ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

Hawaiian6 『The Grails』

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  • RYOSUKEさんが参加した唯一の単独音源
  • 明るめの楽曲が多く哀愁度は薄れた
  • 悪くないけど激情が足りない...

 

こんなブログをわざわざ見に来てくれる方なら、もう知ってると思いますが、東京都内でも有数の大きさを誇る有名デカバコ、STUDIO COASTが、来年1月をもって営業終了となります。

 

natalie.mu

 

札幌在住の高校時代は、数々のバンドたちがツアーファイナルを行うための会場として活躍しているのを知り、いつかは行ってみたいと思わせてくれる場所でした。

 

そして大学進学のために関東へ越してからは、かなり頻繁に足を運びましたね。国内バンドのライヴが特に多く、dustboxのライヴでモッシュにまみれるも、高校の頃から著しく低下した体力に軽くショックを受けたり、DIR EN GREYのワンマンに行って、普段のライヴとはまるで違うオーディエンスのノリに困惑したり、CRYSTAL LAKEのステージダイヴに巻き込まれてしばらく口内炎ができたり、GALNERYUSの「ANGEL OF SALVATION」の合唱で大感動したり。

 

この規模の会場になると海外アーティストのライヴにはあまり恵まれませんでしたが、BULLET FOR MY VALENTINEが期待していた過去のキラーチューンを全然やってくれず、さらにマットが体調不良で離脱してしまった事があったかと思えば、HELLOWEENの超キラー「Before The War」を生で聴ける機会に恵まれるなど、かなり印象強いライヴが観られました。

 

show-hitorigoto.hatenablog.com

 

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とにかく東京の大会場といえばゼップよりもコースト、というイメージが植え付けられるほど、僕にとって身近なライヴ会場。そんなハコがあと半年で終了するとは……寂しいものですなあ。

 

そんな思い出深い会場コースト、僕が初めてそこに足を踏み入れたのが、ここで取り上げるHawaiian6のミニアルバム『The Grails』のレコ発ツアーファイナルでした。2013年の4月という事で、僕が大学生になったばっかですよ。関東に来て初めて観たライヴです。正直8年も前のことなので詳しく内容は覚えてないんですが...

 

さて、本作はHawaiian6結成からベース、そして張り上げるような高音コーラスでバンドの個性を演出してきたTORUさんが脱退してから初の音源。新たにベーシストとしてFUCK YOU HEROESのベース、STEP UP RECORDSの社長でもあるRYOSUKEさんが加入して作成されました(現在は脱退済み)

 

Hawaiian6といえば、聴いたことある方は嫌というほどご存知でしょうが、何と言ってもそのメロディーこそが最大の魅力。強烈な哀しみに満ちた激泣きのメロを垂れ流し、荒々しい演奏と共に爆走するのがたまらないのです。

 

本作もその基本線は守っているのですが......正直に言うとちょっと物足りない出来。

 

全体的にやや明るめのフィーリングが強くなっており、泣きの哀愁ナンバーはM1「Rats On The Run」とM2「The Electric Wizards and the Lonely Humming Bird」の2曲のみとなっており、あとはややポップな色を濃くした楽曲で構成されている。

 

もちろんM4「No Lights」やM5「Today」は、明るめでも非常にエモ的な切なさを含んだ良質なメロディーを聴かせてくれる楽曲でその点はありがたいのですが、やっぱりHawaiian6といえば暗く哀しい美旋律を期待しちゃいますよねぇ?ねぇ!?

 

また、過去作と比べて音質がマイルドというか、硬質な印象が薄れて丸くなった印象があり、この点が個人的に残念なポイント。最大の武器はメロディーとはいえ、あの尖りまくりの歪みを効かせたギターでリフを掻き鳴らし、乱暴に突っ込んでいくガムシャラさも胸を締め付ける叙情性に貢献していたので、それがマイルドになってしまうのはマイナスポイントにしかならないかなぁ...

 

本作を聴いた後に、一つ前のミニアルバムである『RINGS』を聴いてみたのですが、やはり「The Betrayer」「Shadows Of The Sun」のような曲からは、腹の底からグワっと熱くなる"激情"があり、「Star Falls On Our Hands Tonight」のようなポップナンバーにもこれぞという名曲感がありました。その点本作はちと弱いかな。

 

まあそれでも過去作との比較を気にしなければ、メロディーの質自体はしっかりと担保されているのは事実。前述したM1、M2のメロディーラインの哀愁感はさすがですし、リードトラックM5のサビは優しく切なく胸を打つ旋律が心地よい。

 

なお2013年には早々に脱退してしまったRYOSUKEさんは、Hawaiian6名義で出した音源では本作のみの参加で(dustboxlocofrankとのスプリットには参加)、まあベース、コーラスとしては可もなく不可もなしな印象。やはりTORUさんのインパクトは大きかったんだなと思わされます。

 

 

個人的に本作は

"メンバーチェンジ後もスタンスは変わらず。でも哀愁とガムシャラ感はやや弱め"

という感じです。

 


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