- 過去最高にアグレッシヴで強音圧
- 30分以内で爆走しまくる潔さMAXの楽曲群
- メロディーの素晴らしさには何ら変化なし
またまたdustboxの旧譜感想を。
2007年の4thフルアルバム『Seeds of Rainbows』で、国産メロコア界のトップランナーの地位を確立した彼ら。そんな傑作リリースから、わずか1年ちょっとのスパンで本作を発表しました。
前作があれだけの充実作であり、そこから大した期間を空けてないにも関わらず、これまた強烈な出来のアルバムなのが凄まじい。彼らに期待される哀愁のメロディーと疾走感には微塵も揺るぎが無く、さらに攻撃的なサウンドの存在感は増すばかり。
まず何といっても、音がデカい!スピーカーから今にも割れんばかりの歪みのギターリフがジャカジャカとあふれ出し、どっしりしたベースラインがサウンドの基盤をガッチリと固定。破壊的なドラムの連打は有無を言わせぬ迫力で迫ってくる。メロコアにカテゴライズされるアルバムにおいて、音の勢いと密度は間違いなくトップクラスのはず。
楽曲もアコギメインのバラードM8「Sleepless Night」と、ポップなアップテンポナンバーであるM10「Hand in Hand」以外はすべて爆走しまくりと言っても過言ではないほど、疾走感に満ちまくっているのも最高ですね。この怒涛の勢いでつんのめるテンポで、楽曲の破壊力はさらに限界点を押し広げられていく。
しかしどれだけ音が攻撃的になろうが、決して輝きを失わないメロディーの良さ!これが本当に素晴らしく、dustboxをdustboxたらしめていますね。全曲彼らならではのBrilliantなメロディーが堪能できる。
爆発力のあるサビとシンガロング、リードギターソロの勢いが凄まじく、ラストの叙情コーラスが泣けるM3「Spacewalk」、ヴォーカルメロディーがひと際美しい哀愁に包まれた、スケール大のM6「Bird of Passage」、REIJIさんの胆石誕生を元ネタとし、彼らのメタルな側面が思いっきり表出したM7「SxOxP」あたりは特に秀でた破壊力。ライヴでもおなじみの楽曲ですね。
そしてM9「Jupiter」は前作のキラー「Tomorrow」に匹敵するほどの哀愁とドラマチックさ満ちたメロディーで疾走する、本作最高峰のキラーチューン!この曲のクライマックス感が強すぎるせいで、このあとに続く決して悪い曲ではないはずのM10とM11「Life is Beautiful」のインパクトがやや薄れてしまっているように感じるほど。
30分を切る短さの中に、メロコアらしい疾走感と、dustboxらしい煌めくメロディー、パンチの効いた強音圧のサウンドがギッシリと詰まった国産パンクの傑作。前々作、前作と合わせて三部作とされているアルバム群ですが、まさに三者連続ホームランと言えるほどの圧巻の名盤ラッシュです。
個人的に本作は
"過去最高にアグレッシヴなサウンドに、従来どおりの極上哀愁メロディーを搭載した爆速チューンの乱打"
という感じです。
本作も公式のMVが上がっていないのでSpotifyで