ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

BAD RELIGION 『The Empire Strikes First』

  • BAD RELIGIONらしさ溢れる円熟味と叙情性
  • 疾走曲で特に光るエモーショナルなメロディーの数々
  • 最初のコーラスを聴いた時点で名盤確定

 

前回SUM 41について書いたので、続け様にパンクロックのアルバムについて取り上げてみましょう。アメリカンパンクの重鎮であり、メロディックハードコアの始祖とも言える大ベテランバンド・BAD RELIGIONの、2004年発表のフルアルバム。

 

前作よりギタリストのブレット・ガーヴィッツが復帰、古巣であるエピタフレコードに戻った彼らが、そのままの勢いで放った1枚。内容としては、BAD RELIGIONらしさが何ら損なわれていない、円熟味と土臭さを併せ持つ哀愁疾走パンクロックです。

 

本作にはバンドの代表曲として名高いM6「Los Angeles Is Burning」が収録されているのが、一般的なポイントでしょうか。ややポップなフィーリングが強調されたミドルテンポナンバーで、メロディーのフックはかなりのもの。

 

ただ個人的にはこの曲に抜きん出た魅力があるとは、あんまり思わないかな。印象に残る楽曲ではありますが、アルバムを象徴するキラーって感じではないかも。

 

本作において最大のインパクトを誇る瞬間は、やはり冒頭。イントロのM1「Overture」から一気に突入するM2「Sinister Rouge」、これが一発で名曲だとわかるキラーチューンで素晴らしい!

 

のっけから現れるのが、涙腺をブチ抜くコーラスですよ。"アーーーーアーーーーアーーアアッアーーアッ!!"の衝撃たるや絶大。この絶妙に胸を締め付ける哀愁の叙情旋律を撒き散らしながら、ハードに疾走する展開がたまんねぇのなんの!!後半に唸りを上げるリードギターと、グレッグ・グラフィンの激情のヴォーカルもカッコいい!!

 

本作を最初に聴いた時、この曲が流れた瞬間「こりゃ名盤だな」と確信を持ちましたからね。これぞBAD RELIGIONに期待されるエモーショナルパンク。

 

この曲を超えるほどの楽曲こそ収録されていないものの、バンドのスタンスには微塵もブレがなく、特に疾走曲における叙情性はさすがの一言。ギターフレーズにもヴォーカルにも、漢の哀愁がプンプン漂うM4「Atheist Peace」、M5「All There Is」の二連発は文句なしに最高だし、M10「The Quickening」のサビのヴォーカルと、バッキングコーラスの重なりも胸打つ哀しさに満ちてます。ギターソロも気合が入ってて大きな聴きどころ。

 

アルバムのラストを飾るM14「Live Again (The Fall Of Man)」のサビも良いですね!郷愁を感じさせるような切ないメロディーが疾走し、それに合わせてお得意のコーラスも合わさる様が、エモーショナル極まりない!クライマックスにふさわしい叙情性を醸し出しています。

 

国内盤ボートラとしてM15「The Surface Of Me」が収録されてるのですが、M14で聴ける哀愁で胸をいっぱいにした状態で、ややカラッとしたパンクナンバーがすぐさま来るのは、アルバムの余韻という点ではちとマイナスだな…。曲単体で考えれば悪くないんですが。

 

疾走曲からミドルチューンまで、BAD RELIGIONという名に求められるパンクロックをしっかりと踏襲した作品です。まあ彼らのアルバムはどれもブレ無しで一貫性があるので、他作品の明確な差分があるわけではないんですが。

 

まずはなんと言ってもド頭から聴いて、BAD RELIGION節100%のコーラスに撃ち抜かれる感覚を味わってほしいですね。

 

 

個人的に本作は

"一切変わらぬ哀愁を振り撒く、叙情性抜群のメロディックパンク。疾走曲の哀愁度が特に高い"

という感じです。

 


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