ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

PENNYWISE 『Land Of The Free?』

  • 姿勢からサウンドまで真のパンクロック
  • キャッチーだが甘く楽しいポップパンク臭は皆無
  • Fuck Authority!

 

SUM 41、BAD RELIGIONときて、さらにもういっちょパンクロックのアルバムについて書いちゃおう。

 

アメリカのパンクバンド・PENNYWISEの2001年発表のフルアルバム。現在は離れていますが、本作発表時はBAD RELIGIONのブレット・ガーヴィッツが代表を務めるエピタフレコードからのリリースです。

 

PENNYWISEは、ジャンルとしてはメロディックハードコアに区分されるのかなと思うんですが、このアルバムは(というかこのバンドは)、明るくピョンピョン飛び跳ねて楽しめるポップパンク的サウンドではまったくなく、モッシュやサークルで暴れながら中指を立てることができる、徹底した反骨心溢れるパンクサウンドに仕上がっています。

 

歌メロはキャッチーでメロディアスではあるのですが、決して"ポップ"には行ききらない。ヘヴィではないがペラくもない、適度なハードさを持ったサウンドが疾走し、社会や権力への怒りを吐き出すリリックが載る。まさにファッションやフェイクではない、正しきパンクロックの姿がここにある!

 

怒号とサイレンの音色で緊迫感を演出するM1「Time Marches On」から、PENNYWISEらしさ満載の疾走パンクが炸裂。そこからテンションを落とさぬまま、ザクザクとしたアグレッションを持つギターに、地を這うハードコアテイストあふれるベース、タイトな疾走を繰り出すドラムと、甘さの無いパンキッシュな躍動を楽しめます。

 

疾走する曲からミドルチューンまで、テンポの差はありますが、基本的に大体どの曲も熱量は変わらないまま突っ切っていく構成なので、単純で聴きやすい分飽きがくるのも早そう...って、同じこと『Never Gonna Die』の感想文でも書いたな。昔から曲の方向性にブレが無いんでしょう。

 

show-hitorigoto.hatenablog.com

 

捨て曲なんぞはなく、どの曲もPENNYWISEらしい硬派一徹のパンクが堪能できますが、やはり際立ってカッコいいのは、タイトルトラックとなる疾走ナンバーM2「Land Of The Free?」、サークルピットとシンガロング不可避なアップテンポパンクM4「Fuck Authoity」、"Yeah! Yeah!"の激アツシンガロングでメチャクチャテンションが上がるM5「Something Wrong With Me」の3曲ですね。

 

まあ曲がどうこうというよりは、曲名をそのまんま「WTO」にして、怒りと疑問を直球で歌詞にしたり、「クソ権威」なんてワードを使った曲がリードトラックになったり、徹底して社会や政治に中指を立てる姿勢そのものが、このバンド一番の武器でしょう。

 

格好だけではなく、スピリットに至るまで反体制を貫く、シリアスなパンクロックを聴きたいなら迷わず聴きましょう。そしてFuck Authorityの叫びを共に上げるのです!

 

 

個人的に本作は

"怒りと反抗の意思を突き通す本物のパンクロック。一本調子ながらタイトな勢いを感じさせる痛快さと、ポップにならないキャッチーさ"

という感じです。

 


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