ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

LOCAL SOUND STYLE 『HOPE』 (2009)

LOCAL SOUND STYLE 『HOPE』

青森県弘前市出身(結成は東京らしいけど)の4人組エモコアバンド・LOCAL SOUND STYLEが、8年以上の沈黙を破り活動再開をするニュースが飛び込んできました。

 

LOCAL SOUND STYLE、オリジナル・メンバーで8年ぶりに再始動!来年2月に地元青森にてワンマン・ライヴ開催&再録アルバム・リリース決定!

 

いや~~~これはビックリ&とっても嬉しいニュースですね!!個人的に彼らは国内のエモ/パンクシーンにおいてはLast Alliancedustboxに並び立つ、トップクラスのメロディーセンスを持ったバンドだと思っていたので。

 

彼らLOCAL SOUND STYLEは海外パワーポップ、エモ、UKロックバンドを中心としたレーベルのFABTONE RECORDSに日本人としては初めて契約したバンド(それがどれだけスゴイことなのかは僕ではイマイチわからない/笑)

 

インディーズで2枚のアルバムをリリースし、様々なバンドとの対バンや多くのフェス出演を経て、そのクオリティーの高い楽曲と共に着実に人気を集めていきました。

 

しかし2011年6月の自主企画ライヴをもって、その後に決まっていたライヴスケジュールをすべて白紙にし、バンドの活動を休止することを突然発表。そしてヴォーカルの荒関さんが個人的金銭トラブルによりバンドを脱退するという事態に陥りました。

 

ネットに転がってた噂なので真偽はまったく不明ですが、なんでも6月のラストライヴはMC一切無し、最後にベースの黒瀧さんが荒関さんに向かって飛び蹴りを放つという凄まじいものだったとか...そこに集まっていたファンの人たちの心境はいかほどのものだったのでしょうか...

 

そして残された3人はサポートミュージシャンとしての活動やら、文字通りのローカルバンドに参加するなどしていたそうですが、ギターの後藤さんがTHE STARBEMSに一時期加入していた事以外全くと言っていいほど話題にはならず、そのまま自然消滅してしまうものだとばかり思っていました。

 

そんな折、突然のオリジナルメンバーでの活動再開ですからね。正直メンバー全員普通の社会人になっていると思ってただけに、こうして音楽活動ができるのは喜ばしいことです。ELLEGARDENが活動再開したときの僕の下記のツイートが現実のものになったわけだ!

 

 

そんな彼らの活動再開を記念して(?)、2ndアルバムである本作の感想を書こうかなと思った次第です。

 

2009年に発表された本作は、前作『Doing It For The Kids』を大幅にスケールアップさせた、ジャパニーズ・エモコアの名盤といって良い出来に仕上がっています。

 

本作最大の美点は何といってもそのメロディーの良さdustboxをグッとエモ寄りにしたようなサウンドは、非常にポップでありながら叙情性抜群で、ハードコアになりすぎない絶妙な塩梅のバンドサウンドによるアレンジにより、青く煌めく哀愁を見事に表現している。

 

ストリングスをガッツリ導入して壮大さを演出したM1「Starting Over」から始まり、軽やかなアップテンポでメロウかつポップな極上のサビを繰り出すM2「Don't Look Back On Winding Roads」と来た時点で名盤認定してしまいたくなります。

 

その後もよりポップさを強調した曲、アップテンポエモコアの王道を行く曲、温かい叙情性を発散するスローバラードと展開されていくのですが、どの曲にも共通して言えるのがポップでフックに満ちた美メロ。これだけは最初から最後まで揺るがない。

 

特に前述のM2、シングルにもなった王道を行くエモコアチューンM6「Carry On」、これまた相当にキャッチーでほのかな哀愁も含んだサビが魅力のM10「Take Me To The Place」が個人的キラーチューンですね。彼らのメロディーメーカーとしての資質が如実に表れた楽曲だと思います。

 

アルバム全編で50分を超え、この手のバンドとしてはやや収録時間が長いのはネックと言えるかもしれませんが、とにかく何度も何度もしつこく書いた通り、とにかく本作は良い意味で日本のバンドらしいフックに満ちたメロディーの充実度が素晴らしい1枚。

 

しかしこれだけ普遍的な魅力を持つ作品を10年前に生み出せた彼らのこと、あのままバンド活動を続けていたら、いずれZeppあたりの会場を埋めるだけの存在に成長することだって夢じゃなかったはずなだけに、つくづく惜しかったな~...と。

 

いや、もちろん活動再開してくれただけ良かったんですが、バンド側の声明によると活休前のように活発には動けないらしいし、バンドシーンの盛り上がりがかなり沈静化されてしまった今、彼らがどれだけ新規層に認知されるかわかりませんからね。

 

M1「Starting Over」 MV

 

M6「Carry On」 MV