ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

4/30 GALNERYUS / "STRUGGLING BETWEEN DREAD AND VALOR" TOUR 2023 at KT Zepp Yokohama

 


日本のメタルファン的には、日本武道館で行われているDREAM THEATERの来日公演がホットな話題かもしれませんが、僕は横浜を優先しました。

 

日本が世界に誇るJ-METALヒーローGALNERYUSの、最新作『BETWEEN DREAD AND VALOR』リリースに伴うツアー"STRUGGLING BETWEEN DREAD AND VALOR"のファイナル公演です。

 

会場はKT Zepp Yokohama(KTはコーエーテクモのことらしい)。神奈川のライヴといえばもっぱらクラブチッタになることが多いのですが、今回はみなとみらいのZeppです。まだオープンして3年ほどしか経っていない会場のようで、非常に綺麗で気持ちの良い会場でした。

 

開場時間から20〜30分程度経ったあとに着いたのですが、特に入場列などはなされておらず、当日券も出ていることもあって「ひょっとしてだいぶスカスカなのでは...」と不安になるも、蓋を開けてみたらそこそこの入りでしたね。もちろん満員には遠いもののフルキャパの7割くらいは入ってたのかもしれません。最後方はほぼ見てないので何とも言えませんが。

 

18時をすこし回ったころに暗転。今回のツアーは声援ありとのお達しがあるため、この瞬間たくさんのメロイックサインと共に歓声が上がる。前回のツアーのときはパラパラと拍手が起こるだけだったので、このライヴ感が戻ってきたという事実だけでも嬉しい。

 

最新作のインストである「DEMOLISH THE WICKEDNESS!」の生演奏から、アルバムの流れ通りに「RUN TO THE EDGE」へとつながる。初っ端から小野さんのハイトーンが炸裂し、ステージ後方のパイロからブワっと火が吹き出す。ツアーファイナルだけに、こういった演出にも力が入っていますね。

 

パイロは一発だけではなく、その後も要所要所で吹き上がっていましたが、ステージ上のメンバー、特に後方のYUHKIさんとLEAさんは大丈夫だったんでしょうかね。あの手の火って、一瞬だけとはいえかなり熱を感じますからね。

 

この間プロバスケットボールBリーグ千葉ジェッツの試合を船橋アリーナまで見に行った際に、選手入場の段階で同じようなパイロがありましたが、数m程度の距離にいるだけでも「あっつ!!」ってなりますからね。あの至近距離で、しかも汗だくになるような動きをしながら、何発もあの熱気を浴びまくるというのは、相当体力を消耗してしまうのでは。

 

実際にこのライヴが終わった後のLEAさんは、ステージ上での挨拶のときには茹でダコのようになってたし、YUHKIさんも当日夜に「ちょっとこれ以上無理なので、また明日」とツイートしてたし。本当にお疲れさまです。

 

演奏は相変わらず凄まじい怒涛のテンションの高さで迫ってきて、バカテクと泣きを両立させたSYUさんのギターが唸りを上げる。高速の指さばきを披露するTAKAさんとYUHKIさんに、前回のツアーよりもさらにパワーを増した印象のあるLEAさんのドラムプレイが渾然一体となる様は、もう圧巻としか。

 

上半身を勢いよく起こして、長髪をブワッとなびかせながら、ギターをギュワンギュワン泣かせるSYUさんは、やはりいつ何度見ても華があって圧倒させられる。左手の運指なんて、なぜあそこまで速く、かつ正確にできるのか皆目見当もつかない。

 

バンドのフロントマンを務める小野さんのヴォーカルについても、出だしからハイペースでシャウトを連発。バックの音圧がこれだけ凄まじいものになっても、一切力負けしていないヴォーカルパフォーマンスを披露していました。最初の入りの"アアァァァーーーーーーッ!!"のシャウトを一発聴いた時点で、「あ、これはすごいライヴになる」と確信させられましたからね。

 

ライヴ前半は『BETWEEN DREAD AND VALOR』の楽曲を「BREAVEHEARTS」のみ残した状態ですべて演奏。メロハー区画である「LET US SHINE」「WITH PRIDE」に入っても、ライヴのテンションが落ちるような印象がなかったことから、彼らのライヴが疾走曲や勢い頼みのものではないことがよくわかる。「」における小野さんのヴォーカルはやはり素晴らしく、彼のポップス歌手として磨き上げられた歌唱の表現力が存分に活かされていました。

 

新譜の曲を一通りやり終えたあとは、過去曲が続く。中盤のギアを上げる役目を果たしたのは「FLAMES OF RAGE」で、ズッシリとした重みのあるイントロから、ハイトーンシャウトで一気に爆走する展開の解放感たるや凄まじく、火が吹き荒れるステージを前に、ハイスピードのドラムと同じテンポでヘッドバンギングに興じる。この日の最大瞬間風速は間違いなくここだったと思います。

 

アルバムで聴くだけでも良い曲であることはわかるのですが、やはりライヴの熱量でこそ真価を発揮する曲ですねコレは。今後のGALNERYUSの新たなライヴアンセムになりそうな予感がビンビンします。

 

