ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

12/30 GALNERYUS / 20th Anniversary "THE RISING OF THE NEW LEGACY Pt. Ⅰ" at GARDEN 新木場 FACTORY

先日新年のごあいさつを書いたのですが、ちょっと時を巻き戻して年末のライヴについて。

 

日本が誇るメタルアクト・GALNERYUSの20周年記念ツアーの新木場公演へと行ってきました。海外公演を交えたツアーの最終日です。

 

会場となるGARDEN 新木場 FACTORYへ行くのは今回が初めて。STUDIO COASTが無くなってしまった以上、もう来ることはないだろうと思っていた新木場に、再度降り立つことになりました。

 

ただこの会場、駅と会場間でシャトルバスが出ているというのもあり、結構遠い。ペースによりますが15〜20分くらい歩きましたよ。

 

歩いている間に面白い商業施設とか休憩できるカフェとかがあるならまだしも、そこはさすがに新木場という場所。見渡す限り会社!工場!倉庫!って感じで、非常に殺風景。STUDIO COASTよりも辺鄙さに磨きがかかっている。

 

そして15分のウォーキングを終えてたどり着いたのですが、もはや見た目は完全に倉庫。とてもライヴ会場とは思えないくらい華やかさが無い。まあ会場設備さえしっかりしてれば、外装とかはどうでもいいっちゃいいんですけど、ここまで味気ない会場はなかなか他に見当たらないですね。

 

比較的近場にあるZepp DiverCityとかは、周辺の煌びやかさ故に、会場へ行くまでのワクワク感みたいなものがあるのですが、この立地と外観だとなかなか気分が沸き起こらないな...

 

フロアに入ってみると、かなり縦長な印象を受ける空間。内装はいかにも「倉庫を改造しました」ってな感じがアリアリで、ライヴハウスらしさは希薄でした。フロアが横長で、どデカいミラーボールや広々としたロビーも完備していたSTUDIO COASTと比べると、いろいろと対照的な会場でしたね。

 

ソールドはしなかったようですが、年末というのに客入りは上々。フロア中〜後方あたりから眺めることに。

 

開演時間ちょうどに暗転して、オープニングSEの「Meditation for the saga」が流れ、メンバー登場に合わせて歓声が上がる。思った以上にステージとの距離は近くて、結構肉眼で観やすい。もちろん前にいる人の頭部でステージ下半分はかなり遮られてはいますが。

 

小野さんの開幕宣言とばかりの超ハイトーンスクリームが響き、初期の代表曲「Struggle for the freedom flag」からスタート。土臭い哀愁が光る極上のメロスピで、早速会場のボルテージは沸点へ。どこか様式美臭ただようキーボードとギターの交錯が相変わらず魅力的でした。

 

また、外観こそショボい印象を受けてしまったこの会場ですが、音響に関しては結構良さげな感じで、各楽器の音がしっかりと聴き取れる。特に音源だとド迫力のギターで埋もれてしまいがちな、TAKAさんのベースラインがハッキリと聴けるのが嬉しいですね。音の厚みがしっかりしているので、ギターソロの段階になっても薄さを感じないのが良い。

 

バンドのパフォーマンスに関しては、もう百戦錬磨の超絶技巧集団なので、何の心配もなく観られる。YUHKIさんのキーボードが若干トラブったらしいのですが、遠目から観ている分には、特にそういったネガティヴな印象は抱きませんでした。ただ「CARRY ON」のイントロは若干キーボードの旋律が不安定だったから、そこで何かあったのかもしれないな。

 

しかし、改めて観てもやはりこのバンドはすごい。オープニングの「Strggle for the freedom flag」〜「CARRY ON」〜「HUNTING FOR YOUR DREAM」という凄まじい流れにより、このバンドの楽曲が持つ異常なまでの高揚感を再認識できる。「HUNTING〜」のポジティヴな飛翔感溢れるギターソロなんてたまらんものがありました。

 

前傾キーボードにて存分に高速の指捌きを披露するYUHKIさんに、バンドの中核を担う技巧を見せるSYUさん、そんな激しい鳴り物をガッツリ支えるTAKAさんとLEAさんという鉄板の布陣。こないだKT Zepp YOKOHAMAで観たばかりなのに、新鮮な驚きと「やっぱこのバンド凄えな...」と思わせる説得力がヒシヒシ感じられる。

