもLast Alliance並みに久しぶりだ。

 

まず何よりも「懐かしい」という感情が先に出てくる。大学生以降はほぼ聴いてきてないだけに「BELIEVE」〜「SEVENTEEN」〜「YEAH! YEAH!」という流れを聴いて、「ああ〜〜!そうだそうだ!このバンドこういう曲やってたよ!」と、青春時代の記憶がフラッシュバックしてくる。

 

10年以上ぶりなのに、曲の頭だけ聴いた時点で「この今曲知ってるわ」という風になるのは、このバンドのキャッチーさが優れているからでしょう。実際このバンドのリードトラックって、シンプルに良い曲ばっかですよね。

 

ライヴパフォーマンスも安定しつつ、適度にアグレッシヴに動いて、演奏もヴォーカルもブレがない。際立った要素こそないものの、全ての要素が高い次元でまとまっていて、純粋に「良いライヴだ」と思える内容。あの頃から長い年月を経ても、未だにジョーイさんは爽やかなルックスをキープしていました。

 

ちょっとベースの音が硬質すぎるというか、バキバキと角が立っている質感なのは、あまりこの手の音楽には合わないんじゃないかという気がしつつも、音源もわりかしそんな感じだから、これがこのバンドの嗜好する音なんでしょう。

 

 

Last Alliance

LOCAL SOUND STYLEに続いて、本日最大の注目株。ここ近年ずっと休業状態といってもいいバンドの登場。

 

メンバーがSEに合わせて登場すると、どうもリードギターとドラムが別顔になっている。コンディション不良により、TRIBAL CHAIR(これまた懐かしい名前が)の元メンバーがサポートとして入っている様子。正式メンバーはANZAIさんとMATSUMURAさんの2名だけ。

 

純粋なラスアラメンバーではないことは残念ですが、ライヴを観られるだけありがたいものです。

 

そして1発目は「疾走」。イントロの切れ味鋭いリフが流れた時点でもうアドレナリンがボーーン!ですよ。ようやく右手左手振りかざして闇を切り裂いてGOできましたよ。

 

正直ANZAIさんのヴォーカルはだいぶ不安定というか、高音部分をかなりフェイクでごまかしていた印象があったものの、もうこの興奮状態ではそんなのどうでもいい。

 

「a burning bullet」「プロメテウス」というシリアスな魅力が支配する楽曲で、モッシュ・ダイブの嵐を巻き起こすのは序の口、「ここから飛ばしていきます!」とMCで宣言された通り、後半の勢いがハンパではない。

 

Last Alliance最強のキラー「片膝の汚れ」で、"立ち上がり奪う世界を!"のシンガロングと共に、大量のリフトを生み出したと思えば、まさかこの曲が聴けるとは思わなかった「剣戟の響き」にて、中央にサークルピットを作り出す。

 

そして熱量が最高潮に到達した段階で、ラストにバンド名を冠する超名曲「LAST ALLIANCE」。あまりにも切ない激情のメロディーが爆走する曲で、イントロが流れた時点でリアルガッツポーツをとってしまいました(笑) テンション上がっちゃってて...

 

異質なまでのポップさ、バンドの武器である珠玉の哀愁と爆走感、これらが短い中に凝縮された凄まじいステージでした。もうお腹いっぱい。

 

 

GOOD4NOTHING

ラスアラのライヴの余韻に浸かっていたいところですが、すぐさまG4Nのライヴが始まるため、何とかして頭を切り替えて隣のステージへ。

 

フロントマンのTANNYさんが脱退して、3ピースとなって久しいバンドですが、何気にこの編成になってライヴを観るのは初めてか。

 

3人しかいないステージにはやはり違和感が禁じ得ないものの、楽曲の魅力は申し分なく、ポップで少し切なく、キレまくった暴走テンポで強引にフロアのテンションを上げていく。本日一番メロコアらしいステージングだったのは間違いない。

 

ただ、残念だったのは音。ギターリフとヴォーカルがダンゴになって、音の輪郭が掴みにくいことこの上ない。何とかうっすら聴こえるヴォーカルで、メロディーを追うことはできるものの...

 

まあ曲が良いし、勢い任せな魅力があるバンドだから、多少音響が悪くても何とかなっちゃうんですけどね。キッズ大喜びの爆速チューン「Maximize」に、彼らの楽曲でトップクラスに良質なキャッチーさを持つ「One Day I Just」が聴けたのが良かったです。

 

 

locofrank

G4N終わりでまた休憩を挟み、THE CHERRY COKE$ケルティックなメロディーで身体を揺らしたあと、locofrankのステージへ。ドラムがよこしんさんに代わってからは初めて観るかも。

 

問答無用の名曲「START」を皮切りに、「Returning」「Mountain range」とライヴ定番の楽曲で、THE CHERRY COKE$が作り上げた酔いどれの空気感を、しっかりとメロコアライヴハウスのものにしていく。

 

「Hate to lose」のような新しめの曲(といってもこれも5年以上前ですが)で、まったく勢いや盛り上がりが削がれないあたり、このバンドのライヴ力が優れていることを改めて実感できる。

 

凄まじくパワフルなドラムを聴かせていたTatsuyaさんの後任となったよこしんさんは、さすがにパワー面ではTatsuyaさんに劣る印象がありつつも、それでも必要十分な勢いがあり、合間にスティック回しを高速で入れてくるテクニカルさも見せてくれる。楽曲のクオリティーが損なわれるようなことは全くなかったですね。

 

そして先ほどのG4Nはなんだったんだと言いたくなるくらい音が良かった。各楽器バランスよく聴き取れるし、安定したヴォーカルもガッツリ聴ける。この音響バランスを維持しててほしかったな。

 

「Grab again」「reason」という我が青春のアンセム二連発では一気に胸がときめいたし、ラストの「See You」は弾むようなリズムで熱狂的なノリを生んでいました。MC無しのノンストップな構成もあり、怒涛の勢いを感じさせる「これぞパンク!」なステージでした。

 

 

トリは主催のSECRET 7 LINEとなりますが、個人的に観たかったバンドは全て観られたので、遅くならないうちにひとまずここで退場。僕のシクフェスはこれにて終了しました。

 

どのバンドも非常に良いパフォーマンスだったと思うのですが、やはりLOCAL SOUND STYLEとLast Allianceが揃い踏みしたという奇跡を噛み締められたのが一番大きいですね。エモーショナルってああいうメロディーのことを呼ぶんですよ。

 

ただ途中にも記した通り、客層が比較的年齢高めであったこと、EGG BRAINを観て懐かしい気持ちが際立ったことで、僕が青春時代に親しんでいたメロディックハードコアという音楽が「過去のもの」になりつつあるということを実感し、エモコアのメロディーで感じるのとは別の意味で切なさを味わったのも事実。

 

まあ日本の音楽シーンの新陳代謝が進んでいるなら、これはこれで悪いことではないんですけどね。やっぱり寂しいよねえ...。