ポップでキャッチーな歌メロを際立たせた「」や、躍動するリズムで開場を縦に揺らす「THERE'S NO ESCAPE」など、ストレートなパワーメタルとはやや趣の異なる楽曲も控えていましたが、そういった曲もライヴならではの魅力が光る。特に「THERE'S NO ESCAPE」は曲の前に「みんなで体を動かしますよ!」と煽られるだけあって、跳ねるリズムに動きを合わせやすく、わかりやすく盛り上がりが可視化されるから、音源以上に輝く。

 

そして声出しによる鑑賞が許されたからこそ、今回のセットリストに組まれたであろう「BASH OUT!」では、以前のライヴで観たときのように"I wanna bash out all night long!"のシンガロングによる掛け合いが行われる。最初のうちはちょっと声を揃えるのが難しかった

 

ステージ上のメンバーも一人ずつシンガロングパートが設けられ、LEAさんとYUHKIさん(YUHKIさんは持ち場を離れてハンドマイク)でそれぞれ会場を煽り立てる。しゃべらないことで有名なベースのTAKAさんは、SYUさんに"あいつまだやってないぞ!"といった感じで指をさされた瞬間そそくさと逃げ出し、小野さんからマイクを向けられても、断固としてシンガロングすることはなかった(笑)

 

本編ラストは新作からの「BRAVEHEARTS」。この曲は音源発売前のインタビューで勇壮な楽曲と紹介されていて、疾走キラーチューンを期待していたものの、実際は重厚なミドルテンポだったことで、若干スカされた感もある楽曲でしたが(笑)、やはり合唱を誘うような勇ましいムードは高揚させられる。

 

こういう楽曲だと、今回のステージに施されたパイロが映えますね。今回のライヴにおいて最も雄々しい瞬間だったと思います。

 

本編が終わった後はアンコール。いったん小野さん一人が出てきて、ステージ用のドーランを買おうとお店に入って品定めしていたら、近寄ってきた店員さんからフラメンコパフォーマーだと勘違いされた話でひとしきり盛り上がり(「フラメンコ 男性」で画像検索すると、そう勘違いされるのもしかたないのかもと思わせられる)、自身のソロライヴや、今後のGALNERYUSのツアー情報などを公開。20周年を迎えるGALNERYUSはまだまだ止まらないと力強く宣言していました。

 

その後は彼らがライヴでなに気によくやるカバー曲で、RAINBOWの超名曲「Kill The King」を披露。RAINBOWの楽曲の中では最も好きなので(というかこの曲以外さほど思い入れは強くない)当然盛り上がるのですが、やはり彼らはオリジナルの楽曲こそ魅力的だと思われているのか、会場の反応はそこまで熱いものではありませんでしたね。小野さんも言ってたとおり、本日この会場に来ている人で、「Kill The King」を聴いたことないという人は少数だと思われるので、知らない曲だからそこまで盛り上がらないということではないと思いますし。

 

そして古くからの名曲「UNITED FLAG」で、「BRAVEHEARTS」にも負けないほどの勇壮なムードを熱演、さらにダブルアンコールでは「MY FAITH」なんて曲まで飛び出す。今までそこそこの回数GALNERYUSのライヴには足を運んできましたが、恐らくこの曲が一番マニアックな選曲でした。正直、イントロの瞬間は「...なんだこの曲?またカバー?」なんて考えがよぎりましたからね。

 

クライマックスは、彼らが2015年に発表した超名作『Under The Force Of Courage』からリードトラック「RAISE MY SWORD」で、最後の最後に熱量を底上げ。サビの"Raise my sword!"の力強いシンガロングは、まさに今回のライヴの熱狂をダメ押しでぶち上げる瞬間。

 

その後はメンバーが挨拶を交わしてステージへ捌ける...のですが、間髪入れずにあのイントロが流れ出す。彼らのライヴではもはや聴き飽きるほど(全然飽きてないけど)聴いたあのイントロだ。

 

そう、彼らの押しも押されもせぬ代表曲「DESTINY」。小野さんのハイトーンが突き刺さり、超高速のバカテクが惜しみなく続く圧巻のパフォーマンス。

 

やはりこの曲を聴かないことには、GALNERYUSはのライヴは終われませんね。長〜い間奏パートでは全楽器のユニゾン(相変わらずドラムの手数足数がハンパない)を聴かせてからの、ギター&ベースの超速タッピングで場をガンガンに沸かせる。ラストの天上に至るハイトーンに、ポジティヴな泣きをこれ以上ないほど発散させるギターで、壮絶なエンディングを描きました。

 

 

こうしてツアーファイナル公演は終了。いや〜〜〜改めてみて、彼らのライヴのクオリティーの凄まじさを感じました。序盤から終盤まで、一切落ちないテンションの高さ、ダイナミックさと安定感を併せ持った演奏、爆音に一切埋もれることないハイトーン、そのどれもが一級品。

 

GALNERYUSこそ日本が誇るパワーメタル界最高のライヴバンドだ、ということを証明するかのような素晴らしい一夜でした。あの爆音の余韻に浸りながらの横浜の夜景がまた良かったな〜〜。