 

そしてフロントマンである小野さんのヴォーカルは、わかっているのに圧巻という他なく、伸びやかで太く、脳のド真ん中のズバッと貫くようなハイトーンを乱発していく。

 

事前にセットリストを確認した際、「小野、お前は果ててこい」と言われているように感じたとのことでしたが、結局のところライヴ終盤まで一切果てることなく、驚愕のヴォーカルパフォーマンスを継続しているのが凄い。あと1ヶ月したら57歳だというのに、一体あの人は何者なんだよ。

 

そんな凄まじいヴォーカルに反して、間奏パートになるとTAKAさんの近くでテンポに合わせて淡々と手拍子していて、とてもヘヴィメタルバンドのフロントマンとは思えないほどフワフワっとした空気を漂わせていました(笑) このギャップもまた彼の魅力でしょうね。

 

今回のツアーは事前にファンから募った要望を元にセットリストを決めているとのことで、ここ最近聴けていなかったレア曲披露されるのもポイントとなっています。個人的に嬉しかったのは、大好きながらも今までライヴで聴く機会に恵まれなかった前述の「CARRY ON」、イントロから哀しみと勇壮さを同居させた旋律が熱い「THE DAY OF RETRIBUTION」でしたね。

 

アンコール前のラストは「SILENT REVELATION」で、ここまで来るのにおよそ1時間ほど。曲に入る前に小野さんが「ラスト!」と声を上げ、アンコールがあるとわかりつつも「え、もう?」という感が拭えませんでした。彼らの曲は基本的に長いものが多いのもあり、この時点ではまだ10曲もやってませんからね。

 

しかし、今回のライヴで特に熱いのはアンコール後でした。SYUさんのギターソロ(個人的にはもう少しド迫力の速弾きを観たかった)が終わり、メンバーが再びステージに集うと、「RAISE MY SWORD」がコールされる。

 

メロディックパワーメタルだからこそ成しえる劇的さ、琴線にビシビシと響いてくる泣き、会場を一つにするシンガロングがすべて詰まった超名曲で、ラストのウォーウォー言うシンガロングは、ここ一番の声量で歌わせてもらいました。ここでメロイックサインを掲げるのが最高に気持ちいいんじゃ。

 

さらにダメ押しとばかりに、ダブルアンコールにて「ANGEL OF SALVATION」のストリングスが流れると、さらに歓声が大きくなる。14分もの大作ながら1秒たりとも退屈する瞬間がない楽曲であり、2時間近く立ちっぱなしの状態で10分以上続く曲を聴くという、本来体力的にキツい状態にさらされているはずなのに、マジで辛さを全然感じなかったですからね。

 

もうここで十分楽しんだ...という状態なのに、さらにさらにダメ押しで「DESTINY」。もちろんこの曲を聴かずにGALNERYUSのライヴは終われない!というポジションの代表曲ですが、ここまで名曲の乱打をするとは、このバンドはオーディエンスを多幸死させる気なのでしょうか。

 

ただこの曲に関しては、以前に観たのと同様、サビの一部をオーディエンスに歌わせる方針らしく、小野さんに対しては「もっとあなたの声が聴きたいんだよ」という思いと「こんな難易度の曲歌えるわけねえだろ!」という思いを抱いてしまいますね(笑)

 

 

「SILENT REVERATION」の時には「もう終盤か。物足りないな」なんて思っていたのが、終わってみれば名曲連発、超絶ハイトーン連発、超絶技巧連発の、恐ろしいほど充実したツアーファイナルとなっていました。音源でもライヴでも、とにかく「圧倒」を味わうことのできるGALNERYUSというバンドの凄み、一年の締めくくりとして存分に堪能させてもらいました。

 

そんな胸いっぱいの状態のまま、新木場駅まで再び15分のウォーキング。歩くこと自体は好きだし、ライヴ後の余韻を噛み締めながら夜道を歩くのは良いんですが、やはり立ちっぱなしで爆音を浴びた後の体だと、疲労感がなかなかに厳しい。