ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

View From The Soyuz 『IMMACULATE』

  • 2021年結成の超若手ニュースクール
  • 90年代メロデスからの影響が強い叙情派
  • タフなハードコアの中で冴えわたる、悲しみの感情表現

 

日本のニュースクールハードコア/メタルコアバンドの5曲入り2nd EP。シングルやEPは以前にも発表していたようですが、フィジカルリリースは本作が初のようです。

 

このView From The Soyuzというバンド、かなりの若手バンドらしく、結成は2021年、メンバーの平均年齢は22〜3歳ほどなのだとか。とんでもなくフレッシュな方々。

 

しかしそんな若さながらも、やってる音楽は90年代のメロデスやニュースクール、00年代に活躍したメタルコアバンドたちから強い影響を受けたものだというのだから驚き。君らホントはいくつ?年齢詐称してない?

 

note.com

 

僕は現在28歳、今年で29歳になるので(あとちょっとで30になってしまう...)、彼らよりは一回り年代が上なのですが、自分の周りにメロデスだのハードコアだのメタルコアだの聴いてる人なんてほとんどいなかったはず(聴いててもせいぜいSlipknotとかその辺)。そんな僕よりさらに若い世代が、そういった音楽に影響を受けて、バンドまで結成してしまうのだから、良い音楽は世代というものを超越して愛されるものなのだと思わされますね。

 

そして音を聴いてみると、確かに本人たちが影響元に挙げていた音楽を思わせる要素が満載。ヘヴィなリフを主体としたひ弱さの無い音作りは、メタルコア/ハードコアと呼べるもの。それでいて随所で聴かれる、メロディックな旋律を多分に含んだリードギター、叙情リフはメロデスの血統を感じずにはいられない。

 

本作を制作した上で、ソングライターのmasaさんは自身のnoteでこのように述べています。

 

メタルコア的な音楽を作りたかった訳ではなくてただ元々メロデスが好きな僕がハードコアを好きになって双方を詰め込んだら必然的にこうなったって感じです。曲はどうであり僕らはハードコアでいたいって気持ちが強いです。

 

そう言われれば、あ〜確かにな、と。叙情的なリフの応酬はもちろん、M4「Sky Burial」のイントロのリードや、M5「Frozen Black」の疾走リフなんかはモロにメロデス的ではありますが、それでもアルバム全体の音作りは、メタルよりかはハードコアとしてのスタイルの方が色濃く感じました(あくまで僕の感覚では)

 

M3「When My World Collapse」にて、ゲストヴォーカルにNUMBのSENTAさんを迎えているのも、このバンドのスタンスはハードコアが中心であることを示すものなのだと思ってます。

 

一番気に入った楽曲はラストのM5かな。後半のテンポダウンのパートにて聴けるリードギターソロ、それに絡むようなピアノ(masaさん本人が言うように音色は若干チープですが)、ラストにかけるバスドラ連打の疾走において、本作中特に秀でた悲しみの感情表現が堪能できます。

 

20分に満たない5曲入りということで、だいぶコンパクトではありますが、どの楽曲もメロデスやメロディックメタルコアから強い影響を受けた叙情派ニュースクール。このバンドならではの明確な個性みたいなものは薄いものの、ハードコアマナーに則った楽曲のクオリティーは確かなものがあります。この手のサウンドが好きな人であれば、まず裏切られることはないかと。

 

全編タフでありながら、メロデス的な泣きや哀愁をうまく織り込んだ楽曲は、これからのメタル/ハードコアシーンにて活躍できるポテンシャルを感じるので、フルアルバムの制作にも期待がかかりますね。

 

しかしTake This to Heartとかもそうですが、デビューして間もない若手バンドが、ここまでしっかりした音源を出せるというあたりに、今の日本のエクストリームミュージックシーンがいかに充実しているかを物語っているような気がします。良いバンドまだまだたくさんいそう。

 

 

個人的に本作は

"ヘヴィでタフ、オーソドックスなニュースクールハードコア。メロデスからの影響が著しい、叙情的ギターが大きな魅力"

という感じです。

 


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